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「18歳選挙権の法律論と制度論」
 
一 序論
 
 2016年6月19日、18歳選挙権法が施行される。18歳、19歳の者は新たに、同日以降に公示される国政選挙(衆議院議員総選挙、参議院議員通常選挙)から、投票行為はもちろんのこと、特定の候補者、政党等を支援する目的で選挙運動を行うことが可能となる。18歳選挙権に連動し、衆議院議員総選挙のさいに行われる最高裁判所裁判官の国民審査、さらに地方自治体レベルの住民投票も、18歳を以て有権者としての資格を得ることになる。総じて、政治参加の場面では、18歳がエントリー基準となる。

 思えば1945年12月、日本に普通選挙制が導入され、満20歳以上の者に対し、男女平等に選挙権が与えられた。現在まで70年間にわたって20歳選挙権が定着し、選挙権年齢の引下げは、戦後憲政史の上で初めてのことである。世界に目を転じれば、デンマークのように、選挙権年齢を25歳から18歳まで、数次の国民投票を経ながら段階的に引き下げてきた国もあるところ、18歳選挙権はすでにすう勢となっている。新興国の多くは、18歳選挙権を当初から採用した。時機がかなり遅れたものの、日本はようやく世界標準に到達したところである。

 もっとも、18歳選挙権に関しては、制服姿の高校3年生が投票所で投票する姿がシンボル化されがちであるが、立法目的は決して、投票を可能としたことに尽きるものではない。18歳、19歳の者が現実の政治との接触、社会との関わりの中で思考を巡らし、主体的な活動を実践することを通じ、政治的な潜在能力を覚醒させ、政治的な自律を獲得する過程にこそ、その核心がある。知識中心ではない、実践的な市民教育の重要性が認識される所以である。
 
 18歳選挙権の法律論、制度論としては、この先の展開に悩ましい課題を抱えている。まず、18歳選挙権法が整備されてもなお、被選挙権年齢の見直し等、法律改正を要する課題が残されている。また、憲法改正の手続を定める国民投票法の制定(2007年5月)を契機に、いわゆる「18歳成人改革」が立法課題として継続しているところ、年齢に関する法制度の全体を見渡せば、選挙権年齢の引下げはまだ、改革の第一歩にすぎない。18歳選挙権法は、民法、少年法、その他の法律の改正(総計170本程度)を、政府に対し、宿題として課したばかりであり、改革の本番はこれから到来する。言うまでもなく、民法、少年法の改正は、国会内外における合意形成のハードルが高い。国民的議論を仕切り直すためにも、18歳選挙権法を起点に、今後予定される法律改正の内容、課題を整理しなければならない。

 なお、本稿の内容は、執筆時点(2016年1月)の情報に基づいている。

二 国民投票権年齢との関係

 本論に入る前に、18歳選挙権の実現を後押しした国民投票法との関係について、一点指摘しておかなければならない。

 国民投票法は2007年5月に制定され、3年後の2010年5月に施行されたが、国民投票権年齢に関する法的不具合が生じたため、同年齢が満18歳以上か、満20歳以上か、解釈がいずれにも確定しないという状態が続いていた。2014年6月の国民投票法改正は、この年齢不確定問題に対処するため、一定の政治的妥協を踏まえつつ、国民投票権年齢を2018年6月20日まで「満20歳以上の者」といったん確定し、翌6月21日以降、「満18歳以上の者」と、自動的に引き下げる措置を講じたところである。

 選挙も国民投票も、参政権としては同種であり、いわば「性別の同じ双子」として、法律上の年齢が異なってはならないというのが、伝統的な立法原則である。しかし、18歳選挙権を起点に、前記の推移を捉えるとどうなるか。18歳選挙権法が施行されると、2018年6月20日までの間、選挙権年齢と国民投票権年齢が食い違ってしまうのである。

 筆者が仄聞する限りでも、選挙権年齢と国民投票権年齢が制度上、相違している国は存在しない。このまま放置しても、2018年6月21日には自然に解決する問題ではあるが、18歳国民投票権を前倒しして実現する法整備が喫緊の課題であることを、まず確認しておかなければならない。

三 18歳選挙権の意義再考

1 国政との関わり

 18歳選挙権法は2015年6月、衆参両院において全会一致で可決し、成立した。法案審議時には、各党間で「次回の国政選挙は必ず、18歳選挙権が実現された下で行う」との共通認識が醸成されており、制度化それ自体に対する異論はまったくみられない。国民投票法案の起草当時(2006年)には、18歳の政策判断能力を疑問視する意見が有力に主張されていたことからすれば、わずか10年の経過とはいえ、隔世の感がある。

 今や、18歳、19歳の者が選挙権を適切に行使することができるよう、選挙制度の内容(衆参の相違点)、投票の方式をどのように周知するかという課題に収斂している。政府はすべての高校生に副教材を配付し、制度に関する詳細な解説を施す一方、各党は、若年者層との双方向的な政策対話の場を設け、定期的にコミュニケーションを図るなど、試行錯誤が続けられている。しかし、各党の日常的な活動広報は、政界特有の分かりづらさが覆い尽くしており、なお相当な工夫を要する。
 
 18歳選挙権法は、最高裁判所裁判官の国民審査も満18歳で可能としたが、事前の情報提供のあり方に関しては、選挙よりもはるかに深刻な課題を残している。国民審査は現在、罷免させたい裁判官に対して「×」を付し、それでなければ何も書かずに投票する方式が採られているが、審査対象となる裁判官の評価に資する情報に、18歳、19歳の者がアクセスすることは容易ではない。最高裁判所は、裁判官に関する情報を日常的に提供しておらず、国民審査のさいに発行される「審査公報」が唯一の参考情報となるところ、実に形式的であり、質・量ともに、18歳、19歳の者の判断に供する内容として構成されていない。国民審査のさい、適切な判断ができなければ、白紙投票を以て、裁判官を結果的に信任することになってしまう。また、国民審査に臨むには、最高裁判所の役割を正しく認識していなければならず、この意味でも憲法教育の充実が不可欠である。

2 地方政治との関わり

 18歳選挙権法が初めて適用されるのは、衆参いずれかの国政選挙ということもあり、18歳選挙権を論じる場合、国政選挙のさいの投票行為に焦点が当たりがちである。しかし、18歳、19歳の者が有権者として関わるのは国政選挙だけではない。日常生活に身近な、地方政治との関わりを確認しておく必要がある。

 まず、18歳選挙権法により、地方選挙(知事、市町村長、自治体議会の議員の選挙)において、満18歳の者が投票資格を得る。いずれの職も任期は4年であり、少なくとも4年に1回、これら住民の代表者を選ぶことができる。

 加えて、地方自治レベルには、「直接請求」と呼ばれる制度がある。すなわち、ー治体条例の制定等の請求、監査の請求、5腸颪硫鮖鏡禅瓠↓さ聴、長、役員の解職請求(リコール)の4つが、住民の権利として認められている。18歳選挙権法はこれら4つの直接請求権も、満18歳で行使可能としたことが特長である。

 筆者がとくに注目するのは、,両鯲秬定請求権である。近年、住民の間で政策上、大きな争点となり、対立が容易に決着しない案件に関しては、住民投票というシステムを活用し、住民が直接、意思決定を行おうとする機運が高まっている。その背景事情は様々だが、4年に1回の選挙を経るだけでは、自治体行政と住民の意思とのかい離が埋まらないことは確かである。これまで市町村合併、議員定数の削減、産業廃棄物処理施設の建設、大型公共施設の建設、基地の移転、原子力発電所の再稼働等の是非をめぐって、住民投票を実施するための条例を制定するため、有権者による一定数の署名を収集し、当該自治体の長に対して条例制定を請求する動きが、全国各地で見られたところである。
 
 条例制定請求権の行使は、既成政党ないし政治的組織の活動の延長として、比較的年輩の有権者が取り組むもの、というイメージが強い。しかし、昨今の若年者層の政治問題に対する関心の高まり、政治的な活動のすそ野の広がりを見るにつけ、今後はむしろ高校生、大学生が運動のイニシアティブをとることに、筆者は期待を込めている。選挙運動、国民投票運動にも通ずるところがあるが、インターネットの利活用が、運動の可能性を一層膨らませる。殊に、文部科学省通知「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」(2015年10月29日付)に基づく運用が、生徒会、クラブ活動等の授業以外の場面、放課後や休日等における生徒の政治活動を不当に制約することがないよう、十分に配慮しなければならない。
   
四 18歳選挙権法が残した課題

1 学年基準の採用

 「参議院議員通常選挙が、2016年7月17日(日)に行われる」と仮定する。この場合、2016年7月18日までに、18歳の誕生日を迎えた者は、投票資格が得られるが、7月19日以降、2017年4月1日までに誕生日を迎える者は、同じ高校3年生でも投票資格は得られない。

 なぜ、このような事態が生じるかといえば、選挙権年齢の要件に関して、当該選挙の期日を基準に据え、満年齢を以て判断することから、在学年齢との間に齟齬が生じるためである。同じ高校3年生が、投票期日の偶然によって、有権者と非・有権者に二分されることには、多くの高校生、教育関係者が違和感を覚えることであろう。

 したがって、18歳選挙権特有の問題ではあるが、学年を基準に投票機会を拡充する趣旨で、高校3年生の在学年度(当該年の4月1日から翌年の3月31日まで)に執行される選挙に関し、選挙権を一律、平等に付与する制度を導入すべきである。学年基準は、オーストリアですでに採用されている。日本においても、実務上の障碍は低いと解される。

2 被選挙権年齢の引下げ
 
 序論で「政治参加の場面では、18歳がエントリー基準となる」と述べたが、被選挙権年齢に関しては、今まで18歳成人改革の射程から外れてしまっていた。選挙制度は各国様々であるが、25歳(衆議院議員、都道府県議会議員、市区町村議会議員及び市区町村長)、30歳(参議院議員、都道府県知事)という被選挙権年齢は、比較法的にみても高い基準である。

 18歳選挙権の実現により、衆議院議員の被選挙権年齢との較差は7歳となる。この点、二院制を採用している国における下院の選挙制度について見ると、選挙権年齢と被選挙権年齢との5歳以上の較差を許容する例は、アメリカ、フランス、イタリアの3国と、わずかであることが分かる。日本も当然、少数国の部類に含まれる。
 
 各国では、被選挙権年齢も選挙権年齢と同じ18歳とする例が多い。日本では、被選挙権年齢をいきなり18歳に引き下げることは困難であると解されることから、22歳、20歳と、段階的に引き下げていくのが現実的にも妥当な選択であろう。

 なお、被選挙権年齢の引下げのさい、民法が定める成年年齢(後述)よりも低く設定することはできない。特定の選挙に立候補する場合には当然、売買、賃貸借等の契約が、親の同意なく単独で行うことができる能力があることが前提となるからである。

五 民法が定める成年年齢の引下げ

1 成年年齢とその引下げの意義

 18歳選挙権に続く次のステップとして、民法が定める成年年齢の引下げ、言わば「18歳成年」の実現が課題となる。成年年齢は、一般には「成人年齢」と言い換えられることが多く、「大人と子どもを画する年齢」として理解されているが、18歳選挙権との関係ではあくまで、法的な意味を理解する必要がある。成年年齢が有する意義、その引下げがもたらす問題は、次の2点にまとめられる。

 成年年齢とは第一に、個人が単独で契約を行うことが出来る年齢である。成年に達しない者、すなわち未成年者が契約を行う場合には、原則、親権者等の法定代理人の同意を得なければならない。法定代理人の同意を得ないで行った契約は、未成年者本人又はその法定代理人が、取り消すことが出来る。成年年齢を18歳に引き下げた場合には、18歳、19歳の者が親の同意なく自由に売買等を行うことが出来るようになる一方、悪徳業者から不当高額な商品を購入した場合であっても、親権者がその売買契約を取り消すことが出来なくなるため、消費者被害が拡大するおそれが高くなる。

 第二に、個人が、親権者の親権に服さなくなる年齢である。親権の内容は、子の監護、教育、居所指定、懲戒、職業許可及び財産管理と多岐にわたる。成年年齢の引下げは、親権を離れ、若年者の自立を促す効果がある一方、自立が元々困難な者にとっては、18歳を迎えた後、親権者の保護を受けられなくなるおそれが生じる。また、18歳を以て成年とすると、高校3年在学中に成年を迎える者が出てくるが、法律上はすでに親の親権に服さない地位になっており、教育者の立場からすれば、生活指導、進路指導等の場面で親の協力が得られなくなるおそれがある。

2 選挙権年齢と成年年齢との関係

 選挙権年齢と成年年齢とは、一見して無関係であるように見えるが、実は密接な関係下にある。
 
 序論で、日本で普通選挙制度が導入されたさい、選挙権年齢が満20歳以上の者と定められたことについて述べた。実はこのとき、政府は成年年齢を参考にし、選挙権年齢を成年年齢に一致させるべきことを方針として確定し、満20歳以上と定めたのであった。選挙のさい、誰(どの政党)に投票すべきかを判断する能力と、売買等の契約の場面で必要な判断を行う能力との間には違いはないというのが、その理由である。選挙権と国民投票権は「性別が同じ双子の関係」と称したが、選挙権と成年概念は言わば、「性別が違う双子の関係」に当たると理解することもできる。
 
 2016年6月19日以降、選挙権年齢と成年年齢は不一致となる。両年齢の不一致を放置したら、それがもたらす不都合は、早晩、顕在化することであろう。例えば、18歳、19歳の者が、選挙運動のボランティアをしたいと決意し、ある立候補者の選挙事務所にその旨申込むケースを想定してみる。申込者はこのとき、選挙運動を行うことは認められても、一方で民法上の未成年者として評価されるままに「親の同意」を要求されることがありうるのである。親の同意が得られないため、ボランティアを断わられることは、ごく一般的な法感覚に反するであろう。

 このような不都合を回避するためにも、成年年齢の引下げを早期に行うべきことは言うまでもない。もっとも、選挙権の行使には、結果も含めて公的にも私的にも責任は問われないが、契約などの場面では、判断が不十分であっても、代金支払などの債務が原則発生する。選挙権年齢の引下げのさいは、法的責任の発生を一切考慮する必要がなかったが、成年年齢の引下げはこの点の事情が異なるのである。

 政府は一貫して、若年者の自立を促すような施策や、消費者被害が拡大しないような施策が実現することが、成年年齢引下げの前提条件となるとの立場を採っている。現段階では、これらの施策を計画的、確実に遂行することが課題である。

六 少年法適用対象年齢の引下げ
 
 少年法は、20歳に満たない者を「少年」と定義し、少年の犯罪行為に対しては原則、刑罰ではなく、保護処分の対象とすることとしている。少年の保護と更生をその目的とする(保護主義)。少年の刑事事件はすべて、家庭裁判所に送致される。

 18歳選挙権法の提出準備のため、各党が協議を重ねていた当時(2014年)、最も労力を費やしたのが、この少年法適用対象年齢との関係整理である。選挙犯罪に与した少年の扱いをどうするか、各党の意見集約にかなりの時間を要していた。

 ある選挙のさい、高校3年生のグループ内部で、買収が行われたとする。通常であれば、「買収罪」の責を負うが、少年法の適用を受けるため、原則として刑罰の適用はない。18歳、19歳に選挙権を付与することは、その限りで法的に一人前扱いすることに他ならないが、一方で、少年法の適用対象として保護するというのは、刑事手続上は一人前扱いしていないことに他ならず、法律論、制度論としては一貫していない。少年法の適用を受けることで、18歳、19歳の者による選挙犯罪が助長されることにはならないが、法的にアンバランスな扱いを放置することは妥当ではない。

 本来、18歳選挙権法の整備と同時に、少年法適用対象年齢を18歳とする少年法改正を実現すべきであった。しかし、少年法改正に関する合意形成には相当な時間がかかり、18歳選挙権法案の提出には間に合わないと判断され、断念に至った経緯がある。それでも、18歳、19歳の選挙犯罪をそのまま、少年法の適用下に置くという政策判断も厳しいことから、18歳選挙権法は暫定的な特例措置として、18歳、19歳の者による「連座制の適用となる事件」について、その罪質が選挙の公正の確保に重大な支障を及ぼすと家庭裁判所が認める場合には、検察官送致の決定(逆送)を行い、△修谿奮阿了件で、家庭裁判所が検察官送致を決定する場合には、選挙の公正の確保を考慮して行う旨、規定した。18歳、19歳の者による選挙犯罪に関し、実際の運用が保護主義と刑罰主義のどちらに傾斜するか、今後厳しく評価する必要がある。
 
 法務省は2015年11月、省内に勉強会を立ち上げ、少年法の適用対象年齢を含む若年者に対する刑事法制のあり方全般について検討を始めている。年長少年(18歳、19歳)による一般刑法犯の検挙人員は、2003年を最後のピークとして年々、減少傾向にあるものの、川崎市中1男子生徒殺害事件(2015年2月)など、社会を震撼させる事件が時折発生し、少年法適用対象年齢の引下げを要求する世論が一層強くなっている。処遇の見直しも含めて成案を得つつ、少年法改正をできるだけ早期に実現することが望ましい。

七 児童福祉法改正の動き

 18歳選挙権とは直接の関係性はないが、児童福祉法改正の動きについて最後に採り上げる。政府は第190回国会(常会)に、児童福祉法の改正案を提出する方針を固めている。児童福祉法の適用対象年齢を2016年度以降、現在の「18歳未満」から「20歳未満」へと、措置延長の年限を「20歳未満」から「22歳未満」へとそれぞれ引き上げ、不適切な養育を受けた子どもや家庭基盤がぜい弱な子どもの経済的、職業的な自立を今まで以上に支援することが、改正の柱とされている。適用対象年齢に関しては、実に60年ぶりの改正となる。

 子ども家庭福祉の領域における要保護性の評価とまったく同次元で議論することはできないが、子どもの自立の保証を強化しようとする児童福祉法改正が今後、成年年齢、少年法適用対象年齢の引下げの議論に影響を及ぼすことは必至である。改正が実現した場合、成年年齢、少年法適用対象年齢、児童福祉法適用対象年齢が20歳に揃うが、改正後もそのまま維持されるという可能性も否定できない。

 国民投票権年齢が前述の状況であるところ、当面、年齢に関する法制度全体の中で、18歳選挙権だけが突出し、制度概念として浮いてしまうおそれがある。18歳選挙権法の施行が迫るなか、18歳成人改革のロードマップを、今後どのように描いていくべきであろうか。年齢条項の論理性、法律相互の整合性を維持しつつ、改革が着実に進捗していくことを願うばかりである。(了)

1 序説 ―18歳年齢法制改革の現在位置―

 衆参両院で全会一致を以て可決、成立した「公職選挙法等の一部を改正する法律」(平成27年6月19日法律第43号。以下「18歳選挙権法」と記す。)は、平成28年6月19日に施行される。途中、衆議院の解散が無ければ、次回(第24回)参議院議員通常選挙の公示日以後にその期日を公示又は告示される選挙、地方自治特別法等の住民投票より、18歳選挙権に関する規定が適用される。

 同じ参政権に属する、憲法改正国民投票の投票権年齢は、平成26年6月の国民投票法改正により、平成30年6月20日まで満20歳以上とされ、翌21日、満18歳以上に引き下げられる。即ち、改正後の規定のままでは、前述の公示日から平成30年6月20日までの間、国民投票権年齢と選挙権年齢に、2歳の較差が生ずることになる。両年齢に較差が生じないよう、18歳選挙権に合わせて、18歳国民投票権を前倒しして実現することとする与野党合意(平成26年4月)が存在するが、当立法措置が見通せない状況が続いている。参政権年齢の引下げに係る改革は、後述の被選挙権年齢の件を含め、若干の課題を残している。

 他方、18歳選挙権法附則11条は、成年年齢(民法4条)及び少年法適用対象年齢(少年法2条1項)の18歳への引下げ、その他の法律の年齢条項の見直しに係る国の立法責任を、改めて規定した。この規定は例外的に、同法の公布日(平成27年6月19日)からすでに施行されている。平成19年5月の国民投票法制定が端緒となった18歳年齢法制改革は、比喩的に言えば、従前の比較的平坦な道程から、「峠に向かう上り坂」に差し掛かったと言えよう。

 成年年齢、少年法適用対象年齢の引下げの立法措置が完了すれば、制度論としては峠を越えるが、現下の政治状況に鑑みれば、なお予断を許さない。18歳年齢法制改革の対象として、今後、国会及び政府において検討が進められ、改正される法律は、民法、少年法を含めて170本程度に及ぶと見込まれるが(本稿執筆時点)、依然として立法措置の道筋が立たないばかりか、改革の全体像及び立法工程が国民に対して明確に示されていない。とりわけ、成年年齢、少年法適用対象年齢の引下げに対しては、国会及び政府内部でいまだに消極的な意見が燻っている状況にある。検討動向を引き続き注視しつつ、国民的議論をさらに喚起していかなければならない。

2 18歳選挙権の法律論

(1) 立法政策に拠る選挙権年齢

 憲法は、選挙権者の資格に関し、「公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。」(15条3項)、「両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。」(44条本文)と規定する。憲法は、選挙権年齢に関する直接の規定を置かず、法律に委ねている。
 
 それでは、法律を以て、選挙権年齢を何歳以上と規定すべきか。憲法15条3項は「成年者」という概念を用いている。また、民法(明治29年4月27日法律第89号)4条は、「年齢20歳をもって、成年とする。」と規定している。そこで、選挙権が得られる成年者の意義と、民法上の成年者との関係をどのように解するかが、議論の出発点となる。

 まず、両者を同じ意義と解する立場は、選挙権年齢と成年年齢は一致することが基本と考えるが、憲法15条3項は、民法上の成年者に対して選挙権が保障されることを定めたにすぎないとも解釈出来ることから、選挙権者の範囲を拡大し、成年年齢よりも選挙権年齢を低く定めることも許容される。また、両者を異なる意義と解する立場は、選挙に係る成年概念を民法とは別に定め、選挙権年齢と成年年齢が相異することを想定しつつも、政策判断として両年齢が一致する可能性まで排除しているわけではない。

 したがって、成年者(憲法15条3項)の意義に関し、いずれの立場を採っても、選挙権年齢と成年年齢の一致、不一致双方の結論を導き得る。結局のところ、立法政策上、両年齢は一致すべきか否かという、妥当性判断に帰着する。今回、18歳選挙権法の制定により、成年年齢に先行して選挙権年齢が引き下げられたが、附則11条が、選挙権年齢の後追いで成年年齢引下げの立法措置を講ずることを規定しているのは、両年齢は一致すべきであるという、立法者の政策判断の表明に他ならない。これは公職選挙法(昭和25年4月15日法律第100号)の制定過程において、選挙人として要求される判断能力と、私法上の取引場面で要求される判断能力は一致すべきであるとする政府解釈が確立し、選挙権年齢が成年年齢に合わせて「満20年以上の者」(公職選挙法9条1項)と規定された沿革に従うものである。

(2) 18歳、19歳の者に対する、立法者の期待

 18歳選挙権法の制定により、我が国の選挙権年齢はようやく“世界標準”に到達した。全国で240万人とも言われる18歳、19歳の者が、有権者としての資格を得る。選挙の期日、投票所に足を運び、受け取った投票用紙に自書し、投票箱に「一票」を投じることが可能になる。社会全体に蔓延る、固定化された選挙観を転換する契機にもなり、確かにその意義は大きい。

 しかし、一般的には、制服の高校3年生が投票する姿が、過度に象徴的に受け止められ、18歳選挙権法のより本質的な意義が伝わっていないきらいがある。立法者の意図は、18歳、19歳の者に対して新たに選挙権を付与すること(有権者団の拡大)に尽きるものではない。18歳、19歳の者が日常生活ないし現実政治との関わりの中で、思考を巡らし、主体的な活動を実践することを通じ、政治的潜在能力を覚醒させ、政治的自律を獲得することに、党派を超えた期待が寄せられているのである。
 
 18歳選挙権法は、公職選挙法を含む9本の法律の改正を施し、選挙権年齢を始めとする34の年齢事項(条項数は39)に関し、20歳以上から18歳以上へと引下げを行った。特に重要な点は、18歳、19歳の者も、選挙が公示又は告示された後、選挙運動を行うことができることとした点である。街頭演説、個人演説会場等における場合のほか、SNSを活用した投票の勧誘行為が可能となる。政党など特定の選挙運動主体に対し、組織的、集団的に関与することも排除されない。
 
 また、18歳選挙権法は、地方自治法の改正を施し、同法に基づく直接請求権(条例の制定・改廃、事務監査、地方議会の解散、地方議会議員・首長等の解職)も、18歳以上で行使可能とした。とりわけ条例制定直接請求は、時として住民投票という、有権者による直接の表決を可能とする制度と結び付きながら、公共施設の建設の是非等、地域に身近な政策案件に係る決定に関与する権利である。選挙人名簿に登録された18歳、19歳の者は、直接請求署名簿に署名することはもちろん、直接請求の代表者となって署名を収集すること、又はその受任者となること等、直接請求運動の主体となり得る。

 以上を踏まえ、18歳選挙権法の立法趣旨を再評価すべきである。
 
 政治活動の自由は、憲法21条1項を根拠に、すべての国民に対して保障されている。政治活動とは幅広い概念であり、国民投票運動、住民投票運動、選挙運動及び直接請求運動を当然、包含するものである。もっとも憲法理論上、未成年者であって、成熟した判断能力を持たないことを根拠とした人権制約(自己加害に対する制約)が許容されるところ、自己決定そのものを回復不可能なほど永続的に害する場合に該当しなければ、未成年者に対する人権制約は許されないことを改めて指摘しなければならない。論評は別稿に委ねるが、文部科学省通知「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」(平成27年10月29日付)に基づく運用が、とくに生徒会、クラブ活動等の授業以外の場面、放課後や休日等における生徒の政治活動を不当に制約することとならないよう、十分注意する必要がある。

(3) 今後の課題

 18歳、19歳の者による選挙運動が可能となったものの、選挙運動の自由は無制約ではなく、一定の行為には罰則による規制が及ぶ。選挙運動と区別される政治活動も同様である。この点、少年法適用対象年齢は現行規定のまま(20歳未満の者)であり、「選挙犯罪」に係る18歳選挙権法との適用関係は、暫定的に、特例扱いをする旨が定められている。

 18歳選挙権法附則5条1項は、18歳、19歳の者が犯した連座制適用事件(公職選挙法247条、251条の2〜251条の4)に関して、家庭裁判所は、その罪質が選挙の公正の確保に重大な支障を及ぼすと認める場合、検察官送致の決定をしなければならない旨規定する。「その罪質が選挙の公正の確保に重大な支障を及ぼす」場合とは、具体的事例に即して個別に判断、評価するしかないが、検察官送致の要件の絞り込みという立法者意思が反映するかどうか、今後の運用を注視する必要がある。

 さらに、18歳選挙権法の立法趣旨を発展的に捉えつつ、検討課題として次の2点を提案したい。
 
 第一は、選挙権年齢の要件、選挙人名簿の被登録資格に係る、学年基準の採用である。18歳選挙権に関する規定が適用されれば、選挙期日の翌日までに18歳の誕生日を迎えた者に対して選挙権が付与されるが、当該期日の翌々日以降に誕生日を迎える者には選挙権が与えられない。満年齢主義に則る限りでは当然の扱いであるが、高校3年生の中で選挙権を有する者と有しない者とを二分する不都合が生じる。したがって、学年を基準に投票機会を拡充し、高校3年生の在学年度(当該年の4月1日から翌年の3月31日まで)に執行される選挙に関し、選挙権を一律平等に付与する制度を導入すべきである。ただし、市区町村における選挙人名簿調製システムの改修等、技術上の対応が不可欠となる。
 
 第二は、被選挙権年齢の引下げである。被選挙権年齢は、公職選挙法10条1項各号の規定により、衆議院議員25歳、参議院議員30歳、都道府県議会議員25歳、都道府県知事30歳、市区町村議会議員及び市区町村長25歳と、高い年齢基準が採用されている。18歳選挙権の実現により、選挙権との年齢較差がさらに拡大するが、二院制採用国の下院の選挙制度について見れば、選挙権年齢と被選挙権年齢との5歳以上の較差を許容する例は、かなり少数である。各種選挙ごとに、被選挙権年齢のあり方に対する評価、思惑が様々に絡むが、議員立法による法改正を念頭に、与野党間の合意形成を早期に進めるべきである。もっとも、候補者本人に関し、民法上の制限行為能力者としての疑義が生じないよう、次に触れる成年年齢より低く設定することはできないと解する。

3 18歳成年の法律論

(1) 成年、成人及び大人の概念区分

 民法4条は、「20歳」を以て「成年」と規定する。成年に達した者が「成年者」であり、達しない者が「未成年者」である。

 国語的、社会的意味では、「成人」の方が、「成年者」を含む、広い概念である。しかし、一般の法律用語としては、「成人」ではなく、「成年(者)」及び「未成年者」が通用している。本稿執筆時点では、「成年被後見人」などの用例を含め、民法を含む248本の法律で採用されている。「成人」は、児童福祉法、少年法、国民の祝日に関する法律、社会教育法、知的障害者福祉法及び社会保障制度改革推進法の6本で採用されているにすぎない。「成人」の定義規定を置いているのは、少年法のみである。

 民法上、「成人」を用いる条文は一つもないが、メディアでは、「成年年齢」を「成人年齢」と言い換えるのが通例である。番組、紙面で、「成人年齢の引下げ」と言い換えたテーマでその是非を論じ始めるものの、やがて「大人と子どもを画する年齢の引下げ」という、より抽象化された論点に展開する。その結果、議論の位相幅が広がり過ぎ、法律論を離れ、収拾がつかなくなる。

 「大人」は、「成人」よりも広い概念である。単語として使い易いが、国民の祝日に関する法律でしか使用例がない、事実上の概念にすぎない。「子ども」も、事実上の概念である。「大人」と「子ども」の中間概念を想定するかどうかでも、議論は変わりうる。成年年齢を何歳と定めるべきかという、肝心の法的立論が、結果的に等閑になってしまう。

 法律論の入口で、3つの概念を区別しなければ、成年年齢引下げに関する社会的合意を促すことは困難となる。成年年齢その他の法定年齢の引下げの結果として、「成人」及び「大人」概念に対する社会意識は変わるものであるが、18歳年齢法制改革は、その逆方向の議論を促すものではない。

(2) 成年年齢の法的意義と選挙権年齢との相克

 成年とは、法的概念である。その意義は、次の2点である。

 第一に、個人が単独で契約を行うことが出来る年齢である。未成年者が契約を行う場合には、原則、親権者等の法定代理人の同意を得なければならない(民法5条1項)。未成年者が制限行為能力者と言われる所以である。法定代理人の同意を得ないで行った契約は、未成年者本人又はその法定代理人が、取り消すことが出来る(同法5条2項、120条1項)。成年年齢を18歳に引き下げた場合には、18歳、19歳の者が親の同意なく自由に売買等を行うことが出来るようになる一方、悪徳業者から不当高額な商品を購入した場合であっても、親権者がその売買契約を取り消すことが出来なくなるため、消費者被害が拡大するおそれが高くなる。

 第二に、個人が、親権者の親権に服さなくなる年齢である。親権の内容は、子の監護、教育、居所指定、懲戒、職業許可及び財産管理と多岐にわたる(同法820条〜824条)。成年年齢引下げは、親権を離れ、若年者の自立を促す効果がある一方、自立が元々困難な者にとっては、18歳を迎えた後、親権者の保護を受けられなくなるおそれが生じる。

 成年年齢は、これらの法的意義を有するところ、18歳選挙権に関する規定が適用となった後、選挙権年齢と成年年齢の不一致がもたらす不都合が、早晩、顕在化するおそれがある。例えば、18歳、19歳の者が、選挙運動のボランティアを申し込む際に、民法上の未成年者として評価されるままに「親の同意」を要求されることがありうる。申込者は、一面では選挙運動が可能な主体であるが、他面では行為能力が不完全な者であるとされ、法的評価の相克を抱え込むことになる。親の同意が得られず、ボランティアを断わられることは、一般的な法感覚に反するであろう。

(3) 成年年齢引下げの前提条件

 前記の不都合を回避するためにも、成年年齢引下げの立法措置を可及的早期に行うべきことは言うまでもない。もっとも、選挙権の行使と私法上の契約行為とは、要求される判断能力が同程度でも、意思決定に法的責任が伴うか否かという、重大な相違点があることに留意する必要がある。

 憲法15条4項は「選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。」と、選挙人の無答責を定める。政治的な思想・意見の形成は、思想の自由(憲法19条)の範囲で絶対的に保障され、個別の選挙運動は政治活動の自由として保障される。この場合、法的責任、義務は発生しない。しかし、民法が規律する私法分野では、個人の意思表示により、原則として法律行為が有効に成立し、契約上の責任が発生する。売買契約上の買主であれば当然、代金支払債務が発生する。判断が軽率であれば、先の例(悪徳業者からの不当高額な商品の購入)のようなことが当然、起こり得る。

 法的責任の発生に鑑み、成年年齢引下げの際には、政策上の配慮が不可欠となる。この点、法制審議会答申(平成21年10月28日)は「民法が定める成年年齢を18歳に引き下げるのが適当である」としながら、「現時点で引下げを行うと、消費者被害の拡大など様々な問題が生じるおそれがあるため、引下げの法整備を行うには、若年者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等の問題点に資する施策が実現されることが必要である」と結論付けている。後段の、若年者の自立促進策と消費者被害防止策の実現はともに、成年年齢引下げの前提条件と考えられている。条件成就の判断は、国会の責任である。成年年齢を18歳とする法律をいつ整備するか、周知期間をどの程度置くか、その期間における経過措置を定めるか否か等、18歳選挙権法の施行状況をも考慮しつつ、遅滞なく、責任ある決定を行うべきである。

(4) 成年年齢引下げに連動する法律

 国内法全体を俯瞰すると、多くの法律が、民法上の成年年齢に連動する年齢条項を有している。条文中、「成年(者)」ないし「未成年(者)」の用語を含むことで、成年年齢引下げに係る民法改正が施されれば、当該法律自体の改正を要せず、年齢が自動的に引き下がることになる。よく示される例であるが、競馬法28条は「未成年者は、勝馬投票券を購入し、又は譲り受けてはならない。」と規定するところ、「未成年者」は民法上の定義で完結するため、成年年齢の引下げと同時に、競馬法の改正を行う必要はない。

 政府の整理によれば、民法に連動する法律は155本に及ぶ(平成26年4月1日現在)。士業資格の欠格事由を規定するもの、訴訟法上の能力に関係するもの、競馬等のギャンブル行為に関係するものなどがある。さらに、18歳選挙権法附則8条及び9条が、成年概念と新たに連動させることとした、民生委員の被推薦資格(民生委員法6条1項)、人権擁護委員の候補者資格(人権擁護委員法6条3項)が対象となる。

4 少年法その他の法律の年齢条項の見直し

 以上、法律論及びその前提となる議論を踏まえ、選挙権年齢及び成年年齢の引下げの意義等について述べた。紙幅の関係で詳述できないが、政府の確定方針によると(本稿執筆時点)、少年法適用対象年齢の引下げと同時に、少年院法、更生保護法、売春防止法等、7本の法律改正を要する。

 さらに、成年年齢の引下げに関連して(連動ではない)、”當棉渊料に係る寡婦加算要件(恩給法等の一部を改正する法律(昭和51年6月3日法律第51号)附則14条1項1号)、帰化許可要件等(国籍法3条1項等)、2板躡枷十蠅性別の取扱いの変更の審判をする要件(性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項1号)、ね効期間を5年とする一般旅券の発給要件(旅券法5条2号)、チツ后Φヾ慊硬養成施設の講師の年齢要件(船舶職員及び小型船舶操縦者法17条の2)、水先人養成施設の講師の年齢要件(水先法15条1項2号イ)、Э童∩喙困凌拡重の請求に係る年齢要件(児童福祉法33条の7)、母子福祉資金貸付の対象者である児童の年齢要件(母子及び父子並びに寡婦福祉法6条3項、13条1項)が、見直しの対象となる。

 他方、未成年者飲酒禁止法、未成年者喫煙禁止法、道路交通法、児童虐待の防止等に関する法律、子ども・子育て支援法、国民年金法、教育職員免許法等の年齢条項は、見直しの対象外とする方針が確定している。スポーツ振興投票の実施等に関する法律については、なお検討中である。

 序説で述べた、170本程度に及ぶ対象法律の見直しは、いよいよ本格的な合意形成の段階に入る。しかし、形式的な法律論、立法論を振りかざすだけでは、18歳年齢法制改革は真の意味で完遂しない。知識中心ではない、実践的な市民教育が定着してこそ、改革は成功に導かれる。成人論の再定位を含め、市民教育が果たすべき役割は、量的に増大し、質的に深化している。市民本位の、学際的な議論の展開が望まれる。(了)

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