成人(成年)年齢を20歳を18歳と引き下げることに関し、法制審議会民法成年年齢部会が3月からスタートしました。内閣官房がまとめたところ、年齢条項を定める法令は、皇室典範を含め308に及びます。その多くは、成年・未成年を基準とする、いわば民法従属型の法令です(残りは、20歳、満20年など、年齢を直接定める独立規定型の法令があり、最高裁判事の国民審査、裁判員はこのうちの公選法に依っています)。

 部会は、自転車の前輪のような、いわば成人年齢法制改革の先導役です。法務省以外の省庁は、部会の(議論のとりまとめの)方向性を受けて、議論を始めることになります。2008年12月をめどに部会が意見集約し、その内容を受けて、2009年明けから全ての省庁で本格的な議論が始まります。そして早ければ、2009年秋の臨時国会に法案が提出されるというスケジュールです。

 第2回部会(4月15日)では、ICU・藤田英典教授(教育社会学)からのヒアリングが行われました。
 藤田教授は会合で、警鐘を鳴らしました。斉一主義・同調主義の議論は、思考停止で無責任だと。私も、年齢条項の見直しは個別・具体的に、という立場ですので、まったく同感です。藤田教授の示唆する「適切性」の下、きめ細やかな議論が求められます。

 民法従属型の法令が多く存在することは、立法技術の面で合理性がありますが(少なくとも暗黙のうちにそう考えられてきた)、近代以降の法制度の流れから考えてみた場合、公法上の年齢条項(成年/未成年)がなぜ、私法の一般ルールである民法に従うのか、従わせることができるのか、少しは議論する価値ありと考えます。民法4条自体も、なぜ年齢20歳としたのかが必ずしも明確でない、と言われています。

 国民投票法附則3条に込められた立法者意思を、部会は体現することができるのかどうか。
 今回、国民投票法と違って、国会審議のコンセンサス方式で法案が形作られるわけではありません。関連法令が多く、それは期待できません。しかし、自転車の前輪を自由勝手に任せておくのではなく、大枠のところで国会がちゃんとコントロールすべきです。

 当分の間、法学、社会学、教育学をまたがって、議論は続きます。法実証主義に従えば余計な話ですが、様々な角度から法制上の論点を改めて考えるとともに、ポストモダンを見通す機会になるでしょう。

 後期高齢者制度の導入から2年、日本は大パニックに陥っています。
 2年後、国民にとってサプライズとならないよう、メディアはきちんと報道していただきたいものです。。。