国民投票法の宿題のうち、年齢条項の見直し検討措置、及び公務員の政治的行為の制限に関する見直し検討措置について、為すべき措置の内容と期限を定めた法律案(私案)を考えてみました。

 
【立案の背景】
1 「第二 年齢条項の見直し検討措置」は、これまで閣法で対応することが想定されてきたが、政治のリーダーシップが欠如し、まったく見通しが立たないため、各党間の合意を早急に図り、議員立法で対応することとする。
2 「第三 公務員の政治的行為に係る制限の見直し検討措置」は、公務員による国民投票運動の自由を可及的に保障するため、特定の政治的目的をもってなされる政治的行為(公務員に求められる政治的中立性を著しく害し、不特定多数人に対し影響を及ぼしうる行為)に該当する場合を除き、公務員法の全面適用除外に近い形で立案する。
3 附則第十二条「憲法改正問題国民投票に関する検討措置」は、国民投票に関する法律案(国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第百二条の六)の一形式として、この法律とは別に立案する。

第一 目的
 この法律は、日本国憲法の改正手続に関する法律(平成十九年法律第五十一号。以下「国民投票法」という。)附則第三条及び第十一条に定める検討措置に関し、必要な事項を定めることを目的とする。

第二 年齢条項の見直し検討措置(国民投票法附則第三条関係)
 年齢満十八年以上満二十年未満の者が国政選挙に参加することができること等となるよう、次に掲げる規定に関し、所要の改正を行うものとする。
一 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四条
二 未成年者喫煙禁止法(明治三十三年法律第三十三号)第一条、第四条及び第五条
三 未成年者飲酒禁止法(大正十一年法律第二十号)第一条及び第二条
四 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第十八条
五 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)第二十二条第六号及び第二十八条第十二項第五号
六 少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第二条第一項
七 少年院法(昭和二十三年法律第百六十九号)第二条
八 漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第八十七条第一項第一号
九 公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第九条第一項及び第二項
十 国籍法(昭和二十五年法律第百四十七号)第三条第一項、第五条第一項第二号、第十四条及び第十七条
十一 相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)第十九条の三第一項、第二十一条の九第一項及び第四項
十二 農業委員会等に関する法律(昭和二十六年法律第八十八号)第八条第一項
十三 旅券法(昭和二十六年法律第二百六十七号)第五条第一項第二号
十四 売春防止法(昭和三十一年法律百十八号)第十七条第一項
十五 国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第七条第一項第一号及び第三号
十六 特別児童扶養手当等の支給に関する法律(昭和三十九年法律第百三十四号)第二条第一項及び第三項
十七 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第十六条第一項
十八 スポーツ振興投票の実施等に関する法律(平成十年法律第六十三号)第九条
十九 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(平成十四年法律第八十八号)第四十条第一項
二十 更生保護法(平成十九年法律第八十八号)第六十六条、第六十八条第二項及び第七十二条第二項

第三 公務員の政治的行為に係る制限の見直し検討措置(国民投票法附則第十一条関係)
1 公務員が国民投票に際して行う憲法改正に関する賛否の勧誘及び憲法改正に関する意見の表明並びにこれらに必要な行為が制限されることとならないよう、特定の政治的目的をもってなされる政治的行為に該当する場合を除いて、次に掲げる規定は適用しないものとする。
一 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)第三十七条第一号
二 裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)第五十二条第一号
三 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十条の九第十四項(同法第二百五十一条第五項において準用する場合を含む。)
四 会計検査院法(昭和二十二年法律第七十三号)第十九条の三第九項
五 国会職員法(昭和二十二年法律第八十五号)第二十条の二第一項及び第三項
六 国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百二条第一項及び第三項(これらの規定を同法第六条
第二項並びに電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)第九十九条の四及び裁判所職員臨時措置法(昭和 二十六年法律第二百九十九号)において準用する場合並びに教育公務員特例法(昭和二十四年法律第一号)第十八条第一項(同法第三十条において準用する場合を含む。)においてこれらの規定の例による場合を含む。)
七 国立国会図書館法(昭和二十三年法律第五号)第四条第二項
八 公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第三十七条の六第二項
九 労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第十九条の六第一項第一号及び第二項
十 地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第三十六条第一項から第三項まで(これらの規定を同法第九条の二第十二条及び地方公営企業法(昭和二十七年法律第二百九十二号)第七条の二第十一項において準用する場合を含む。)
十一 社会保険審査官及び社会保険審査会法(昭和二十八年法律第二百六号)第二十九条第一号
十二 警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第十条第三項及び第四十二条第三項(同法第四十六条第二項において準用する場合を含む。)
十三 自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第六十五条第一項及び第三項
十四 労働保険審査官及び労働保険審査会法(昭和三十一年法律第百二十六号)第三十五条第一項第一号及び第二項
十五 地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)第十一条第五項
十六 地価公示法(昭和四十四年法律第四十九号)第十八条第二項
十七 公害紛争処理法(昭和四十五年法律第百八号)第十七条第二項(同法第二十三条、第二十八条第四項、第三十一条第四項及び第三十九条第四項において準用する場合を含む。)
十八 公害等調整委員会設置法(昭和四十七年法律第五十二号)第十一条第二項
十九 公害健康被害の補償等に関する法律(昭和四十八年法律第百十一号)第百二十三条第二項
二十 航空・鉄道事故調査委員会設置法(昭和四十八年法律第百十三号)第十条第二項
二十一 電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第百五十条第二項
二十二 日本銀行法(平成九年法律第八十九号)第二十六条第一項第二号
二十三 金融庁設置法(平成十年法律第百三十号)第十六条第二項
二十四 内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第三十三条第二項
二十五 文部科学省設置法(平成十一年法律第九十六号)第十四条第二項
二十六 国土交通省設置法(平成十一年法律第百号)第二十一条第二項
二十七 独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第五十四条第二項
二十八 国家公務員倫理法(平成十一年法律第百二十九号)第十八条第二項
二十九 食品安全基本法(平成十五年法律第四十八号)第三十二条第二項
三十 情報公開・個人情報保護審査会設置法(平成十五年法律第六十号)第四条第九項
三十一 地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第五十条第二項
三十二 武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律(平成十六年法律第百十七号)第百五条
三十三 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成十八年法律第四十九号)第三十九条第二項
三十四 更生保護法(平成十九年法律第八十八号)第八条第二項
三十五 原子力規制委員会設置法(平成二十四年法律第四十七号)第十一条第二項
2 特定の政治的目的をもってなされる政治的行為とは、次に掲げるものをいう。
一 特定の公職の候補者、政党その他の政治的団体を支持し又は反対する目的をもって、署名運動又は示威運動を企画し、主宰し、若しくは指導し、又はこれらの運動に積極的に参与すること
二 公の選挙において、投票をし、又はしないよう勧誘すること

第四 施行期日
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 「第二 年齢条項の見直し検討措置」に定める法律の改正は、この法律の施行の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

第五 経過措置
 「第二 年齢条項の見直し検討措置」に定める法律の改正の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。