法律でどこまで細かく規定するか、裏を返せば法律でどこまで縛るか――いわゆる「規律密度」の問題があります。
 例えば、行政学の分野では、地方自治法は「規律密度」が高くて、自治体の自主的行政権限を圧迫しているというような用語の使われ方をします。

 国民投票法制では、どこまで規定すべきでしょうか。硬性憲法の改正手続を考えるに、重要な問題です。

 まず、国会で憲法改正の「原案」が発案され、両院で可決されて、国民投票が公示されるまでの間は、「国会法」で第一義的に、議事手続の細部まで厳格に規定すべきです。国会法は衆参両院の「紳士協定」にすぎないとの見解もありますが、慎重な手続を担保するためにも法律で規定すべきです。その上で、衆議院規則、参議院規則を整備することになるでしょう。

 公示後は、国民投票キャンペーンが始まっています。この間は、国会の院内手続はすでに終わっていますし、表現の自由の保障がもっとも担保されなければいけない期間といえます。
 したがって、国民投票キャンペーンの自由・公正を担保する意味での最小限度の法整備は必要ですが、それ以上に政治セクションが過度に介入する契機とならないようにすべきです。一定の規律が必要とされても、法律以外のsoft law(ガイドライン、訓示規定etc)で対応することが肝要です。