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タグ:国民投票法

 日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案概要

 2018年5月17日 自民・公明両党提案@衆議院憲法審査会幹事会
 2018年5月22日 自民党総務会了承


一 投票環境向上のための公職選挙法改正並びの改正

1 投票人名簿等の縦覧制度の廃止及び閲覧制度の創設(第29条の2、第29条の3関係)
 投票人名簿及び在外投票人名簿の内容確認手段について、個人情報保護の観点から、従来の縦覧制度を廃止し、閲覧できる場合を明確化、限定した新たな閲覧制度を創設すること。
・投票人名簿等の抄本の閲覧をできる事由を法律上明記すること。
・閲覧を拒むに足りる相当な理由があると認められるときは、閲覧を拒むことができるものとすること。
・不正閲覧対策に関する措置(罰則や過料を含む。)を法律上規定すること。

2 「在外選挙人名簿」の登録の移転の制度(出国時申請)の創設に伴う国民投票の「在外投票人名簿」への登録についての規定の整備(第35条関係)

 出国時に市町村の窓口で在外選挙人名簿への登録を申請できる制度(出国時申請)が新たに創設されたが、これを利用して、国民投票の投票日の50日前の登録基準日直前に出国した場合に、国民投票の在外投票人名簿に反映されない場合があり得るので、この「谷間」を埋めるための法整備を行うこと。

3 共通投票所制度の創設(第52条の2関係)

 投票の当日、市町村内のいずれの投票区に属する投票人も投票することができる共通投票所を設けることができる制度を創設すること。

4 期日前投票関係

 ヾ日前投票事由の追加(第60条第1項関係)
 期日前投票事由に「天災又は悪天候により投票所に到達することが困難であること」を追加すること。

◆ヾ日前投票所の投票時間の弾力的設定(第60条第6項関係)
 開始時刻(8:30)の2時間以内の繰上げ及び終了時刻(20:00)の2時間以内の繰下げを可能とすること。

5 洋上投票の対象の拡大(第61条第7項関係)

 外洋を航行中の船員について、ファクシミリ装置を用いて投票することができるようにする洋上投票制度について、(惶甲崟卅ヅの船員及び⊆遜を行うため航海する学生・生徒も対象とすること。

6 繰延投票の期日の告示の期限の見直し(第71条第1項関係)

 天災等で投票を行うことができないとき又は更に投票を行う必要があるときに行う繰延投票の期日の告示について、少なくとも5日前に行うこととされていたものを少なくとも2日前までに行えば足りることとすること。

7 投票所に入場可能な子どもの範囲の拡大(第72条第2項関係)

 投票所に入ることができる子供の範囲を、「幼児」から「児童、生徒その他の18歳未満の者」に拡大すること。

8 郵便等投票の対象の拡大(第61条第2項関係)
 郵便等投票の対象について要介護5の者から拡大すること。

二 施行期日等

1 施行期日(附則第1条関係)

 この法律は、公布の日から起算して3月を経過した日から施行すること。ただし、一の8(郵便等投票の対象の拡大)及び2(2)は公布の日から起算して1年を経過した日から施行すること。

2 適用区分(附則第2条関係)

(1)一の1から7までは、この法律の施行の日以後に登録基準日がある国民投票について適用し、この法律の施行の日前に登録基準日がある国民投票については、なお従前の例によること。

(2)一の8は、一の8の施行の日以後に登録基準日がある国民投票について適用し、一の8の施行の日前に登録基準日がある国民投票については、なお従前の例による。

3 その他
 その他所要の規定を整備すること。 

 『法学セミナー』2018年6月号(日本評論社)に、寄稿しました。

南部義典「国民投票法制からみた、9条改正論の「非現実性」」
〇はじめに
〇自民党内の合意形成に係る問題点
 1.条文案形式で提示した点
 2.対立意見を排して「方針」を打ち立てた点
〇国民投票法制からみた9条の2の問題点
 1.内容関連事項ごとの区分
 2.憲法附属法の概要の明確化
 3.国民投票不承認の場合の対応
〇国民投票法制が抱えている運用上、立法上の課題
 1.国民投票広報協議会が行う広報事務の検討
 2.協議会における少数会派の尊重等
 3.公務員の国民投票運動に関するガイドラインの作成
 4.18歳国民投票権の実現と少年法との関係整理
 5.投票環境の向上等に関する法整備
 6.国民投票運動費用規制の検討
 7.国民投票運動CM規制の再定位
 8.絶対得票率規定の採用
〇おわりに
 https://amzn.to/2wEVeSg
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国民投票法の成り立ち、その課題と展望
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/35088/report


【配付資料】
(表紙)国民投票法の成り立ち、その課題と展望
(資料1)憲法改正国民投票までの流れ
(資料2)国民投票法改正論の経緯
(資料3)国民投票法制が残す「8つの課題」
(資料4)「憲法改正国民投票、誰もが納得するルールは 「絶対得票率」が疑問を払拭」(2018.2.28 毎日新聞夕刊)

20180508_130748

表紙
 『広告が憲法を殺す日 ――国民投票とプロパガンダCM』
 本間龍・南部義典
 2018.4.22 初版第1刷
 本体720円+税
 集英社新書
 https://amzn.to/2GxmeUl

 マガジン9連載 南部さんの国民投票法講座
 第4回 「国民投票広報協議会の役割とは?」
 http://maga9.jp/180418-3/

表紙
 『広告が憲法を殺す日 ――国民投票とプロパガンダCM』
 本間龍・南部義典
 2018.4.22 初版第1刷
 本体720円+税
 集英社新書
 https://amzn.to/2GxmeUl

 2018.2.28 毎日新聞夕刊
 特集ワイド「憲法改正国民投票、誰もが納得するルールは 「絶対得票率」が疑問を払拭」

 私のコメントが掲載されました。
 http://mainichi.jp/articles/20180228/dde/012/010/002000c

 ”最低投票率” 論争に、ようやく終止符が打てます。20180228_151530

 2/24 南部さんに聞いてみよう! 「国民投票法」の いいトコ、ダメなトコ

 日時)2月24日(土)18:30〜20:30(開場18:15)
 会場)かながわ県民活動サポートセンター711ミーティングルーム(JR横浜駅徒歩5分)
 http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f5681/p16362.html
 主催)市民グループ みんなで決めよう「原発」国民投票
 参加費)500円

 申込み方法) 前日2月23日(金)までに、件名「トークライブ申込み」とし、「お名前」「連絡先(メールor電話番号)」「人数」を記載して、メールかFAXでお申込みをお願いします。
 fax 03-5539-4046  
 メール info@kokumintohyo.com
 http://kokumintohyo.com/archives/11597
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0001
 国民投票法が制定された2007年前後、いわゆる「最低投票率」を憲法改正の成立要件とすべきか、論争になったことがあります。忘れない程度に、この議論の問題点を指摘しておきます。

 有権者100名の国で、憲法改正国民投票が行われるとします。
 そして、投票総数の過半数の賛成があった場合、憲法改正が成立するものとします。

 国民投票の結果、賛成20票、反対19票、であったとします(以下のケースでも無効投票はないものと想定)。
 投票総数は39票、賛成票が過半数を占めるので(相対得票率は、20÷(20+19)×100=51.28...%)、憲法改正が成立します。早い話、賛成票が反対票より1票でも多ければ、成立します。

 ここで、100名の有権者のうち20名、つまり5分の1しか賛成の投票を行っていない中で、憲法改正が成立するのは不当ではないかとの疑義を挟む余地が生まれます。そこで、最低投票率を40%などと設定し、低い投票率の場合には、憲法改正を「不成立」とすべきという主張がなされるのです。

 しかし、賛成20票で憲法改正を成立させるべきではないという主張の背景にあるのは、賛成票の得票率(全有権者数を分母とする絶対得票率)の問題です。

 問題は「賛成票の得票率の低さ」なのであって、39%という投票率(賛成票の得票率と反対票の得票率の合計)は関係ありません。

 同じく投票率39%で賛成が過半数を占めるケースとして、「賛成20票、反対19票」から「賛成39票、反対0票」まで、様々考えられます。「賛成39票、反対0票」のケースでは、相対得票率100%、絶対得票率39%となっているわけですから、このとき、憲法改正を不成立にすべきというのは、ハードルを上げ過ぎであると言わざるを得ません。

 また、最低投票率要件を置くと、矛盾が生じます。

 仮に、最低投票率要件を40%とします。投票率がギリギリの39%であって、たとえ賛成の投票が過半数を占めていても、憲法改正は不成立となります。

 この点、投票率が41%の場合(最低投票率をクリアします)、賛成21票、反対20票というケースと、投票率39%(最低投票率をクリアしません)で賛成39票、反対0票というケースを比較してみます。前者における賛成の投票は相対得票率51.2%、絶対得票率21%、後者のそれは相対得票率100%、絶対得票率39%と、後者の方が明らかに優勢であるにもかかわらず、最低投票率を40%と定めるが故、憲法改正を「不成立」としてしまうのです。

 また、後者の例(賛成39票、反対0票)では、かろうじて憲法改正が「不成立」となりますが、賛成39票、反対1票だと、最低投票率要件をクリアし、憲法改正が成立してしまいます。反対1票の投票人は、「なぜ、投票所に足を運んだのか?」「国民投票なんか、行かなければよかったのに。」と、投票に行かなかった反対派から非難を浴びるような、皮肉な結果になってしまいます。かくして、最低投票率要件は、投票棄権(ボイコット)運動に、一定の意味を与えてしまいます。

 結論を言えば、低「得票率」の問題を、最低「投票率」要件の設定を以て克服することはできない、のです。

 あえて低得票率の問題を正面から解決しようとすれば、「過半数」という相対得票率要件しか定めていない憲法第96条第1項を改正し、絶対得票率要件を追加するといった方法が考えられるところです。例えば、「投票総数の過半数(相対得票率)及び有権者総数の100の40を超える数(絶対得票率)の賛成を必要とする。」と規定するのです。

 憲法第96条第1項が「相対得票率+絶対得票率」要件になれば、憲法改正の賛成派は、単に過半数を目指すだけでなく、有権者の4割超の投票を得ようとして勧誘運動が盛んになる一方、反対派は否決に追い込むべく、1票でも多く反対の投票を得ようとして勧誘運動が精力的に展開され、総体として投票率が上がるという効果が期待できます。

 憲法改正の成立要件をおおまかに整理すると、
 \簑估隻捨┻定の追加 > ∈把稘衂捨┻定の追加 > 8醜塰 柄蠡估隻捨┻定のみ) となります。

 ,蓮∩蠡估隻捨┻定+絶対得票率規定、
 △蓮∩蠡估隻捨┻定+最低投票率規定、
 は、相対得票率規定のみ、です。

 以上の論証は、憲法改正国民投票に限った話ではありません。ゆるキャラグランプリでも、B級グルメ大賞でも、およそ、大勢で多肢一択式の投票を行う場合に生じうる問題です。

 私が、最低投票率要件よりも成立要件が厳格な絶対得票率要件を持ち出すのは、何も、憲法改正を成立させたくない意図を持っているからではありません。

 むしろ、意地が悪いのは、絶対得票率ではなく、最低投票率という用語に拘る、無知な言説です。絶対得票率要件ではなく、最低投票率要件の方が妥当という「論理」は、数学的にはまったく成り立たないことを、有権者レベルで常識にする必要があります。

 かつては、低得票率下の憲法改正成立に対する疑念を解消する法制上の手段として、∈把稘衂捨┻定の追加が、唯一の解決であると、誤解されていました。繰り返しますが、本件は、簡単な数学(算数レベル)が理解できるかどうかの問題です。

 憲法改正をなるべく成立させないようにしようという邪な考えを捨てつつ、私は、\簑估隻捨┻定の追加、を支持します。∈把稘衂捨┻定の追加、を支持しません。

 あえて△鮖抻するというのであれば、その旨の論理的な説明が必要です(・・・私は、論理的な説明、反論を一度も聞いたことがありません)。

【憲法】
(憲法改正の発議、国民投票及び公布)
第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
2 (略)

【国民投票法】
第3章 国民投票の効果
第126条 国民投票において、憲法改正案に対する賛成の投票の数が第98条第2項に規定する投票総数の2分の1を超えた場合は、当該憲法改正について日本国憲法第96条第1項の国民の承認があったものとする。
2 (略)

 イミダスに寄稿しました(11月17日掲載)。

 それでも、改憲論議は進まない ――立ちはだかる5つの問題
 改憲勢力が国会の3分の2? このまま憲法改正国民投票に突き進むのか?

 https://imidas.jp/jijikaitai/c-40-106-17-11-g703 
(マガ9)#120 投票用紙


 私の講演会のお知らせです。ご関心のある方は、ぜひお越しください。

 ○テーマ 国民投票のルールと憲法改正論議のいま
 ○2017年12月9日(土) 13時30分−15時30分
 ○昭島市公民館 学習会議室(昭島市つつじが丘3-7-7、JR昭島駅[北口]より徒歩約8分)
 ○参加費500円(学生無料)
 ○(主催)昭島まち楽会

 問い合わせ、申込みは、こちらまで。
 https://www.facebook.com/events/1275960869217096/
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 国民投票法が制定された2007年前後、いわゆる「最低投票率」を憲法改正の成立要件とすべきか、論争になったことがあります。忘れない程度に、この議論の問題点を指摘しておきます。

 有権者100名の国で、憲法改正国民投票が行われるとします。
 そして、投票総数の過半数の賛成があった場合、憲法改正が成立するものとします。

 国民投票の結果、賛成20票、反対19票、であったとします(以下のケースでも無効投票はないものと想定)。
 投票総数は39票、賛成票が過半数を占めるので(相対得票率51.28...%)、憲法改正が成立します。

 ここで、100名の有権者のうち20名、つまり5分の1しか賛成の投票を行っていない中で、憲法改正が成立するのは不当ではないかとの疑義を挟む余地が生まれます。そこで、最低投票率を40%などと設定し、低い投票率の場合には、憲法改正を不成立とすべきという主張がなされるのです。

 しかし、賛成20票で憲法改正を成立させるべきではないという主張の背景にあるのは、得票率(全有権者数を母数とする絶対得票率)の問題です。

 問題は「得票率の低さ」なのであって、39%という投票率は関係ありません。同じく投票率39%で賛成が過半数を占めるケースとして、「賛成20票、反対19票」から「賛成39票、反対0票」まで、様々考えられます。「賛成39票、反対0票」のケースでは、相対得票率100%、絶対得票率39%となっているわけですから、このとき、憲法改正を不成立にすべきというのは、ハードルを上げ過ぎであると言わざるを得ません。

 また、最低投票率要件を置くと、矛盾が生じます。

 仮に、最低投票率要件を40%とします。投票率がギリギリの39%であって、たとえ賛成の投票が過半数を占めていても、憲法改正が不成立となります。

 この点、投票率が41%の場合(最低投票率をクリアします)、賛成21票、反対20票というケースと、投票率39%(最低投票率をクリアしません)で賛成39票、反対0票というケースを比較してみます。前者における賛成の投票は相対得票率51.2%、絶対得票率21%、後者のそれは相対得票率100%、絶対得票率39%と、後者の方が明らかに優勢であるにもかかわらず、最低投票率を40%と定めるが故、憲法改正を「不成立」としてしまうのです。

 結論を言えば、低「得票率」の問題を、最低「投票率」要件の設定を以て克服することはできない、のです。
 最低投票率要件を設定すると、投票棄権(ボイコット)運動を誘発するという批判は、二の次です。

 あえて低得票率の問題を正面から解決しようとすれば、「過半数」という相対得票率要件しか定めていない憲法第96条第1項を改正し、絶対得票率要件を追加するといった方法が考えられるところです。例えば、「投票総数の過半数(相対得票率)及び有権者総数の百分の四十を超える数(絶対得票率)の賛成を必要とする。」と規定するのです。

 憲法第96条第1項が「相対得票率+絶対得票率」要件になれば、憲法改正の賛成派は、単に過半数を目指すだけでなく、有権者の4割超の投票を得ようとして勧誘運動が盛んになる一方、反対派は否決に追い込むべく、一票でも多く反対の投票を得ようとして勧誘運動が精力的に展開され、総体として投票率が上がるという効果が期待できます。

 もっとも私は、近年、この「最低投票率」の問題を、あまり積極的に話題にしないようにしています。
 社会には、基本的な算数を苦手とする方が少なからずいることも確かで、終始、百分率の話を説く(説き伏せようとする)のは苦痛を与えかねないのです。

 得票率の問題を投票率の問題にすり替えてはいけません。
 単なる用語遣いの問題として、メディアがまず、その社会的理解を促すべく、記事(見出し)に工夫を施すべきと考えます。
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 本書125-127頁を参照。

憲法改正国民投票の執行費用が、一回あたり「850億円」であると、あたかも固定費のように論じられることがありますが、これは明らかな誤りです。

確かに、法案の起草段階で、制度化の準備のために要する費用も含め、一定の見積りの上、執行経費の概算を示したことはありますが(これが850億円という数値です)、これはあくまで立法当時の試算にすぎません。

第一に、「850億円」のうち、すでに執行済みの経費があります。

平成20年度から22年度にかけて、全国の市区町村では、憲法改正国民投票を行う際に必要となる「投票人名簿」を調製するシステムを構築するために、約60億円の予算(国費)が交付金の形で投じられました(投票人名簿システム構築交付金)。この事業は、すでに完了しています。

第二に、憲法改正案の広報に関する費用は、変動費が占める部分が大きいという点です。

国会が憲法改正を発議した日から投票日までの間、国会(国民投票広報協議会)は、憲法改正案に関する広報を、テレビ、ラジオ、新聞といった媒体を使って行うことになっています。

もっとも、これは前記の期間がどれだけの幅になるかによって、当然、広報放送や広報広告の回数も異なってきますし、複数の憲法改正案が発議されると、状況がかなり変わってきます。

国民投票の費用は、その都度、正確に見積もった上で、効果的に執行する必要があるのです。

日本国憲法の改正手続に関する法律(平成19年5月18日法律第51号)
(費用の国庫負担)
第136条 国民投票に関する次に掲げる費用その他の国民投票に関する一切の費用は、国庫の負担とする。
一 投票人名簿及び在外投票人名簿の調製に要する費用(投票人名簿及び在外投票人名簿を調製するために必要な情報システムの構築及び維持管理に要する費用を含む。)
二 投票所及び期日前投票所に要する費用
三 開票所に要する費用
四 国民投票分会及び国民投票会に要する費用
五 投票所等における憲法改正案等の掲示に要する費用
六 憲法改正案の広報に要する費用
七 国民投票公報の印刷及び配布に要する費用
八 国民投票の方法に関する周知に要する費用
九 第106条及び第107条の規定による放送及び新聞広告に要する費用
十 不在者投票に要する費用
十一 在外投票に要する費用

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 本書P42~44, 183,184の解説を参照。

 朝日新聞(31日、朝刊・社会面)
 国民投票CM「資金力の差で不公平に」法改正求める声 に、
 私のコメントが掲載されました。

 南部義典・元慶大大学院講師(国民投票法制)は、現行法では投票日前14日間も、賛否を呼びかける内容以外のCMは流せると指摘。「私は改憲に賛成」などと意見表明するだけなら規制対象にならないという。「本質と関係ないイメージ戦略や資金力が結果を左右する。公正な国民投票のためには『ゼロの平等』が必要」とCM全面禁止を主張する。

 憲法70年 点検・国民投票制/4止 CM・広告費、青天井 運動の自由、改憲派に有利?
 https://mainichi.jp/articles/20170506/ddm/002/010/033000c
20170504_D90_040(9010M)
 TRAIN SUITE 四季島(営業運転の一番列車)
 2017.5
 JR高崎線 本庄−岡部
 Nikon D90
 Ai AF Nikkor 28mm f2.8
 1/2500
 F4
 ISO250
 PLフィルター

 憲法70年:点検・国民投票制/2 最低投票率棚上げ 10年前、参院で付帯決議
 https://mainichi.jp/articles/20170503/ddm/002/010/053000c
20170430_D90_040(臨時快速おさんぽ川越号)
 臨時快速おさんぽ川越号(9224M)
 2017.4
 JR川越線 南古谷−指扇
 Nikon D90
 Ai AF Nikkor 28mm f2.8
 1/2500
 F3.5
 ISO320
 PLフィルター

国民投票法入門20161118

Amazonで、近著『[図解] 超早わかり 国民投票法入門』の予約受付が始まりました。
・著者   南部 義典
・発行所  C&R研究所
・定価   1,630円(+税)
・発売日  2017年1月25日予定
・ISBN   978-4-86354-212-9

https://www.amazon.co.jp/%E5%9B%B3%E8%A7%A3-%E8%B6%85%E6%97%A9%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8A-%E5%9B%BD%E6%B0%91%E6%8A%95%E7%A5%A8%E6%B3%95%E5%85%A5%E9%96%80-%E5%8D%97%E9%83%A8%E7%BE%A9%E5%85%B8/dp/4863542127/ref=la_B004LVEGTA_1_4?s=books&ie=UTF8&qid=1479550664&sr=1-4

 私のコメントが、各紙に掲載されました。

 ▼毎日新聞 
   「改憲へ安倍自民執念 日本会議が地ならし 南部義典・元慶応大講師(憲法)の話」
   http://mainichi.jp/articles/20161103/ddm/010/010/028000c
   「改憲へ安倍自民執念 日本会議が地ならし(その1)」
   http://mainichi.jp/articles/20161103/ddm/010/010/025000c
   「改憲へ安倍自民執念 日本会議が地ならし(その2止)」
   http://mainichi.jp/articles/20161103/ddm/010/010/018000c
 ▼共同通信
   「改憲手続き、最短で2年 初の国民投票、19年にも」
   (掲載紙)
   北海道新聞
   東奥日報
   下野新聞
   千葉日報
   山梨日日新聞
   神奈川新聞
   信濃毎日新聞
   北國新聞
   富山新聞
   福井新聞
   岐阜新聞
   山陰中央新報
   四国新聞
   愛媛新聞
   西日本新聞
   佐賀新聞
   長崎新聞
   宮崎日日新聞
   沖縄タイムス
   琉球新報 (以上20紙)

 民法の成年年齢の引下げの施行方法に関する意見募集

 案の公示日 2016/9/1
 意見・情報受付締切日 2016/9/30
 http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080150&Mode=0

 いよいよ、パブコメが始まりました。

 内閣は、平成29年の常会に、成年年齢等の引下げを内容とする、民法等の一部を改正する法律案を提出する方針を固めています。

 この議論そのものは、国民投票法の制定過程から生まれたものであり、すでに10年余が経過しています。肝心要の国民投票権年齢がすったもんだしたため、成年年齢等の引下げの法整備は、当初の想定から遅れてしまいました。

 しかし、ここにきてようやく、”18歳”を基準に年齢法制の”全体”が整序されつつあります。次のハードルは、少年法適用対象年齢の引下げです。なお、相当の期間を要するかもしれません。

 今後、法的意味の「成年」と、社会的意味の「成人」とのかい離を埋める取り組みが求められます。

 (マガジン9)立憲政治の道しるべ 2016.7.13
 第99回「“3分の2”超でも、憲法改正がすんなり進まないと考える理由」
 http://www.magazine9.jp/article/rikken/29279/
 http://blogos.com/article/183305/

20160705_D7100_019
 

 『通販生活』2016夏号に、寄稿させていただきました。
 ”国民投票法「テレビCM」の大問題” というテーマです(73-75頁)。

 投票期日の14日前から、国民投票運動のための広告放送を禁じる、法105条の問題点を指摘しています。投票勧誘に限らず、単なる意見広告の放送も含めて、全期間、全面禁止にすべきことを提案しています。

 2016年5月15日発行。定価180円。
 http://www.cataloghouse.co.jp/

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(文部科学省ウェブサイト)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1366767.htm

(学校の構内における生徒の政治的活動)
Q1.学校の構内における生徒の活動について、選挙運動を含め規制できる法的根拠は何ですか。
Q2.通知では、放課後や休日等における、学校の構内における生徒の政治的活動等については、学校教育上の支障が生じないよう制限又は禁止することが必要とされていますが、どのような場合に学校教育上の支障が生じることが想定されますか。
Q3.前述のような教育上の支障を生じさせないようにするため、校則や懲戒の在り方に関する留意点としてどのようなことがありますか。
Q4.生徒から、デモ参加の打合せのために放課後、休日に空き教室を使用したい旨申入れがあった場合、使用を許可することは適切でしょうか。
Q5.「選挙運動、政治的活動、投票運動は構内では禁止する」と学校が校則等で定め生徒を指導することはできますか。
(学校の構外における生徒の政治的活動)
Q6.学校の構外で行われる生徒の政治的活動等について制限又は禁止することが必要とされる「違法なもの、暴力的なもの、違法若しくは暴力的な政治的活動等になるおそれが高いものと認められる場合」とは、どのような場合が想定されますか。
Q7.放課後、休日等に学校の構外で行われる生徒の政治的活動等について、適切な指導を行うことが求められる「生徒が政治的活動等に熱中する余り、学業や生活などに支障があると認められる場合、又は生徒間における政治的対立が生じるなどして学校教育の円滑な実施に支障があると認められる場合」とは、どのような場合が想定されますか。
Q8.SNS等による生徒のコミュニケーションや学校外の生徒の活動について、学校はどこまで実態把握を求められますか。
Q9.放課後、休日等に学校の構外で行われる政治的活動等について、届出制とすることはできますか。
Q10.放課後、休日等に生徒が校門を出たところで政治的活動等を行うことについて、どのように考えればよいですか。
(インターネットを利用した生徒の政治的活動)
Q11.インターネットを利用した選挙運動は、どのような場合に公職選挙法違反となりますか。
Q12.公職選挙法上、SNSを利用した選挙運動(リツイート・シェア等)は可だが、電子メールを利用しての選挙運動は不可であることについて、どのように説明すればいいですか。
Q13.インターネットを利用した生徒の政治的活動等のうち、許される行為と許されない行為はどのようなものがありますか。
(違反行為が行われていた場合について)
Q14.公職選挙法に違反する行為をした場合、どのような刑事罰が科されるのですか。
Q15.生徒が公職選挙法等に違反していると考えられる場合、学校はどのように対応すればよいでしょうか。低額や退学といった懲戒処分の対象としてもよいでしょうか。
(その他)
Q16.生徒の政治的活動等に対する指導等において、公立と私立で違いはありますか。それはどのような法的根拠によるものですか。
Q17.通知上、住民投票における投票運動と憲法改正国民投票運動の扱いが異なる理由を教えてください。
Q18.投票日当日に学校行事がある場合等に、投票を理由とした公欠を認めることは考えられますか。
Q19.選挙期間中に海外に留学している生徒への対応についてどのように考えればよいでしょうか。
Q20.公立と私立の教員の政治的行為に関する法的制限の違いについて、具体的に教えてください。

1 序説 ―18歳年齢法制改革の現在位置―

 衆参両院で全会一致を以て可決、成立した「公職選挙法等の一部を改正する法律」(平成27年6月19日法律第43号。以下「18歳選挙権法」と記す。)は、平成28年6月19日に施行される。途中、衆議院の解散が無ければ、次回(第24回)参議院議員通常選挙の公示日以後にその期日を公示又は告示される選挙、地方自治特別法等の住民投票より、18歳選挙権に関する規定が適用される。

 同じ参政権に属する、憲法改正国民投票の投票権年齢は、平成26年6月の国民投票法改正により、平成30年6月20日まで満20歳以上とされ、翌21日、満18歳以上に引き下げられる。即ち、改正後の規定のままでは、前述の公示日から平成30年6月20日までの間、国民投票権年齢と選挙権年齢に、2歳の較差が生ずることになる。両年齢に較差が生じないよう、18歳選挙権に合わせて、18歳国民投票権を前倒しして実現することとする与野党合意(平成26年4月)が存在するが、当立法措置が見通せない状況が続いている。参政権年齢の引下げに係る改革は、後述の被選挙権年齢の件を含め、若干の課題を残している。

 他方、18歳選挙権法附則11条は、成年年齢(民法4条)及び少年法適用対象年齢(少年法2条1項)の18歳への引下げ、その他の法律の年齢条項の見直しに係る国の立法責任を、改めて規定した。この規定は例外的に、同法の公布日(平成27年6月19日)からすでに施行されている。平成19年5月の国民投票法制定が端緒となった18歳年齢法制改革は、比喩的に言えば、従前の比較的平坦な道程から、「峠に向かう上り坂」に差し掛かったと言えよう。

 成年年齢、少年法適用対象年齢の引下げの立法措置が完了すれば、制度論としては峠を越えるが、現下の政治状況に鑑みれば、なお予断を許さない。18歳年齢法制改革の対象として、今後、国会及び政府において検討が進められ、改正される法律は、民法、少年法を含めて170本程度に及ぶと見込まれるが(本稿執筆時点)、依然として立法措置の道筋が立たないばかりか、改革の全体像及び立法工程が国民に対して明確に示されていない。とりわけ、成年年齢、少年法適用対象年齢の引下げに対しては、国会及び政府内部でいまだに消極的な意見が燻っている状況にある。検討動向を引き続き注視しつつ、国民的議論をさらに喚起していかなければならない。

2 18歳選挙権の法律論

(1) 立法政策に拠る選挙権年齢

 憲法は、選挙権者の資格に関し、「公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。」(15条3項)、「両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。」(44条本文)と規定する。憲法は、選挙権年齢に関する直接の規定を置かず、法律に委ねている。
 
 それでは、法律を以て、選挙権年齢を何歳以上と規定すべきか。憲法15条3項は「成年者」という概念を用いている。また、民法(明治29年4月27日法律第89号)4条は、「年齢20歳をもって、成年とする。」と規定している。そこで、選挙権が得られる成年者の意義と、民法上の成年者との関係をどのように解するかが、議論の出発点となる。

 まず、両者を同じ意義と解する立場は、選挙権年齢と成年年齢は一致することが基本と考えるが、憲法15条3項は、民法上の成年者に対して選挙権が保障されることを定めたにすぎないとも解釈出来ることから、選挙権者の範囲を拡大し、成年年齢よりも選挙権年齢を低く定めることも許容される。また、両者を異なる意義と解する立場は、選挙に係る成年概念を民法とは別に定め、選挙権年齢と成年年齢が相異することを想定しつつも、政策判断として両年齢が一致する可能性まで排除しているわけではない。

 したがって、成年者(憲法15条3項)の意義に関し、いずれの立場を採っても、選挙権年齢と成年年齢の一致、不一致双方の結論を導き得る。結局のところ、立法政策上、両年齢は一致すべきか否かという、妥当性判断に帰着する。今回、18歳選挙権法の制定により、成年年齢に先行して選挙権年齢が引き下げられたが、附則11条が、選挙権年齢の後追いで成年年齢引下げの立法措置を講ずることを規定しているのは、両年齢は一致すべきであるという、立法者の政策判断の表明に他ならない。これは公職選挙法(昭和25年4月15日法律第100号)の制定過程において、選挙人として要求される判断能力と、私法上の取引場面で要求される判断能力は一致すべきであるとする政府解釈が確立し、選挙権年齢が成年年齢に合わせて「満20年以上の者」(公職選挙法9条1項)と規定された沿革に従うものである。

(2) 18歳、19歳の者に対する、立法者の期待

 18歳選挙権法の制定により、我が国の選挙権年齢はようやく“世界標準”に到達した。全国で240万人とも言われる18歳、19歳の者が、有権者としての資格を得る。選挙の期日、投票所に足を運び、受け取った投票用紙に自書し、投票箱に「一票」を投じることが可能になる。社会全体に蔓延る、固定化された選挙観を転換する契機にもなり、確かにその意義は大きい。

 しかし、一般的には、制服の高校3年生が投票する姿が、過度に象徴的に受け止められ、18歳選挙権法のより本質的な意義が伝わっていないきらいがある。立法者の意図は、18歳、19歳の者に対して新たに選挙権を付与すること(有権者団の拡大)に尽きるものではない。18歳、19歳の者が日常生活ないし現実政治との関わりの中で、思考を巡らし、主体的な活動を実践することを通じ、政治的潜在能力を覚醒させ、政治的自律を獲得することに、党派を超えた期待が寄せられているのである。
 
 18歳選挙権法は、公職選挙法を含む9本の法律の改正を施し、選挙権年齢を始めとする34の年齢事項(条項数は39)に関し、20歳以上から18歳以上へと引下げを行った。特に重要な点は、18歳、19歳の者も、選挙が公示又は告示された後、選挙運動を行うことができることとした点である。街頭演説、個人演説会場等における場合のほか、SNSを活用した投票の勧誘行為が可能となる。政党など特定の選挙運動主体に対し、組織的、集団的に関与することも排除されない。
 
 また、18歳選挙権法は、地方自治法の改正を施し、同法に基づく直接請求権(条例の制定・改廃、事務監査、地方議会の解散、地方議会議員・首長等の解職)も、18歳以上で行使可能とした。とりわけ条例制定直接請求は、時として住民投票という、有権者による直接の表決を可能とする制度と結び付きながら、公共施設の建設の是非等、地域に身近な政策案件に係る決定に関与する権利である。選挙人名簿に登録された18歳、19歳の者は、直接請求署名簿に署名することはもちろん、直接請求の代表者となって署名を収集すること、又はその受任者となること等、直接請求運動の主体となり得る。

 以上を踏まえ、18歳選挙権法の立法趣旨を再評価すべきである。
 
 政治活動の自由は、憲法21条1項を根拠に、すべての国民に対して保障されている。政治活動とは幅広い概念であり、国民投票運動、住民投票運動、選挙運動及び直接請求運動を当然、包含するものである。もっとも憲法理論上、未成年者であって、成熟した判断能力を持たないことを根拠とした人権制約(自己加害に対する制約)が許容されるところ、自己決定そのものを回復不可能なほど永続的に害する場合に該当しなければ、未成年者に対する人権制約は許されないことを改めて指摘しなければならない。論評は別稿に委ねるが、文部科学省通知「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」(平成27年10月29日付)に基づく運用が、とくに生徒会、クラブ活動等の授業以外の場面、放課後や休日等における生徒の政治活動を不当に制約することとならないよう、十分注意する必要がある。

(3) 今後の課題

 18歳、19歳の者による選挙運動が可能となったものの、選挙運動の自由は無制約ではなく、一定の行為には罰則による規制が及ぶ。選挙運動と区別される政治活動も同様である。この点、少年法適用対象年齢は現行規定のまま(20歳未満の者)であり、「選挙犯罪」に係る18歳選挙権法との適用関係は、暫定的に、特例扱いをする旨が定められている。

 18歳選挙権法附則5条1項は、18歳、19歳の者が犯した連座制適用事件(公職選挙法247条、251条の2〜251条の4)に関して、家庭裁判所は、その罪質が選挙の公正の確保に重大な支障を及ぼすと認める場合、検察官送致の決定をしなければならない旨規定する。「その罪質が選挙の公正の確保に重大な支障を及ぼす」場合とは、具体的事例に即して個別に判断、評価するしかないが、検察官送致の要件の絞り込みという立法者意思が反映するかどうか、今後の運用を注視する必要がある。

 さらに、18歳選挙権法の立法趣旨を発展的に捉えつつ、検討課題として次の2点を提案したい。
 
 第一は、選挙権年齢の要件、選挙人名簿の被登録資格に係る、学年基準の採用である。18歳選挙権に関する規定が適用されれば、選挙期日の翌日までに18歳の誕生日を迎えた者に対して選挙権が付与されるが、当該期日の翌々日以降に誕生日を迎える者には選挙権が与えられない。満年齢主義に則る限りでは当然の扱いであるが、高校3年生の中で選挙権を有する者と有しない者とを二分する不都合が生じる。したがって、学年を基準に投票機会を拡充し、高校3年生の在学年度(当該年の4月1日から翌年の3月31日まで)に執行される選挙に関し、選挙権を一律平等に付与する制度を導入すべきである。ただし、市区町村における選挙人名簿調製システムの改修等、技術上の対応が不可欠となる。
 
 第二は、被選挙権年齢の引下げである。被選挙権年齢は、公職選挙法10条1項各号の規定により、衆議院議員25歳、参議院議員30歳、都道府県議会議員25歳、都道府県知事30歳、市区町村議会議員及び市区町村長25歳と、高い年齢基準が採用されている。18歳選挙権の実現により、選挙権との年齢較差がさらに拡大するが、二院制採用国の下院の選挙制度について見れば、選挙権年齢と被選挙権年齢との5歳以上の較差を許容する例は、かなり少数である。各種選挙ごとに、被選挙権年齢のあり方に対する評価、思惑が様々に絡むが、議員立法による法改正を念頭に、与野党間の合意形成を早期に進めるべきである。もっとも、候補者本人に関し、民法上の制限行為能力者としての疑義が生じないよう、次に触れる成年年齢より低く設定することはできないと解する。

3 18歳成年の法律論

(1) 成年、成人及び大人の概念区分

 民法4条は、「20歳」を以て「成年」と規定する。成年に達した者が「成年者」であり、達しない者が「未成年者」である。

 国語的、社会的意味では、「成人」の方が、「成年者」を含む、広い概念である。しかし、一般の法律用語としては、「成人」ではなく、「成年(者)」及び「未成年者」が通用している。本稿執筆時点では、「成年被後見人」などの用例を含め、民法を含む248本の法律で採用されている。「成人」は、児童福祉法、少年法、国民の祝日に関する法律、社会教育法、知的障害者福祉法及び社会保障制度改革推進法の6本で採用されているにすぎない。「成人」の定義規定を置いているのは、少年法のみである。

 民法上、「成人」を用いる条文は一つもないが、メディアでは、「成年年齢」を「成人年齢」と言い換えるのが通例である。番組、紙面で、「成人年齢の引下げ」と言い換えたテーマでその是非を論じ始めるものの、やがて「大人と子どもを画する年齢の引下げ」という、より抽象化された論点に展開する。その結果、議論の位相幅が広がり過ぎ、法律論を離れ、収拾がつかなくなる。

 「大人」は、「成人」よりも広い概念である。単語として使い易いが、国民の祝日に関する法律でしか使用例がない、事実上の概念にすぎない。「子ども」も、事実上の概念である。「大人」と「子ども」の中間概念を想定するかどうかでも、議論は変わりうる。成年年齢を何歳と定めるべきかという、肝心の法的立論が、結果的に等閑になってしまう。

 法律論の入口で、3つの概念を区別しなければ、成年年齢引下げに関する社会的合意を促すことは困難となる。成年年齢その他の法定年齢の引下げの結果として、「成人」及び「大人」概念に対する社会意識は変わるものであるが、18歳年齢法制改革は、その逆方向の議論を促すものではない。

(2) 成年年齢の法的意義と選挙権年齢との相克

 成年とは、法的概念である。その意義は、次の2点である。

 第一に、個人が単独で契約を行うことが出来る年齢である。未成年者が契約を行う場合には、原則、親権者等の法定代理人の同意を得なければならない(民法5条1項)。未成年者が制限行為能力者と言われる所以である。法定代理人の同意を得ないで行った契約は、未成年者本人又はその法定代理人が、取り消すことが出来る(同法5条2項、120条1項)。成年年齢を18歳に引き下げた場合には、18歳、19歳の者が親の同意なく自由に売買等を行うことが出来るようになる一方、悪徳業者から不当高額な商品を購入した場合であっても、親権者がその売買契約を取り消すことが出来なくなるため、消費者被害が拡大するおそれが高くなる。

 第二に、個人が、親権者の親権に服さなくなる年齢である。親権の内容は、子の監護、教育、居所指定、懲戒、職業許可及び財産管理と多岐にわたる(同法820条〜824条)。成年年齢引下げは、親権を離れ、若年者の自立を促す効果がある一方、自立が元々困難な者にとっては、18歳を迎えた後、親権者の保護を受けられなくなるおそれが生じる。

 成年年齢は、これらの法的意義を有するところ、18歳選挙権に関する規定が適用となった後、選挙権年齢と成年年齢の不一致がもたらす不都合が、早晩、顕在化するおそれがある。例えば、18歳、19歳の者が、選挙運動のボランティアを申し込む際に、民法上の未成年者として評価されるままに「親の同意」を要求されることがありうる。申込者は、一面では選挙運動が可能な主体であるが、他面では行為能力が不完全な者であるとされ、法的評価の相克を抱え込むことになる。親の同意が得られず、ボランティアを断わられることは、一般的な法感覚に反するであろう。

(3) 成年年齢引下げの前提条件

 前記の不都合を回避するためにも、成年年齢引下げの立法措置を可及的早期に行うべきことは言うまでもない。もっとも、選挙権の行使と私法上の契約行為とは、要求される判断能力が同程度でも、意思決定に法的責任が伴うか否かという、重大な相違点があることに留意する必要がある。

 憲法15条4項は「選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。」と、選挙人の無答責を定める。政治的な思想・意見の形成は、思想の自由(憲法19条)の範囲で絶対的に保障され、個別の選挙運動は政治活動の自由として保障される。この場合、法的責任、義務は発生しない。しかし、民法が規律する私法分野では、個人の意思表示により、原則として法律行為が有効に成立し、契約上の責任が発生する。売買契約上の買主であれば当然、代金支払債務が発生する。判断が軽率であれば、先の例(悪徳業者からの不当高額な商品の購入)のようなことが当然、起こり得る。

 法的責任の発生に鑑み、成年年齢引下げの際には、政策上の配慮が不可欠となる。この点、法制審議会答申(平成21年10月28日)は「民法が定める成年年齢を18歳に引き下げるのが適当である」としながら、「現時点で引下げを行うと、消費者被害の拡大など様々な問題が生じるおそれがあるため、引下げの法整備を行うには、若年者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等の問題点に資する施策が実現されることが必要である」と結論付けている。後段の、若年者の自立促進策と消費者被害防止策の実現はともに、成年年齢引下げの前提条件と考えられている。条件成就の判断は、国会の責任である。成年年齢を18歳とする法律をいつ整備するか、周知期間をどの程度置くか、その期間における経過措置を定めるか否か等、18歳選挙権法の施行状況をも考慮しつつ、遅滞なく、責任ある決定を行うべきである。

(4) 成年年齢引下げに連動する法律

 国内法全体を俯瞰すると、多くの法律が、民法上の成年年齢に連動する年齢条項を有している。条文中、「成年(者)」ないし「未成年(者)」の用語を含むことで、成年年齢引下げに係る民法改正が施されれば、当該法律自体の改正を要せず、年齢が自動的に引き下がることになる。よく示される例であるが、競馬法28条は「未成年者は、勝馬投票券を購入し、又は譲り受けてはならない。」と規定するところ、「未成年者」は民法上の定義で完結するため、成年年齢の引下げと同時に、競馬法の改正を行う必要はない。

 政府の整理によれば、民法に連動する法律は155本に及ぶ(平成26年4月1日現在)。士業資格の欠格事由を規定するもの、訴訟法上の能力に関係するもの、競馬等のギャンブル行為に関係するものなどがある。さらに、18歳選挙権法附則8条及び9条が、成年概念と新たに連動させることとした、民生委員の被推薦資格(民生委員法6条1項)、人権擁護委員の候補者資格(人権擁護委員法6条3項)が対象となる。

4 少年法その他の法律の年齢条項の見直し

 以上、法律論及びその前提となる議論を踏まえ、選挙権年齢及び成年年齢の引下げの意義等について述べた。紙幅の関係で詳述できないが、政府の確定方針によると(本稿執筆時点)、少年法適用対象年齢の引下げと同時に、少年院法、更生保護法、売春防止法等、7本の法律改正を要する。

 さらに、成年年齢の引下げに関連して(連動ではない)、”當棉渊料に係る寡婦加算要件(恩給法等の一部を改正する法律(昭和51年6月3日法律第51号)附則14条1項1号)、帰化許可要件等(国籍法3条1項等)、2板躡枷十蠅性別の取扱いの変更の審判をする要件(性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項1号)、ね効期間を5年とする一般旅券の発給要件(旅券法5条2号)、チツ后Φヾ慊硬養成施設の講師の年齢要件(船舶職員及び小型船舶操縦者法17条の2)、水先人養成施設の講師の年齢要件(水先法15条1項2号イ)、Э童∩喙困凌拡重の請求に係る年齢要件(児童福祉法33条の7)、母子福祉資金貸付の対象者である児童の年齢要件(母子及び父子並びに寡婦福祉法6条3項、13条1項)が、見直しの対象となる。

 他方、未成年者飲酒禁止法、未成年者喫煙禁止法、道路交通法、児童虐待の防止等に関する法律、子ども・子育て支援法、国民年金法、教育職員免許法等の年齢条項は、見直しの対象外とする方針が確定している。スポーツ振興投票の実施等に関する法律については、なお検討中である。

 序説で述べた、170本程度に及ぶ対象法律の見直しは、いよいよ本格的な合意形成の段階に入る。しかし、形式的な法律論、立法論を振りかざすだけでは、18歳年齢法制改革は真の意味で完遂しない。知識中心ではない、実践的な市民教育が定着してこそ、改革は成功に導かれる。成人論の再定位を含め、市民教育が果たすべき役割は、量的に増大し、質的に深化している。市民本位の、学際的な議論の展開が望まれる。(了)

 平成27年9月10日
 自由民主党政務調査会
 成年年齢に関する特命委員会
 
 国民投票の投票権を有する者の年齢及び選挙権を有する者の年齢が満18歳以上とされたことを踏まえ、新たに大人となる年齢層を含めた我が国の国家像等を勘案しつつ、民法、少年法その他の法律の規定における成年年齢の在り方について、下記のとおり提言する。

 記

1.民法(民法の成年概念を用いる法律を含む。)について

 民法の成年年齢については、できる限り速やかに20歳から18歳に引き下げる法制上の措置を講じる。
 ただし、法制審議会の答申(平成21年)にあるとおり、「若年者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策が実現される」ことが必要であるから、現状の消費者教育等の施策を引き続き実施するとともに、国民への周知が徹底されるよう、その施行時期については、必要十分な周知期間が設けられるよう配慮する。

2.満20歳以上(未満)を要件とする法律についての基本的な考え方

 国民投票の投票年齢及び公職選挙法の選挙年齢が一致して18歳以上の国民に参政権としての投票権(選挙権)を付与したことと併せて民法の成年年齢が18歳となることを前提とした場合、我が国においては18歳をもって「大人」として扱うこととなり、大人と子供の範囲を画する年齢は、それまで20歳であったものが18歳となる。
 このことは、18歳以上の国民が、現在及び将来の国つくりの担い手であることを意味し、大人としてその責任を分担し、大人としての権利、自由も付与されることとなる。社会的にも国民意識においても「大人」は18歳からと移り変わる。
 法は、社会規範として、分かりやすく社会活動の指針となることが求められることから、大人と子供の分水嶺を示す各種法令には国法上の統一性が必要である。併せて、我が国の将来を支えるのは18歳からの若者であり、将来の我が国を活力あるものとし、その決意を力強く示すためにも、満20歳以上(未満)を要件とする法律においては、その年齢要件を原則として18歳以上(未満)とすべきである。

3.満20歳以上(未満)を要件とする法律について

(1) 少年法について

 民法を始めとする各種法律において、我が国における「大人」と「子供」の範囲を画する基準となる年齢が満18歳に引き上げられることを踏まえ、国法上の統一性や分かりやすさといった観点から、少年法の適用対象年齢についても、満18歳未満に引き下げるのが適当であると考える。
 他方で、罪を犯した者の社会復帰や再犯防止といった刑事政策的観点からは、満18歳以上満20歳未満の者に対する少年法の保護処分の果たしている機能にはなお大きなものがあることから、この年齢層を含む若年者のうち要保護性が認められる者に対しては保護処分に相当する措置の適用ができるような制度の在り方を検討すべきであると考える。
 そこで、法務省においては、これら本委員会の考えを真摯に受け止め、若年者(その範囲を含む。)に関する刑事政策の在り方について全般的に見直すことも視野に入れて、刑事政策上必要な措置を講ずるための法制的検討を行うこと。

(2) 諸法令について

 (3)又は以下に掲げる法律(条項)を除き、満20歳以上(未満)とされている要件は、満18歳以上(未満)に引き下げる。
 〕椰討砲覆譴詛齢
 ⇔捗討僚蟷、銃を使用する狩猟免許
 K塾話聴による加入強要の禁止対象年齢
 す駝映金の支払義務
 チデ職員及び小型船舶操縦者法(船長及び機関長の年齢)
 児童福祉法に定める児童自立生活援助事業における対象年齢
 特別児童扶養手当等の支給に関する法律の対象年齢
 道路交通法上の中型免許及び大型免許等
 なお、公職選挙法等の一部を改正する法律において、「当分の間」の措置として20歳以上を維持することとされた検察審査員、裁判員、民生委員及び人権擁護委員となる資格年齢については、少年法の適用対象年齢又は民法の成年年齢を踏まえたものとすること。

(3) 税制関連について

 以下に掲げる法律(条項)は、民法上の「成年」を引用したり、民法上の成年年齢を前提とした制度であるが、税制に関する事項であるため、我が党の税制調査会における検討に委ねる必要がある。
 々饑把Ъ法及び国税犯則取締法の捜索立会人
 関税法の臨検の立会人
 税理士法の税理士の欠格事由
 ぜ鮴破,亮鬚寮渋ぬ筏等の付与条件
 チ蠡垣破,20歳未満の者に係る控除制度等
 α点覇段盟蔀嵋,猟招和座阿ら住宅所得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税年齢
 東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の被災者が住宅所得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税年齢
 ┐修梁樟農関連事項

4.社会的に関心の高い事項について

 20歳未満の者の飲酒、喫煙を禁止している未成年者飲酒禁止法及び未成年者喫煙禁止法について、成年年齢の引き下げに伴い禁止年齢を18歳未満とするか否かについては、賛否にわたり様々な意見が認められた。
 生物学的な発達に応じた医学的影響を勘案し、健康被害を防止する必要があること、非行防止の観点からは飲酒、喫煙が非行の引き金となる側面があること等の理由から、成年年齢が引き下げられても現行の禁止年齢を維持するべきとの意見があった。
 他方、現行法においても飲酒、喫煙は未成年者に制約を課し、大人は自制する判断力ある者として自らの責任において摂取等が法律上許容されていること、現在でも一定の免許取得等が法令上許容されていても校則で制限する等の生徒指導による対応を前提として、成年年齢の引き下げに応じて禁止年齢を18歳未満に引き下げるべきとの意見があった。
 本委員会としては、これら意見や諸外国の状況を踏まえ、飲酒、喫煙に関する禁止年齢を18歳未満に引き下げるべきかどうか、引き続き社会的なコンセンサスが得られるよう国民にも広く意見を聞きつつ、医学的見地や社会的影響について慎重な検討を加え、実施時期も含め民法改正時までに結論を得るものとする。併せて、公営競技が禁止される年齢についても同様とする。
 被選挙権を有する者の年齢については、引き続き検討を行うものとする。

5.周知期間等の必要性について

 本委員会における検討に基づき、必要な法制上の措置を講じることとなるが、民法(民法の成年概念を用いる法律を含む。)については、社会的影響の大きさや、教育面の対応、施行までの準備作業に要する期間などを踏まえ、少なくとも3年程度の周知期間とともに、必要な経過措置を設ける。
 また、その他の法律についても、民法に準じた周知期間及び経過措置を設ける。

 以 上
20151025_DSC_0049_033(臨時寝台特急カシオペア|EF510-513)

 平成27年9月10日
 自由民主党政務調査会
 成年年齢に関する特命委員会

 

 国民投票の投票権を有する者の年齢及び選挙権を有する者の年齢が満18歳以上とされたことを踏まえ、新たに大人となる年齢層を含めた我が国の国家像等を勘案しつつ、民法、少年法その他の法律の規定における成年年齢の在り方について、下記のとおり提言する。

 記

1.民法(民法の成年概念を用いる法律を含む。)について

 民法の成年年齢については、できる限り速やかに20歳から18歳に引き下げる法制上の措置を講じる。
 ただし、法制審議会の答申(平成21年)にあるとおり、「若年者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策が実現される」ことが必要であるから、現状の消費者教育等の施策を引き続き実施するとともに、国民への周知が徹底されるよう、その施行時期については、必要十分な周知期間が設けられるよう配慮する。

2.満20歳以上(未満)を要件とする法律についての基本的な考え方

 国民投票の投票年齢及び公職選挙法の選挙年齢が一致して18歳以上の国民に参政権としての投票権(選挙権)を付与したことと併せて民法の成年年齢が18歳となることを前提とした場合、我が国においては18歳をもって「大人」として扱うこととなり、大人と子供の範囲を画する年齢は、それまで20歳であったものが18歳となる。
 このことは、18歳以上の国民が、現在及び将来の国つくりの担い手であることを意味し、大人としてその責任を分担し、大人としての権利、自由も付与されることとなる。社会的にも国民意識においても「大人」は18歳からと移り変わる。
 法は、社会規範として、分かりやすく社会活動の指針となることが求められることから、大人と子供の分水嶺を示す各種法令には国法上の統一性が必要である。併せて、我が国の将来を支えるのは18歳からの若者であり、将来の我が国を活力あるものとし、その決意を力強く示すためにも、満20歳以上(未満)を要件とする法律においては、その年齢要件を原則として18歳以上(未満)とすべきである。

3.満20歳以上(未満)を要件とする法律について

(1) 少年法について

 民法を始めとする各種法律において、我が国における「大人」と「子供」の範囲を画する基準となる年齢が満18歳に引き上げられることを踏まえ、国法上の統一性や分かりやすさといった観点から、少年法の適用対象年齢についても、満18歳未満に引き下げるのが適当であると考える。
 他方で、罪を犯した者の社会復帰や再犯防止といった刑事政策的観点からは、満18歳以上満20歳未満の者に対する少年法の保護処分の果たしている機能にはなお大きなものがあることから、この年齢層を含む若年者のうち要保護性が認められる者に対しては保護処分に相当する措置の適用ができるような制度の在り方を検討すべきであると考える。
 そこで、法務省においては、これら本委員会の考えを真摯に受け止め、若年者(その範囲を含む。)に関する刑事政策の在り方について全般的に見直すことも視野に入れて、刑事政策上必要な措置を講ずるための法制的検討を行うこと。

(2) 諸法令について

 (3)又は以下に掲げる法律(条項)を除き、満20歳以上(未満)とされている要件は、満18歳以上(未満)に引き下げる。
 〕椰討砲覆譴詛齢
 ⇔捗討僚蟷、銃を使用する狩猟免許
 K塾話聴による加入強要の禁止対象年齢
 す駝映金の支払義務
 チデ職員及び小型船舶操縦者法(船長及び機関長の年齢)
 児童福祉法に定める児童自立生活援助事業における対象年齢
 特別児童扶養手当等の支給に関する法律の対象年齢
 道路交通法上の中型免許及び大型免許等
 なお、公職選挙法等の一部を改正する法律において、「当分の間」の措置として20歳以上を維持することとされた検察審査員、裁判員、民生委員及び人権擁護委員となる資格年齢については、少年法の適用対象年齢又は民法の成年年齢を踏まえたものとすること。

(3) 税制関連について

 以下に掲げる法律(条項)は、民法上の「成年」を引用したり、民法上の成年年齢を前提とした制度であるが、税制に関する事項であるため、我が党の税制調査会における検討に委ねる必要がある。
 々饑把Ъ法及び国税犯則取締法の捜索立会人
 関税法の臨検の立会人
 税理士法の税理士の欠格事由
 ぜ鮴破,亮鬚寮渋ぬ筏等の付与条件
 チ蠡垣破,20歳未満の者に係る控除制度等
 α点覇段盟蔀嵋,猟招和座阿ら住宅所得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税年齢
 東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の被災者が住宅所得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税年齢
 ┐修梁樟農関連事項

4.社会的に関心の高い事項について

 20歳未満の者の飲酒、喫煙を禁止している未成年者飲酒禁止法及び未成年者喫煙禁止法について、成年年齢の引き下げに伴い禁止年齢を18歳未満とするか否かについては、賛否にわたり様々な意見が認められた。
 生物学的な発達に応じた医学的影響を勘案し、健康被害を防止する必要があること、非行防止の観点からは飲酒、喫煙が非行の引き金となる側面があること等の理由から、成年年齢が引き下げられても現行の禁止年齢を維持するべきとの意見があった。
 他方、現行法においても飲酒、喫煙は未成年者に制約を課し、大人は自制する判断力ある者として自らの責任において摂取等が法律上許容されていること、現在でも一定の免許取得等が法令上許容されていても校則で制限する等の生徒指導による対応を前提として、成年年齢の引き下げに応じて禁止年齢を18歳未満に引き下げるべきとの意見があった。
 本委員会としては、これら意見や諸外国の状況を踏まえ、飲酒、喫煙に関する禁止年齢を18歳未満に引き下げるべきかどうか、引き続き社会的なコンセンサスが得られるよう国民にも広く意見を聞きつつ、医学的見地や社会的影響について慎重な検討を加え、実施時期も含め民法改正時までに結論を得るものとする。併せて、公営競技が禁止される年齢についても同様とする。
 被選挙権を有する者の年齢については、引き続き検討を行うものとする。

5.周知期間等の必要性について

 本委員会における検討に基づき、必要な法制上の措置を講じることとなるが、民法(民法の成年概念を用いる法律を含む。)については、社会的影響の大きさや、教育面の対応、施行までの準備作業に要する期間などを踏まえ、少なくとも3年程度の周知期間とともに、必要な経過措置を設ける。
 また、その他の法律についても、民法に準じた周知期間及び経過措置を設ける。

 以 上

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