nambu yoshinori's official blog

南部義典オフィシャルブログ

タグ:憲法審査会

 2017.5.17
 マガジン9連載 立憲政治の道しるべ
 第118回「“2020年憲法改正施行宣言”って、一体どういうつもり?」
 http://maga9.jp/rikken170517/
20170506_D7100_066
 パレオエクスプレス(9002レ)
 2017.5
 秩父鉄道 波久礼駅
 Nikon D7100
 Ai Nikkor ED 500mm F4P
 1/1000
 f4.5
 ISO400
 対DX1.3×クロップ

国民投票法入門20161118

Amazonで、近著『[図解] 超早わかり 国民投票法入門』の予約受付が始まりました。
・著者   南部 義典
・発行所  C&R研究所
・定価   1,630円(+税)
・発売日  2017年1月25日予定
・ISBN   978-4-86354-212-9

https://www.amazon.co.jp/%E5%9B%B3%E8%A7%A3-%E8%B6%85%E6%97%A9%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8A-%E5%9B%BD%E6%B0%91%E6%8A%95%E7%A5%A8%E6%B3%95%E5%85%A5%E9%96%80-%E5%8D%97%E9%83%A8%E7%BE%A9%E5%85%B8/dp/4863542127/ref=la_B004LVEGTA_1_4?s=books&ie=UTF8&qid=1479550664&sr=1-4

 2016.11.16
 マガジン9連載 立憲政治の道しるべ
 第107回「トランプ・ショックで、日本の憲法改正に期待する愚かさ ―ケント・ギルバート氏への反論―」
 http://www.magazine9.jp/article/rikken/31124/
 http://blogos.com/outline/198257/

 

 私のコメントが、各紙に掲載されました。

 ▼毎日新聞 
   「改憲へ安倍自民執念 日本会議が地ならし 南部義典・元慶応大講師(憲法)の話」
   http://mainichi.jp/articles/20161103/ddm/010/010/028000c
   「改憲へ安倍自民執念 日本会議が地ならし(その1)」
   http://mainichi.jp/articles/20161103/ddm/010/010/025000c
   「改憲へ安倍自民執念 日本会議が地ならし(その2止)」
   http://mainichi.jp/articles/20161103/ddm/010/010/018000c
 ▼共同通信
   「改憲手続き、最短で2年 初の国民投票、19年にも」
   (掲載紙)
   北海道新聞
   東奥日報
   下野新聞
   千葉日報
   山梨日日新聞
   神奈川新聞
   信濃毎日新聞
   北國新聞
   富山新聞
   福井新聞
   岐阜新聞
   山陰中央新報
   四国新聞
   愛媛新聞
   西日本新聞
   佐賀新聞
   長崎新聞
   宮崎日日新聞
   沖縄タイムス
   琉球新報 (以上20紙)

 (マガジン9・連載)立憲政治の道しるべ 2016.2.24
 第89回「“トンデモ発言” 議員に対する懲罰、辞職勧告は可能か?」
 http://www.magazine9.jp/article/rikken/26132/
 http://blogos.com/article/162722/

 20160214_P5000_058
 

 憲法を改正するかどうかの投票のルールを決めた国民投票法が、国会で改正されました。投票できるのは、これから4年間は「20歳以上」の人ですが、4年後からは「18歳以上」に引き下げられます。どうしてそうなったのでしょうか。3月まで慶応大学講師をつとめ、『Q&A解説・憲法改正国民投票法』の著者の南部義典(なん・ぶ・よし・のり)さんに聞きました。

 憲法を改正するには、国会が3分の2以上の賛成で提案して、国民投票にかけなければなりません。しかし、国民がどのように投票するかは、憲法では決まっていません。そのため、2007年、国民投票法が国会でつくられました。

 国民投票法では、18歳以上が投票できることになりました。国会議員や知事、市長などの選挙で投票できる選挙権は20歳以上です。大人とみとめられるのも、民法という法律で20歳と決められています。国民投票だけ18歳以上にしたのは、なぜでしょうか。

 南部さんは「憲法を改正するのは、人の一生のうちに何度もあることではありません。そのため、できるだけ若い人たちの意見も聞こうということになったのです。また、世界の多くの国々では、国民投票や選挙、大人の年齢は18歳以上です。国民投票をきっかけに、選挙権と大人の年齢も18歳に引き下げようとしたのです」といいます。

 国民投票法は、3年後の施行(法律を実行すること)までに、選挙権と大人の年齢を18歳以上にそろえるよう国に宿題を出しました。2010年、国民投票法が施行されました。ところが、いまでも選挙権と大人の年齢は20歳以上のままです。どうしたのでしょうか。

 「国会議員や役所が宿題をさぼったのです。そのため、国民投票と選挙、大人の年齢がちがうという予想外のことがおきました。国民投票に参加できるのは、18歳以上なのか20歳以上なのかが、はっきりしなくなったのです。これでは国民投票はできません」

 国民投票ができなければ、憲法改正はできません。そこで憲法改正に熱心な自由民主党(自民党)が中心になって、国民投票の年齢をはっきりさせようとしたのです。

 今回の改正で、これから4年間は20歳以上、そのあとは18歳以上が投票することになりました。18歳以上の投票は、なぜ4年間待つことになったのでしょうか。

 「自民党の中から『18歳で国民投票に参加させるのは早すぎる』という意見が出てきたからです。同じ与党(政府をささえる政党)の公明党は18歳を主張しました。そのため、両方の意見の間を取ったのです」

 宿題だった選挙権と大人の年齢は、18歳に早くそろえることになりました。選挙権については、ほとんどの政党が2年以内に18歳以上にすることを約束しました。大人の年齢を18歳にすることについては、期限がついていません。

 「古い宿題のかわりに新しい宿題が出されたわけです。こんどこそ、国会議員や役所はさぼらないでほしいですね」

 今回の改正で、公務員も憲法改正について意見をいったり、ほかの人に賛成か反対かの投票をするようすすめたりすることができるようになりました。こうしたことを決めたのはなぜですか。

 「公務員はだれに対しても、中立でなければなりません。選挙では、だれかを当選させようと運動をしてはいけません。しかし、憲法を改正するかどうかは大事なことですので、公務員も自分の意見をいったり、運動をしたりできるようにしたのです」

 国民投票のルールがかなりととのいました。これで憲法改正は進むのでしょうか。

 「憲法改正については政党の間で、いろいろな意見があります。国会が憲法改正案をつくり、国民投票にかけるには、時間がかかると思います」

 いまの小学生もいずれ国民投票に参加することになるかもしれません。

 南部さんは「憲法は個人の権利や自由を守るためのものです。憲法を変えることを国会が提案してきたときには、個人の権利や自由をもっと広げることになるのかどうかを考えて、賛成か反対かを決めてほしいですね」といいます。

 朝日小学生新聞(2014/6/17)

 衆議院憲法審査会・参考人質疑における配付資料が、公開されました。
 あわせて、憲法審査会ニュースもご覧下さい。

▼平成26年5月8日(木) 南部義典参考人配付資料
 http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kenpou.nsf/html/kenpou/186.htm

▼衆議院憲法審査会ニュース第31号(憲法調査会からの通算157号)
 http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kenpou.nsf/html/kenpou/news-shinsa031.pdf/$File/news-shinsa031.pdf

 衆議院憲法審査会・参考人質疑 発言メモ
 2014年5月8日
 南部 義典

▼1.前回の対政府質疑における政府参考人答弁の問題                 

 前回の対政府質疑(2014/4/24)におきまして、政府参考人の看過できない答弁を承知しております。
 法務省の当日配付資料で、少年法の適用対象年齢を引き下げる必要はないとの見解が示されておりましたが、早速、「この見解はいつまとめられたのか、内閣官房、総務省に然るべき通知をしたのか」との質疑がございました。
 これに対し、法務省の政府参考人は、「昨年9月の段階で、法務省として現時点において、18歳又は19歳の者に対する保護処分の必要性が失われたとまで評価すべき事情はなく、少年法の改正は不要であるとの判断に至ったところでございます。この状況につきましては、内閣官房及び関係省庁にもその当時にお伝えしてございます」と答弁しました。
 私は、この答弁に驚きました。各府省庁別の対象法令検討状況(2014年4月1日現在|『衆憲資89号』45頁)で明らかなように、少年法はB1というカテゴリー、つまり、現在、法制上の措置について検討中であるもの、に該当すると理解していたからです。
 その後の質疑で、私は疑念を深めました。内閣官房の政府参考人は、「議論の焦点は、公職選挙法、民法及び少年法の取り扱いに絞られてきたと認識をしております。しかしながら、これまで内閣官房、総務省及び法務省を中心に検討、調整を進めてまいりましたが、残念ながら、この点につきましては、いまなお政府部内では成案を得るに至っていないところでございます」と答弁しました。
  「結論は出た」という法務省と、「出ていない」という内閣官房の政府参考人答弁が、同日の対政府質疑の中で、180度食い違っております。法務省の政府参考人の答弁が真実であれば、少年法はB1からAのカテゴリー、つまり「法制上の措置の要否、改正方針が確定したもの」として、内閣官房で整理し直し、正確な情報をもとに、本審査会で質疑を行う必要が生じます。
 改正法の施行後、各党PTを中心に年齢条項の見直しの検討が始まりますが、言うまでもなく、政府との十分な連携を要します。政府内の見解不一致が現時点で露呈するようでは、PTの運営、法整備に向けた合意形成に対する不安を禁じえません。
 先生方におかれましては、前記の政府参考人答弁に係る事実の調査、確認を徹底していただきますよう、お願い申し上げます。

▼2.民法成年年齢の引下げに向けた、強力な政治主導を

(2-1.捻じ伏せられる、立法者意思)
 民法成年年齢の引下げに関して、法務省が制定法の立法者意思を別誘導し、あたかも選挙権年齢とは方向性の異なった議論が可能であるかのような論理を後付けに挟み込むなど、政権の枠組みにかかわらず、直接・間接の遅延行為が続けられております。
 思えば7年前の今日(2007/5/08)、与党併合修正案の対案として“参院民主党案”が提出されました。この案は、衆院段階の民主党原案・修正案と同様、制定法附則3条2項にいう経過措置規定を置
かず、公布から全面施行までの3年間で、公選法、民法その他の法令が定める年齢条項の見直しを確実に成し遂げようとする立法者意思が、強く反映していました。法案提出者の千葉(景子)参院議員は趣旨説明(2007/5/09)の中で、「投票権者を18歳とする点についても、与党(併合修正)案では公職選挙法等の改正がなされない限り実施を幾らでも先送りできる、まやかしの規定にすぎません」と述べ、経過措置規定を置く与党併合修正案を当時、厳しく批判したところです。
 両案審査の後、与党併合修正案が可決・成立し、公布されたものの(2007/5/18)、その後両院で“憲法審査会規程”が制定されず、審査会が始動しないことをよそ目に、法制審議会・民法成年年齢部会が活動を始めました(2008/3/11)。法務大臣の諮問文(2008/2/13)にある「成年年齢を引き下げるべきか否か」という文言がすでに、制定法附則3条1項の趣旨を逸脱していたことは、すでに先生方の共通認識が醸成されているものと思います。
 この文言は、諮問の前、すでに問題視されていました。部会の設置を決めた法制審議会第155回会議(2008/2/13)の議事録によりますと、ある委員が「この諮問の文章も可否ということでどっちでもいいみたいなふうに読めるように書かれておりますが、立法府の意思として、国民投票法案に係るいろいろな議論もあったと思うのですけれども、その立法府の意思はどの辺にあるのか、その確認等はきちっとできて、なされた上でどっちでもいいということなのか。(中略)その立法府の意思とそごを来すような受け止め方になっていないのかということを、やはりもう少し吟味をしていただく必要があるのではないか」と発言しています。
 民法成年年齢部会の最終報告を総会が採択し、法務大臣に答申(民法の成年年齢の引下げについての意見|2009/10/28)がなされる手前で、政権が交代しました。先の参院民主党案提出者の千葉参院議員が法務大臣に就任され、国民投票法の全面施行日(2010/5/18)までに、民法改正が何とかギリギリ間に合うのではないかとも思いましたが、その後、政権再交代となり、現内閣に至るまで、膠着状態が打開され、具体的な立法措置が講ぜられようとする気配がありません。
 その根本原因は何か。先生方の鋭い洞察を以て、ご理解いただけることと思います。

(2-2.民法改正=18歳成年年齢法の提案)
 政権の枠組みがいつ、どのように変わろうとも、法制上の措置が遅々として進まないことは、国会の権威を傷付け、立憲政治を動揺させることに他なりません。
 改正法附則3項は、制定法附則3条1項と同様、「民法」が頭出しになっています。法制定時の立法者意思が、7年の歳月を経て8党間で広く再確認され、政治主導の機運が高まっているのではないかと、希望を抱きながら改正案を拝読した次第です。
 そこで、法制審議会答申を逆手にとりつつ、次のような立法提案を申し上げます。
 答申自体、成年年齢の引下げを「是」とする結論であることから、民法等の改正法案を提出し、まず、成立させてしまうのです。
 しかし、施行期日については、若干の工夫が必要です。つまり、改正法の附則1項で、この改正法の施行期日を「別に定める法律」で定める日とすることとし、附則2項で「前項の施行期日を定めるにあたっては、若年者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策の効果等の若年者を中心とする国民への浸透の程度やそれについての国民の意識を踏まえて、行うこととする」と規定するのです。消費者教育推進計画の最終年度(平成29年度)が、改正法施行の一つのタイミングとなるでしょう。
 これは、環境が整備されてからの成年年齢引下げ(リンク論)という法務省の言い分をそのまま条文化するもので、いかなる反対、抵抗をも許しません。もし反対、抵抗するようなら、そもそもの本音は、“成年年齢の引下げそれ自体にある”ことを自白することになります。施行期日につき、再度、国会の議決を経る点も重要です。強い政治主導を、ぜひともお願い申し上げます。
 
▼3.次回国政選挙は、18歳選挙権の保障の下で                                 

(3-1.公選法改正を可及的速やかに)
 国民投票権年齢、選挙権年齢、民法成年年齢、少年法適用対象年齢の四つは、いわば車のタイヤのサイズのように一致して扱われるべきで、これこそ制定法附則3条の原意であると理解しております。同条の源流にある民主党原案の附則3条は、「国は、若い世代に、国政への参加の機会を保障するとともに、社会の一員としての責任感を醸成し、積極的な社会参加を促進するため」、公布後速やかに、年齢条項の検討措置を講ずることを国に命じていました。公選法改正はもちろん、民法改正、少年法改正を意識した書きぶりですが、改めて読み返しても何の遜色もなく、この立法理念は各党PTに継承されていくものと確信しております。
 今や、個別に立法事実の調査研究に深入りする場合ではなく、公選法、民法、少年法について公布から施行までの期間(周知・準備期間)をどう設定するか、という政策判断、政治決断のフェーズにあると思います。スタート(各改正法の公布)は段階的であり、ゴールの時期(各改正法の施行)もそれぞれ異なります。各党PTで、具体的なロードマップの策定に着手されることを要望します。
 まず、参政権グループに属する選挙権年齢の引下げを、可及的速やかに実現する必要があります。
 確認書〈項目1〉では、「改正法施行後2年以内に18歳に引き下げることを目指し」とありますが、国民の誤解を招かないよう、現段階では改正公選法の成立・公布までが目標設定されており、施行までではないことを周知することが必要です。
 改正法附則3項に「国民投票の投票権を有する者の年齢と選挙権を有する者との年齢との均衡等を勘案し」とありますが、「均衡」には消極、積極の両方向があります。決して、現状維持に嵌らず、参政権年齢が食い違うことにならないよう、スピード感を以て対応することが必要です。また、「等」には民法成年年齢とのバランスが含まれることを、確認させていただきます。
 猶予はわずかですが、次回の国政選挙は必ず、18歳選挙権が保障された下で行うことに対して、すべての法案提出者の答弁が担保されることに期待します。

(3-2.少年法の一部適用除外)
 確認書〈項目1〉の後段部分では、改正法施行後4年を待たずに、国民投票権年齢と選挙権年齢が揃って18歳となることが想定されています。少なくともこの時点で、年齢満18年以上満20年未満の者の参政権の享有と刑事制裁を受ける地位とのバランス論が顕在化します。
 改正公選法と改正少年法の施行期日の前後関係がどうなるか、いまは断定できません。仮に、改正少年法の施行期日が後になる場合、国民投票犯罪、選挙犯罪にコミットした18歳、19歳の者を成人の刑事手続で取り扱うには、少年法の該当規定を適用除外する措置(国民投票法、公選法の一部改正)が必要となります。
 メディア情報によると、この案は一時期、与党で検討されたようです。法務省も了解しているのではないでしょうか。先日の質疑で同省の政府参考人は、この案ではなく、「保護処分を受けた少年に対する公民権の停止と連座制の適用」という、公選法上の特則を設ける案に触れました。
 いずれの法整備が適当か、少年法適用対象年齢の引下げを真摯に検討するのであれば、適用除外措置を設ける案の検討を加速するべきと考えます。

▼4.公務員による国民投票運動等に関する「ガイドライン」の整備              

 新設される100条の2は、公務員による“純粋”な賛否の勧誘行為、意見表明に関し、公務員法上の政治的行為の制限規定の適用を除外するスキームです。特例となる一部適用除外の理論構成としては厳格な部類に属します。
 この点、行為主体にとっては、憲法改正案の字面だけを頼りに勧誘行為に徹することは稀であり、どこまでが純粋なのか、同条の基準を以てしても字義どおり画一的に判断することが困難なこともあるでしょう。
 そこで、地位利用型、非利用型を問わず、公務員による国民投票運動等が許容される範囲につき、法規解釈、各種事例への適用関係を分かりやすく整理したガイドラインが不可欠です。昨年、インターネット選挙運動等に関する各党協議会が政府側と協議作成した“Q&A”が、優れた先行事例です。 
 ガイドラインの整備にあたっては、(1)制定法9条が公選法7条を準用し、取締機関に対する公正の確保を求めていること、(2)制定法100条が「適用上の注意」に係る解釈規定として置かれていること、(3)確認書〈項目4〉において、公務員に萎縮的効果を与えないよう政府に配慮を求めるとしていること、の趣旨を踏まえる必要があります。

▼5.公務員による組織的な勧誘運動等の規制の検討                     

 改正法附則4項は、公務員による組織的な勧誘運動等の規制に係る検討条項です。
 この点、制定法附則11条の検討・措置は、あくまで公務員が国民投票に際して行う賛否の勧誘行為や意見表明が“制限されることとならないよう”、というのが出発点です。この意味で、組織的な勧誘運動等の規制は、同条の趣旨と逆向きに、国民投票運動への公務員の関与を強く規制するもので、そもそも、宿題の“範囲外”といえます。
 また、この論点は、公務員法制全般の中で検討される性質のものですが、何を以て組織的な運動と判断するか、その基準が明確でなく、恣意的な運用と萎縮効果をもたらす弊害は小さくないことを念頭に置かなければなりません。
 したがって、この論点は、些か不意打ち的な印象も否めず、法制上、慎重な取扱いを要望します。

▼6.国民投票の対象拡大                                 
 
 改正法附則5項の憲法改正問題国民投票は、制定法附則12条が想定した、憲法96条の周辺部分に位置する予備的国民投票の制度理念を踏襲し、検討が進められることを希望します。
 そして、8年前、民主党原案が初めて立法提起したものですが、確認書〈項目5〉に従い、国政問題国民投票制度のあり方も今後、定期的に議論されることになります。任意、諮問的な性格のものとして投票結果の法的拘束力は否定されるものの、実施手続を定める法律案の審査過程、投票期日までの国会の役割付けに一定の工夫の余地があります。表決結果を、その後の間接民主制のプロセスにどのように反映させ、骨太な民主政治を確立するべきか、制度設計に関する新たな政治的知恵が求められます。

▼7.結びに                                       

 私たちが誇るべきは、憲法の変えやすさでも変えにくさでもなく、
 憲法を変えるかどうかについて、どれだけフェアなルールを持っているかです。
 中山太郎『実録 憲法改正国民投票への道』(中央公論新社、2008年)5頁
                          
 中山太郎先生の、この肯綮に中る言葉を心に刻みつつ、国民投票法制のさらなる展開に向けて、各会派の先生方による真摯な合意形成が続くことを願ってやみません。フェアなルールづくりに、ゴールはありません。
 以上、私の基調発言とさせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。(了)

 国民投票法の施行まであと1年となりました。憲法審査会のスタートに向けて、ようやく政治的な土壌が固まりました。

 国づくりは憲法体系のチェックから。憲法議論は常にあるもの。。。
 突然休止したり、急アクセルで始める性質のものでないのに、随分とおかしな風潮が広がりました(笑)。

 衆参両院の議院運営委員会(国会法41条2項3項)は通常、議院に付託された法律案を各委員会に振り分けたり、本会議の議事日程を決定するなど、比較的地味な活動をしています。

 最近は、これまでは両院の軋轢を生まなかったであろう、日銀総裁の人事の議決をめぐって、混乱を避けるべく、議院運営委員会が合同で開かれるなど、常任委員会としての重みは、より増しているように思います。

 下の産経記事にあるように、憲法審査会に関する規程が定められておらず、審査会が予定通り始動できていないという問題があります。
 ここに規程とは、議案型式の一つです。憲法審査会規程(仮称)は、議院運営委員会で審査し、議決する(さらに各議院の本会議で議決する)こととなっています。議院運営委員会が憲法審査会の命運を握っているのです。

 両院の議院運営委員会では、憲法審査会の設置の意義に関して各会派の認識が深いとはいえず、とりわけ参院においては国民投票法成立後の大きな議席変化があったため、ほぼグラウンドゼロの状態です。

 二度手間になるかもしれませんが、各院の議院運営委員会でそれぞれ公聴会を開いて、広く一般の意見を聴取するというのも打開策の一つと考えます。市民の意見を聴くことそのものに反対する論理はありえません。

 誰も決定的なイニシアティヴをとることができず、何もしなければこのまま何も動きません。憲法審査会はいったん設置されれば、国会法が改正にならない限り永久に存続する(まさに常設の)機関です。合意形成に向けたこの程度の政治的努力はあってしかるべきでしょう。

 超党派の国会議員らでつくる「新憲法制定議員同盟」は4日の総会で、自民・民主両党の幹事長らを役員に加えることを了承し、与野党の対立で見送られている衆参両院の憲法審査会の発足に向け、活動を活発化させたいとしています。(→つづき

 3月に入りました。

 政府予算案が衆院を通過したことで、平年であればベルトコンベア式に、いろいろな法律案の審査が始まっていくわけですが、両院がねじれているために、そうは行きません。第167回国会以降、その運営は手探りによるところが大です。

 予算案や法律案の審査、審議をどう進めるか、どう反対するかという国会対策のレベルの議論の中で、憲法審査会が相変わらず犠牲になっています。改正国会法の施行から7か月経過しています。憲法審査会規程を議決するに合理的な期間を悠に超え、国会の不作為は明らかに違法であるといえます。

 憲法審査会立上げの議論に触らないでおくという「空気」は、国会じゅうに蔓延しています。何の脈絡もなく憲法審査会の話を持ち出すと、KYだということになるので、誰が主犯であるというわけでもなく、全党的に、意識的に避けられているというのが現実ではないでしょうか。

 国会における憲法論議の放棄、不作為がこれ以上続くことに、大変な危機感を覚えます。
 また、憲法審査会が立ち上がらないこと自体が、憲法を護ることにとってよいことだとの勘違いが増えてくることも心配です。

 成人年齢に関する内閣官房の検討会は当分羽休めですが、法制審議会は11日から実質的な議論をスタートさせます。
 政治的に高い立場から政府の検討状況をチェックするのが憲法審査会の役割です。もはや一刻の猶予もありません。

 各党の足並みが揃うことも大事だと思います。

 自民党の憲法審議会は、憲法改正の手続きを定める国民投票法の付則で、成人年齢などを18歳に引き下げるよう法整備を図るとしているのを受けて、こうした引き下げをした場合に、関連する法令をどれだけ見直すのかなどについて、具体的な議論を始めることになりました。(→つづき

 国会は、参議院本会議で福田総理大臣の施政方針演説に対する2日目の代表質問が行われ、福田総理大臣は、与野党の対立で発足が見送られている衆参両院の憲法審査会について、「国会のしかるべき場でしんしな議論が行われることを強く期待している」と述べ、速やかな発足を求めました。(→つづき

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