nambu yoshinori's official blog

南部義典オフィシャルブログ

タグ:憲法改正

国民投票のルール改善(国民投票法の改正)を考え求める会に、
パネリストとして、参加する予定です。

と き: 2月13日(月)14時15分〜17時(開場は14時)
ところ: 参議院議員会館1階102号室

下記の方々が参加予定。2月上旬に確定します。
井上達夫(法哲学者。東京大学大学院教授)
今井 一 (ジャーナリスト。『「憲法九条」国民投票』の著者)
田島泰彦(法学者。上智大学文学部新聞学科教授)
南部義典(法学者。『Q&A解説・憲法改正国民投票法』の著者)
堀 茂樹 (フランス文学・哲学研究者、翻訳家、慶應義塾大学教授)
本間 龍 (作家。「原発プロパガンダ」「原発広告」などの著者)
宮本正樹(映画監督。脚本家。劇映画『第9条』が公開中)
※衆参の国会議員が数人参加する予定です。

詳しくは、こちらのURLをご参照ください。
http://ref-info.com/2017-02-13meet-2/

国民投票法入門20161118

2017.01.26 発売
[図解] 超早わかり 国民投票法入門
B6判・215頁
1,630円+税
http://www.c-r.com/book/detail/1093
https://www.amazon.co.jp/dp/4863542127

国民投票法入門20161118

Amazonで、近著『[図解] 超早わかり 国民投票法入門』の予約受付が始まりました。
・著者   南部 義典
・発行所  C&R研究所
・定価   1,630円(+税)
・発売日  2017年1月25日予定
・ISBN   978-4-86354-212-9

https://www.amazon.co.jp/%E5%9B%B3%E8%A7%A3-%E8%B6%85%E6%97%A9%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8A-%E5%9B%BD%E6%B0%91%E6%8A%95%E7%A5%A8%E6%B3%95%E5%85%A5%E9%96%80-%E5%8D%97%E9%83%A8%E7%BE%A9%E5%85%B8/dp/4863542127/ref=la_B004LVEGTA_1_4?s=books&ie=UTF8&qid=1479550664&sr=1-4

 2016.11.16
 マガジン9連載 立憲政治の道しるべ
 第107回「トランプ・ショックで、日本の憲法改正に期待する愚かさ ―ケント・ギルバート氏への反論―」
 http://www.magazine9.jp/article/rikken/31124/
 http://blogos.com/outline/198257/

 

 私のコメントが、各紙に掲載されました。

 ▼毎日新聞 
   「改憲へ安倍自民執念 日本会議が地ならし 南部義典・元慶応大講師(憲法)の話」
   http://mainichi.jp/articles/20161103/ddm/010/010/028000c
   「改憲へ安倍自民執念 日本会議が地ならし(その1)」
   http://mainichi.jp/articles/20161103/ddm/010/010/025000c
   「改憲へ安倍自民執念 日本会議が地ならし(その2止)」
   http://mainichi.jp/articles/20161103/ddm/010/010/018000c
 ▼共同通信
   「改憲手続き、最短で2年 初の国民投票、19年にも」
   (掲載紙)
   北海道新聞
   東奥日報
   下野新聞
   千葉日報
   山梨日日新聞
   神奈川新聞
   信濃毎日新聞
   北國新聞
   富山新聞
   福井新聞
   岐阜新聞
   山陰中央新報
   四国新聞
   愛媛新聞
   西日本新聞
   佐賀新聞
   長崎新聞
   宮崎日日新聞
   沖縄タイムス
   琉球新報 (以上20紙)

 
 2016.8.24
 マガジン9連載 「立憲政治の道しるべ」 
 
 第101回「天皇の生前退位の是非を問う国民投票、を実施すべき」
 http://www.magazine9.jp/article/rikken/29825/
 http://blogos.com/article/188031/

20160808_151218


 

 産経ニュース 2016.8.15 08:01更新
 成人年齢18歳に引き下げへ 政府が民法改正案を来年の通常国会に提出
 http://www.sankei.com/politics/news/160815/plt1608150018-n1.html

 お盆休み中、政治関連のニュースが少ないなか、
 産経が粋な記事を配信しました。

 もっとも、成年年齢を定める民法4条の単発改正ではなく、
 
 〔泳,墨動して改正する必要がある法律 <8本>
 ・国籍法
 ・性同一障害者の性別の取扱いの特例に関する法律
 ・旅券法
 ・児童福祉法
 ・水先法
 ・母子及び父子並びに寡婦福祉法
 ・船舶職員及び小型船舶操縦者法
 ・恩給法等の一部を改正する法律
 
 18歳選挙権法(平成27年6月19日法律第43号)が先送りした法律 <2本>
 ・民生委員法
 ・人権擁護委員法

 の計10本の法律も、同時に改正される運びとなるでしょう。

 また、民法改正が実現すれば、被選挙権年齢の引下げ議論にも、
 プラスの影響が及ぶでしょう。

 国会は、法制上の諸課題について、
 政府任せではなく、丁寧な整理を心がけるべきです。

 2016年8月8日

 天皇陛下の「お言葉」について

 民進党代表
 岡田 克也

○本日、天皇陛下からお気持ちの表明があった。改めて、天皇陛下が憲法に定められた象徴としての役割を全身全霊をもって果たされてきたことに大きな感銘を受けた。

○私たちは天皇陛下のお気持ちにしっかりと応えていく必要がある。まずは政府において、本日表明されたお気持ちを受け止めて、しっかりとした議論を進めていただきたい。

○同時に国権の最高機関である国会としても静かに議論を進め、立法府の責任を果たしていく必要がある。具体的な進め方に関しては両院議長を中心に検討すべきである。民進党としても、党内に議論する場を設け、こうした議論に適切に対応していく。

 以上

 (マガジン9)立憲政治の道しるべ 2016.7.13
 第99回「“3分の2”超でも、憲法改正がすんなり進まないと考える理由」
 http://www.magazine9.jp/article/rikken/29279/
 http://blogos.com/article/183305/

20160705_D7100_019
 

 『通販生活』2016夏号に、寄稿させていただきました。
 ”国民投票法「テレビCM」の大問題” というテーマです(73-75頁)。

 投票期日の14日前から、国民投票運動のための広告放送を禁じる、法105条の問題点を指摘しています。投票勧誘に限らず、単なる意見広告の放送も含めて、全期間、全面禁止にすべきことを提案しています。

 2016年5月15日発行。定価180円。
 http://www.cataloghouse.co.jp/

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 (マガジン9・連載)立憲政治の道しるべ 2016.2.24
 第89回「“トンデモ発言” 議員に対する懲罰、辞職勧告は可能か?」
 http://www.magazine9.jp/article/rikken/26132/
 http://blogos.com/article/162722/

 20160214_P5000_058
 

 (マガジン9)立憲政治の道しるべ 2016.2.10
 第88回「与党でも野党でもない、ゆ党の登場を歓迎する」
 http://www.magazine9.jp/article/rikken/25807/
 http://blogos.com/article/159987/

 20151206_D90_162

 














 平林寺(埼玉県新座市) 2015.12.6
 
 

「18歳選挙権の法律論と制度論」
 
一 序論
 
 2016年6月19日、18歳選挙権法が施行される。18歳、19歳の者は新たに、同日以降に公示される国政選挙(衆議院議員総選挙、参議院議員通常選挙)から、投票行為はもちろんのこと、特定の候補者、政党等を支援する目的で選挙運動を行うことが可能となる。18歳選挙権に連動し、衆議院議員総選挙のさいに行われる最高裁判所裁判官の国民審査、さらに地方自治体レベルの住民投票も、18歳を以て有権者としての資格を得ることになる。総じて、政治参加の場面では、18歳がエントリー基準となる。

 思えば1945年12月、日本に普通選挙制が導入され、満20歳以上の者に対し、男女平等に選挙権が与えられた。現在まで70年間にわたって20歳選挙権が定着し、選挙権年齢の引下げは、戦後憲政史の上で初めてのことである。世界に目を転じれば、デンマークのように、選挙権年齢を25歳から18歳まで、数次の国民投票を経ながら段階的に引き下げてきた国もあるところ、18歳選挙権はすでにすう勢となっている。新興国の多くは、18歳選挙権を当初から採用した。時機がかなり遅れたものの、日本はようやく世界標準に到達したところである。

 もっとも、18歳選挙権に関しては、制服姿の高校3年生が投票所で投票する姿がシンボル化されがちであるが、立法目的は決して、投票を可能としたことに尽きるものではない。18歳、19歳の者が現実の政治との接触、社会との関わりの中で思考を巡らし、主体的な活動を実践することを通じ、政治的な潜在能力を覚醒させ、政治的な自律を獲得する過程にこそ、その核心がある。知識中心ではない、実践的な市民教育の重要性が認識される所以である。
 
 18歳選挙権の法律論、制度論としては、この先の展開に悩ましい課題を抱えている。まず、18歳選挙権法が整備されてもなお、被選挙権年齢の見直し等、法律改正を要する課題が残されている。また、憲法改正の手続を定める国民投票法の制定(2007年5月)を契機に、いわゆる「18歳成人改革」が立法課題として継続しているところ、年齢に関する法制度の全体を見渡せば、選挙権年齢の引下げはまだ、改革の第一歩にすぎない。18歳選挙権法は、民法、少年法、その他の法律の改正(総計170本程度)を、政府に対し、宿題として課したばかりであり、改革の本番はこれから到来する。言うまでもなく、民法、少年法の改正は、国会内外における合意形成のハードルが高い。国民的議論を仕切り直すためにも、18歳選挙権法を起点に、今後予定される法律改正の内容、課題を整理しなければならない。

 なお、本稿の内容は、執筆時点(2016年1月)の情報に基づいている。

二 国民投票権年齢との関係

 本論に入る前に、18歳選挙権の実現を後押しした国民投票法との関係について、一点指摘しておかなければならない。

 国民投票法は2007年5月に制定され、3年後の2010年5月に施行されたが、国民投票権年齢に関する法的不具合が生じたため、同年齢が満18歳以上か、満20歳以上か、解釈がいずれにも確定しないという状態が続いていた。2014年6月の国民投票法改正は、この年齢不確定問題に対処するため、一定の政治的妥協を踏まえつつ、国民投票権年齢を2018年6月20日まで「満20歳以上の者」といったん確定し、翌6月21日以降、「満18歳以上の者」と、自動的に引き下げる措置を講じたところである。

 選挙も国民投票も、参政権としては同種であり、いわば「性別の同じ双子」として、法律上の年齢が異なってはならないというのが、伝統的な立法原則である。しかし、18歳選挙権を起点に、前記の推移を捉えるとどうなるか。18歳選挙権法が施行されると、2018年6月20日までの間、選挙権年齢と国民投票権年齢が食い違ってしまうのである。

 筆者が仄聞する限りでも、選挙権年齢と国民投票権年齢が制度上、相違している国は存在しない。このまま放置しても、2018年6月21日には自然に解決する問題ではあるが、18歳国民投票権を前倒しして実現する法整備が喫緊の課題であることを、まず確認しておかなければならない。

三 18歳選挙権の意義再考

1 国政との関わり

 18歳選挙権法は2015年6月、衆参両院において全会一致で可決し、成立した。法案審議時には、各党間で「次回の国政選挙は必ず、18歳選挙権が実現された下で行う」との共通認識が醸成されており、制度化それ自体に対する異論はまったくみられない。国民投票法案の起草当時(2006年)には、18歳の政策判断能力を疑問視する意見が有力に主張されていたことからすれば、わずか10年の経過とはいえ、隔世の感がある。

 今や、18歳、19歳の者が選挙権を適切に行使することができるよう、選挙制度の内容(衆参の相違点)、投票の方式をどのように周知するかという課題に収斂している。政府はすべての高校生に副教材を配付し、制度に関する詳細な解説を施す一方、各党は、若年者層との双方向的な政策対話の場を設け、定期的にコミュニケーションを図るなど、試行錯誤が続けられている。しかし、各党の日常的な活動広報は、政界特有の分かりづらさが覆い尽くしており、なお相当な工夫を要する。
 
 18歳選挙権法は、最高裁判所裁判官の国民審査も満18歳で可能としたが、事前の情報提供のあり方に関しては、選挙よりもはるかに深刻な課題を残している。国民審査は現在、罷免させたい裁判官に対して「×」を付し、それでなければ何も書かずに投票する方式が採られているが、審査対象となる裁判官の評価に資する情報に、18歳、19歳の者がアクセスすることは容易ではない。最高裁判所は、裁判官に関する情報を日常的に提供しておらず、国民審査のさいに発行される「審査公報」が唯一の参考情報となるところ、実に形式的であり、質・量ともに、18歳、19歳の者の判断に供する内容として構成されていない。国民審査のさい、適切な判断ができなければ、白紙投票を以て、裁判官を結果的に信任することになってしまう。また、国民審査に臨むには、最高裁判所の役割を正しく認識していなければならず、この意味でも憲法教育の充実が不可欠である。

2 地方政治との関わり

 18歳選挙権法が初めて適用されるのは、衆参いずれかの国政選挙ということもあり、18歳選挙権を論じる場合、国政選挙のさいの投票行為に焦点が当たりがちである。しかし、18歳、19歳の者が有権者として関わるのは国政選挙だけではない。日常生活に身近な、地方政治との関わりを確認しておく必要がある。

 まず、18歳選挙権法により、地方選挙(知事、市町村長、自治体議会の議員の選挙)において、満18歳の者が投票資格を得る。いずれの職も任期は4年であり、少なくとも4年に1回、これら住民の代表者を選ぶことができる。

 加えて、地方自治レベルには、「直接請求」と呼ばれる制度がある。すなわち、ー治体条例の制定等の請求、監査の請求、5腸颪硫鮖鏡禅瓠↓さ聴、長、役員の解職請求(リコール)の4つが、住民の権利として認められている。18歳選挙権法はこれら4つの直接請求権も、満18歳で行使可能としたことが特長である。

 筆者がとくに注目するのは、,両鯲秬定請求権である。近年、住民の間で政策上、大きな争点となり、対立が容易に決着しない案件に関しては、住民投票というシステムを活用し、住民が直接、意思決定を行おうとする機運が高まっている。その背景事情は様々だが、4年に1回の選挙を経るだけでは、自治体行政と住民の意思とのかい離が埋まらないことは確かである。これまで市町村合併、議員定数の削減、産業廃棄物処理施設の建設、大型公共施設の建設、基地の移転、原子力発電所の再稼働等の是非をめぐって、住民投票を実施するための条例を制定するため、有権者による一定数の署名を収集し、当該自治体の長に対して条例制定を請求する動きが、全国各地で見られたところである。
 
 条例制定請求権の行使は、既成政党ないし政治的組織の活動の延長として、比較的年輩の有権者が取り組むもの、というイメージが強い。しかし、昨今の若年者層の政治問題に対する関心の高まり、政治的な活動のすそ野の広がりを見るにつけ、今後はむしろ高校生、大学生が運動のイニシアティブをとることに、筆者は期待を込めている。選挙運動、国民投票運動にも通ずるところがあるが、インターネットの利活用が、運動の可能性を一層膨らませる。殊に、文部科学省通知「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」(2015年10月29日付)に基づく運用が、生徒会、クラブ活動等の授業以外の場面、放課後や休日等における生徒の政治活動を不当に制約することがないよう、十分に配慮しなければならない。
   
四 18歳選挙権法が残した課題

1 学年基準の採用

 「参議院議員通常選挙が、2016年7月17日(日)に行われる」と仮定する。この場合、2016年7月18日までに、18歳の誕生日を迎えた者は、投票資格が得られるが、7月19日以降、2017年4月1日までに誕生日を迎える者は、同じ高校3年生でも投票資格は得られない。

 なぜ、このような事態が生じるかといえば、選挙権年齢の要件に関して、当該選挙の期日を基準に据え、満年齢を以て判断することから、在学年齢との間に齟齬が生じるためである。同じ高校3年生が、投票期日の偶然によって、有権者と非・有権者に二分されることには、多くの高校生、教育関係者が違和感を覚えることであろう。

 したがって、18歳選挙権特有の問題ではあるが、学年を基準に投票機会を拡充する趣旨で、高校3年生の在学年度(当該年の4月1日から翌年の3月31日まで)に執行される選挙に関し、選挙権を一律、平等に付与する制度を導入すべきである。学年基準は、オーストリアですでに採用されている。日本においても、実務上の障碍は低いと解される。

2 被選挙権年齢の引下げ
 
 序論で「政治参加の場面では、18歳がエントリー基準となる」と述べたが、被選挙権年齢に関しては、今まで18歳成人改革の射程から外れてしまっていた。選挙制度は各国様々であるが、25歳(衆議院議員、都道府県議会議員、市区町村議会議員及び市区町村長)、30歳(参議院議員、都道府県知事)という被選挙権年齢は、比較法的にみても高い基準である。

 18歳選挙権の実現により、衆議院議員の被選挙権年齢との較差は7歳となる。この点、二院制を採用している国における下院の選挙制度について見ると、選挙権年齢と被選挙権年齢との5歳以上の較差を許容する例は、アメリカ、フランス、イタリアの3国と、わずかであることが分かる。日本も当然、少数国の部類に含まれる。
 
 各国では、被選挙権年齢も選挙権年齢と同じ18歳とする例が多い。日本では、被選挙権年齢をいきなり18歳に引き下げることは困難であると解されることから、22歳、20歳と、段階的に引き下げていくのが現実的にも妥当な選択であろう。

 なお、被選挙権年齢の引下げのさい、民法が定める成年年齢(後述)よりも低く設定することはできない。特定の選挙に立候補する場合には当然、売買、賃貸借等の契約が、親の同意なく単独で行うことができる能力があることが前提となるからである。

五 民法が定める成年年齢の引下げ

1 成年年齢とその引下げの意義

 18歳選挙権に続く次のステップとして、民法が定める成年年齢の引下げ、言わば「18歳成年」の実現が課題となる。成年年齢は、一般には「成人年齢」と言い換えられることが多く、「大人と子どもを画する年齢」として理解されているが、18歳選挙権との関係ではあくまで、法的な意味を理解する必要がある。成年年齢が有する意義、その引下げがもたらす問題は、次の2点にまとめられる。

 成年年齢とは第一に、個人が単独で契約を行うことが出来る年齢である。成年に達しない者、すなわち未成年者が契約を行う場合には、原則、親権者等の法定代理人の同意を得なければならない。法定代理人の同意を得ないで行った契約は、未成年者本人又はその法定代理人が、取り消すことが出来る。成年年齢を18歳に引き下げた場合には、18歳、19歳の者が親の同意なく自由に売買等を行うことが出来るようになる一方、悪徳業者から不当高額な商品を購入した場合であっても、親権者がその売買契約を取り消すことが出来なくなるため、消費者被害が拡大するおそれが高くなる。

 第二に、個人が、親権者の親権に服さなくなる年齢である。親権の内容は、子の監護、教育、居所指定、懲戒、職業許可及び財産管理と多岐にわたる。成年年齢の引下げは、親権を離れ、若年者の自立を促す効果がある一方、自立が元々困難な者にとっては、18歳を迎えた後、親権者の保護を受けられなくなるおそれが生じる。また、18歳を以て成年とすると、高校3年在学中に成年を迎える者が出てくるが、法律上はすでに親の親権に服さない地位になっており、教育者の立場からすれば、生活指導、進路指導等の場面で親の協力が得られなくなるおそれがある。

2 選挙権年齢と成年年齢との関係

 選挙権年齢と成年年齢とは、一見して無関係であるように見えるが、実は密接な関係下にある。
 
 序論で、日本で普通選挙制度が導入されたさい、選挙権年齢が満20歳以上の者と定められたことについて述べた。実はこのとき、政府は成年年齢を参考にし、選挙権年齢を成年年齢に一致させるべきことを方針として確定し、満20歳以上と定めたのであった。選挙のさい、誰(どの政党)に投票すべきかを判断する能力と、売買等の契約の場面で必要な判断を行う能力との間には違いはないというのが、その理由である。選挙権と国民投票権は「性別が同じ双子の関係」と称したが、選挙権と成年概念は言わば、「性別が違う双子の関係」に当たると理解することもできる。
 
 2016年6月19日以降、選挙権年齢と成年年齢は不一致となる。両年齢の不一致を放置したら、それがもたらす不都合は、早晩、顕在化することであろう。例えば、18歳、19歳の者が、選挙運動のボランティアをしたいと決意し、ある立候補者の選挙事務所にその旨申込むケースを想定してみる。申込者はこのとき、選挙運動を行うことは認められても、一方で民法上の未成年者として評価されるままに「親の同意」を要求されることがありうるのである。親の同意が得られないため、ボランティアを断わられることは、ごく一般的な法感覚に反するであろう。

 このような不都合を回避するためにも、成年年齢の引下げを早期に行うべきことは言うまでもない。もっとも、選挙権の行使には、結果も含めて公的にも私的にも責任は問われないが、契約などの場面では、判断が不十分であっても、代金支払などの債務が原則発生する。選挙権年齢の引下げのさいは、法的責任の発生を一切考慮する必要がなかったが、成年年齢の引下げはこの点の事情が異なるのである。

 政府は一貫して、若年者の自立を促すような施策や、消費者被害が拡大しないような施策が実現することが、成年年齢引下げの前提条件となるとの立場を採っている。現段階では、これらの施策を計画的、確実に遂行することが課題である。

六 少年法適用対象年齢の引下げ
 
 少年法は、20歳に満たない者を「少年」と定義し、少年の犯罪行為に対しては原則、刑罰ではなく、保護処分の対象とすることとしている。少年の保護と更生をその目的とする(保護主義)。少年の刑事事件はすべて、家庭裁判所に送致される。

 18歳選挙権法の提出準備のため、各党が協議を重ねていた当時(2014年)、最も労力を費やしたのが、この少年法適用対象年齢との関係整理である。選挙犯罪に与した少年の扱いをどうするか、各党の意見集約にかなりの時間を要していた。

 ある選挙のさい、高校3年生のグループ内部で、買収が行われたとする。通常であれば、「買収罪」の責を負うが、少年法の適用を受けるため、原則として刑罰の適用はない。18歳、19歳に選挙権を付与することは、その限りで法的に一人前扱いすることに他ならないが、一方で、少年法の適用対象として保護するというのは、刑事手続上は一人前扱いしていないことに他ならず、法律論、制度論としては一貫していない。少年法の適用を受けることで、18歳、19歳の者による選挙犯罪が助長されることにはならないが、法的にアンバランスな扱いを放置することは妥当ではない。

 本来、18歳選挙権法の整備と同時に、少年法適用対象年齢を18歳とする少年法改正を実現すべきであった。しかし、少年法改正に関する合意形成には相当な時間がかかり、18歳選挙権法案の提出には間に合わないと判断され、断念に至った経緯がある。それでも、18歳、19歳の選挙犯罪をそのまま、少年法の適用下に置くという政策判断も厳しいことから、18歳選挙権法は暫定的な特例措置として、18歳、19歳の者による「連座制の適用となる事件」について、その罪質が選挙の公正の確保に重大な支障を及ぼすと家庭裁判所が認める場合には、検察官送致の決定(逆送)を行い、△修谿奮阿了件で、家庭裁判所が検察官送致を決定する場合には、選挙の公正の確保を考慮して行う旨、規定した。18歳、19歳の者による選挙犯罪に関し、実際の運用が保護主義と刑罰主義のどちらに傾斜するか、今後厳しく評価する必要がある。
 
 法務省は2015年11月、省内に勉強会を立ち上げ、少年法の適用対象年齢を含む若年者に対する刑事法制のあり方全般について検討を始めている。年長少年(18歳、19歳)による一般刑法犯の検挙人員は、2003年を最後のピークとして年々、減少傾向にあるものの、川崎市中1男子生徒殺害事件(2015年2月)など、社会を震撼させる事件が時折発生し、少年法適用対象年齢の引下げを要求する世論が一層強くなっている。処遇の見直しも含めて成案を得つつ、少年法改正をできるだけ早期に実現することが望ましい。

七 児童福祉法改正の動き

 18歳選挙権とは直接の関係性はないが、児童福祉法改正の動きについて最後に採り上げる。政府は第190回国会(常会)に、児童福祉法の改正案を提出する方針を固めている。児童福祉法の適用対象年齢を2016年度以降、現在の「18歳未満」から「20歳未満」へと、措置延長の年限を「20歳未満」から「22歳未満」へとそれぞれ引き上げ、不適切な養育を受けた子どもや家庭基盤がぜい弱な子どもの経済的、職業的な自立を今まで以上に支援することが、改正の柱とされている。適用対象年齢に関しては、実に60年ぶりの改正となる。

 子ども家庭福祉の領域における要保護性の評価とまったく同次元で議論することはできないが、子どもの自立の保証を強化しようとする児童福祉法改正が今後、成年年齢、少年法適用対象年齢の引下げの議論に影響を及ぼすことは必至である。改正が実現した場合、成年年齢、少年法適用対象年齢、児童福祉法適用対象年齢が20歳に揃うが、改正後もそのまま維持されるという可能性も否定できない。

 国民投票権年齢が前述の状況であるところ、当面、年齢に関する法制度全体の中で、18歳選挙権だけが突出し、制度概念として浮いてしまうおそれがある。18歳選挙権法の施行が迫るなか、18歳成人改革のロードマップを、今後どのように描いていくべきであろうか。年齢条項の論理性、法律相互の整合性を維持しつつ、改革が着実に進捗していくことを願うばかりである。(了)

 平成27年9月10日
 自由民主党政務調査会
 成年年齢に関する特命委員会
 
 国民投票の投票権を有する者の年齢及び選挙権を有する者の年齢が満18歳以上とされたことを踏まえ、新たに大人となる年齢層を含めた我が国の国家像等を勘案しつつ、民法、少年法その他の法律の規定における成年年齢の在り方について、下記のとおり提言する。

 記

1.民法(民法の成年概念を用いる法律を含む。)について

 民法の成年年齢については、できる限り速やかに20歳から18歳に引き下げる法制上の措置を講じる。
 ただし、法制審議会の答申(平成21年)にあるとおり、「若年者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策が実現される」ことが必要であるから、現状の消費者教育等の施策を引き続き実施するとともに、国民への周知が徹底されるよう、その施行時期については、必要十分な周知期間が設けられるよう配慮する。

2.満20歳以上(未満)を要件とする法律についての基本的な考え方

 国民投票の投票年齢及び公職選挙法の選挙年齢が一致して18歳以上の国民に参政権としての投票権(選挙権)を付与したことと併せて民法の成年年齢が18歳となることを前提とした場合、我が国においては18歳をもって「大人」として扱うこととなり、大人と子供の範囲を画する年齢は、それまで20歳であったものが18歳となる。
 このことは、18歳以上の国民が、現在及び将来の国つくりの担い手であることを意味し、大人としてその責任を分担し、大人としての権利、自由も付与されることとなる。社会的にも国民意識においても「大人」は18歳からと移り変わる。
 法は、社会規範として、分かりやすく社会活動の指針となることが求められることから、大人と子供の分水嶺を示す各種法令には国法上の統一性が必要である。併せて、我が国の将来を支えるのは18歳からの若者であり、将来の我が国を活力あるものとし、その決意を力強く示すためにも、満20歳以上(未満)を要件とする法律においては、その年齢要件を原則として18歳以上(未満)とすべきである。

3.満20歳以上(未満)を要件とする法律について

(1) 少年法について

 民法を始めとする各種法律において、我が国における「大人」と「子供」の範囲を画する基準となる年齢が満18歳に引き上げられることを踏まえ、国法上の統一性や分かりやすさといった観点から、少年法の適用対象年齢についても、満18歳未満に引き下げるのが適当であると考える。
 他方で、罪を犯した者の社会復帰や再犯防止といった刑事政策的観点からは、満18歳以上満20歳未満の者に対する少年法の保護処分の果たしている機能にはなお大きなものがあることから、この年齢層を含む若年者のうち要保護性が認められる者に対しては保護処分に相当する措置の適用ができるような制度の在り方を検討すべきであると考える。
 そこで、法務省においては、これら本委員会の考えを真摯に受け止め、若年者(その範囲を含む。)に関する刑事政策の在り方について全般的に見直すことも視野に入れて、刑事政策上必要な措置を講ずるための法制的検討を行うこと。

(2) 諸法令について

 (3)又は以下に掲げる法律(条項)を除き、満20歳以上(未満)とされている要件は、満18歳以上(未満)に引き下げる。
 〕椰討砲覆譴詛齢
 ⇔捗討僚蟷、銃を使用する狩猟免許
 K塾話聴による加入強要の禁止対象年齢
 す駝映金の支払義務
 チデ職員及び小型船舶操縦者法(船長及び機関長の年齢)
 児童福祉法に定める児童自立生活援助事業における対象年齢
 特別児童扶養手当等の支給に関する法律の対象年齢
 道路交通法上の中型免許及び大型免許等
 なお、公職選挙法等の一部を改正する法律において、「当分の間」の措置として20歳以上を維持することとされた検察審査員、裁判員、民生委員及び人権擁護委員となる資格年齢については、少年法の適用対象年齢又は民法の成年年齢を踏まえたものとすること。

(3) 税制関連について

 以下に掲げる法律(条項)は、民法上の「成年」を引用したり、民法上の成年年齢を前提とした制度であるが、税制に関する事項であるため、我が党の税制調査会における検討に委ねる必要がある。
 々饑把Ъ法及び国税犯則取締法の捜索立会人
 関税法の臨検の立会人
 税理士法の税理士の欠格事由
 ぜ鮴破,亮鬚寮渋ぬ筏等の付与条件
 チ蠡垣破,20歳未満の者に係る控除制度等
 α点覇段盟蔀嵋,猟招和座阿ら住宅所得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税年齢
 東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の被災者が住宅所得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税年齢
 ┐修梁樟農関連事項

4.社会的に関心の高い事項について

 20歳未満の者の飲酒、喫煙を禁止している未成年者飲酒禁止法及び未成年者喫煙禁止法について、成年年齢の引き下げに伴い禁止年齢を18歳未満とするか否かについては、賛否にわたり様々な意見が認められた。
 生物学的な発達に応じた医学的影響を勘案し、健康被害を防止する必要があること、非行防止の観点からは飲酒、喫煙が非行の引き金となる側面があること等の理由から、成年年齢が引き下げられても現行の禁止年齢を維持するべきとの意見があった。
 他方、現行法においても飲酒、喫煙は未成年者に制約を課し、大人は自制する判断力ある者として自らの責任において摂取等が法律上許容されていること、現在でも一定の免許取得等が法令上許容されていても校則で制限する等の生徒指導による対応を前提として、成年年齢の引き下げに応じて禁止年齢を18歳未満に引き下げるべきとの意見があった。
 本委員会としては、これら意見や諸外国の状況を踏まえ、飲酒、喫煙に関する禁止年齢を18歳未満に引き下げるべきかどうか、引き続き社会的なコンセンサスが得られるよう国民にも広く意見を聞きつつ、医学的見地や社会的影響について慎重な検討を加え、実施時期も含め民法改正時までに結論を得るものとする。併せて、公営競技が禁止される年齢についても同様とする。
 被選挙権を有する者の年齢については、引き続き検討を行うものとする。

5.周知期間等の必要性について

 本委員会における検討に基づき、必要な法制上の措置を講じることとなるが、民法(民法の成年概念を用いる法律を含む。)については、社会的影響の大きさや、教育面の対応、施行までの準備作業に要する期間などを踏まえ、少なくとも3年程度の周知期間とともに、必要な経過措置を設ける。
 また、その他の法律についても、民法に準じた周知期間及び経過措置を設ける。

 以 上
20151025_DSC_0049_033(臨時寝台特急カシオペア|EF510-513)

(マガジン9)立憲政治の道しるべ 2015/09/30更新
第78回「あと20〜30年は、安倍内閣の独断をはね返す“後戻り”期間となる」
http://www.magazine9.jp/article/rikken/23067/
http://blogos.com/outline/136725/



 毎日新聞 2014年7月3日(木) 夕刊3面
 特集ワイド 集団的自衛権行使容認 閣議決定文の「ごまかし」 憲法専門家らがキーワードで読み解く
 http://mainichi.jp/shimen/news/m20140703dde012010003000c.html
 私のコメントが紹介されました。

 憲法を改正するかどうかの投票のルールを決めた国民投票法が、国会で改正されました。投票できるのは、これから4年間は「20歳以上」の人ですが、4年後からは「18歳以上」に引き下げられます。どうしてそうなったのでしょうか。3月まで慶応大学講師をつとめ、『Q&A解説・憲法改正国民投票法』の著者の南部義典(なん・ぶ・よし・のり)さんに聞きました。

 憲法を改正するには、国会が3分の2以上の賛成で提案して、国民投票にかけなければなりません。しかし、国民がどのように投票するかは、憲法では決まっていません。そのため、2007年、国民投票法が国会でつくられました。

 国民投票法では、18歳以上が投票できることになりました。国会議員や知事、市長などの選挙で投票できる選挙権は20歳以上です。大人とみとめられるのも、民法という法律で20歳と決められています。国民投票だけ18歳以上にしたのは、なぜでしょうか。

 南部さんは「憲法を改正するのは、人の一生のうちに何度もあることではありません。そのため、できるだけ若い人たちの意見も聞こうということになったのです。また、世界の多くの国々では、国民投票や選挙、大人の年齢は18歳以上です。国民投票をきっかけに、選挙権と大人の年齢も18歳に引き下げようとしたのです」といいます。

 国民投票法は、3年後の施行(法律を実行すること)までに、選挙権と大人の年齢を18歳以上にそろえるよう国に宿題を出しました。2010年、国民投票法が施行されました。ところが、いまでも選挙権と大人の年齢は20歳以上のままです。どうしたのでしょうか。

 「国会議員や役所が宿題をさぼったのです。そのため、国民投票と選挙、大人の年齢がちがうという予想外のことがおきました。国民投票に参加できるのは、18歳以上なのか20歳以上なのかが、はっきりしなくなったのです。これでは国民投票はできません」

 国民投票ができなければ、憲法改正はできません。そこで憲法改正に熱心な自由民主党(自民党)が中心になって、国民投票の年齢をはっきりさせようとしたのです。

 今回の改正で、これから4年間は20歳以上、そのあとは18歳以上が投票することになりました。18歳以上の投票は、なぜ4年間待つことになったのでしょうか。

 「自民党の中から『18歳で国民投票に参加させるのは早すぎる』という意見が出てきたからです。同じ与党(政府をささえる政党)の公明党は18歳を主張しました。そのため、両方の意見の間を取ったのです」

 宿題だった選挙権と大人の年齢は、18歳に早くそろえることになりました。選挙権については、ほとんどの政党が2年以内に18歳以上にすることを約束しました。大人の年齢を18歳にすることについては、期限がついていません。

 「古い宿題のかわりに新しい宿題が出されたわけです。こんどこそ、国会議員や役所はさぼらないでほしいですね」

 今回の改正で、公務員も憲法改正について意見をいったり、ほかの人に賛成か反対かの投票をするようすすめたりすることができるようになりました。こうしたことを決めたのはなぜですか。

 「公務員はだれに対しても、中立でなければなりません。選挙では、だれかを当選させようと運動をしてはいけません。しかし、憲法を改正するかどうかは大事なことですので、公務員も自分の意見をいったり、運動をしたりできるようにしたのです」

 国民投票のルールがかなりととのいました。これで憲法改正は進むのでしょうか。

 「憲法改正については政党の間で、いろいろな意見があります。国会が憲法改正案をつくり、国民投票にかけるには、時間がかかると思います」

 いまの小学生もいずれ国民投票に参加することになるかもしれません。

 南部さんは「憲法は個人の権利や自由を守るためのものです。憲法を変えることを国会が提案してきたときには、個人の権利や自由をもっと広げることになるのかどうかを考えて、賛成か反対かを決めてほしいですね」といいます。

 朝日小学生新聞(2014/6/17)

 衆議院憲法審査会・参考人質疑における配付資料が、公開されました。
 あわせて、憲法審査会ニュースもご覧下さい。

▼平成26年5月8日(木) 南部義典参考人配付資料
 http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kenpou.nsf/html/kenpou/186.htm

▼衆議院憲法審査会ニュース第31号(憲法調査会からの通算157号)
 http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kenpou.nsf/html/kenpou/news-shinsa031.pdf/$File/news-shinsa031.pdf

 11日午後、国分寺・市民憲法教室にて、講演を行ってきました。
 テーマは、「1年を見通した政治の動きを検証する」。

 日本国憲法の制定意義、目的を確認したあと、
 1.政府における憲法解釈変更(集団的自衛権の行使容認)
 2.特定秘密保護法の施行準備
 3.参議院の選挙制度改革
 4.国民投票法改正と憲法改正論議
 に関する政治の動きについて、お話させていただきました。

20140511P1130417_009 4.については、国民投票法の改正法が施行される2014年6月以降の動きから
 目を離すことができません。
 とくに選挙権年齢等を18歳に引き下げる法整備がどのように進んでいくのか、
 政治任せではなく、社会的な関心がさらに広がり、議論が深まっていくことを願ってやみません。

 国分寺・市民憲法教室は、今期で21年目に入りました。
 今回も多くのご参加のなか、熱心なご質問を頂戴しました。
 千葉、埼玉、神奈川からお越しいただいた方もいらっしゃいます。
 憲法論議を実践していく場面で、私の話が少しでもお役に立てれば光栄です。
 
 市民憲法教室:対話重ねて学ぶ…国分寺で20年(毎日新聞 2014年05月01日 12時56分)
 http://mainichi.jp/select/news/20140501k0000e040245000c.html
 
 2014年度・講座のご案内
 http://kkbnjkenpou.blog.fc2.com/blog-entry-3.html

 衆議院憲法審査会・参考人質疑 発言メモ
 2014年5月8日
 南部 義典

▼1.前回の対政府質疑における政府参考人答弁の問題                 

 前回の対政府質疑(2014/4/24)におきまして、政府参考人の看過できない答弁を承知しております。
 法務省の当日配付資料で、少年法の適用対象年齢を引き下げる必要はないとの見解が示されておりましたが、早速、「この見解はいつまとめられたのか、内閣官房、総務省に然るべき通知をしたのか」との質疑がございました。
 これに対し、法務省の政府参考人は、「昨年9月の段階で、法務省として現時点において、18歳又は19歳の者に対する保護処分の必要性が失われたとまで評価すべき事情はなく、少年法の改正は不要であるとの判断に至ったところでございます。この状況につきましては、内閣官房及び関係省庁にもその当時にお伝えしてございます」と答弁しました。
 私は、この答弁に驚きました。各府省庁別の対象法令検討状況(2014年4月1日現在|『衆憲資89号』45頁)で明らかなように、少年法はB1というカテゴリー、つまり、現在、法制上の措置について検討中であるもの、に該当すると理解していたからです。
 その後の質疑で、私は疑念を深めました。内閣官房の政府参考人は、「議論の焦点は、公職選挙法、民法及び少年法の取り扱いに絞られてきたと認識をしております。しかしながら、これまで内閣官房、総務省及び法務省を中心に検討、調整を進めてまいりましたが、残念ながら、この点につきましては、いまなお政府部内では成案を得るに至っていないところでございます」と答弁しました。
  「結論は出た」という法務省と、「出ていない」という内閣官房の政府参考人答弁が、同日の対政府質疑の中で、180度食い違っております。法務省の政府参考人の答弁が真実であれば、少年法はB1からAのカテゴリー、つまり「法制上の措置の要否、改正方針が確定したもの」として、内閣官房で整理し直し、正確な情報をもとに、本審査会で質疑を行う必要が生じます。
 改正法の施行後、各党PTを中心に年齢条項の見直しの検討が始まりますが、言うまでもなく、政府との十分な連携を要します。政府内の見解不一致が現時点で露呈するようでは、PTの運営、法整備に向けた合意形成に対する不安を禁じえません。
 先生方におかれましては、前記の政府参考人答弁に係る事実の調査、確認を徹底していただきますよう、お願い申し上げます。

▼2.民法成年年齢の引下げに向けた、強力な政治主導を

(2-1.捻じ伏せられる、立法者意思)
 民法成年年齢の引下げに関して、法務省が制定法の立法者意思を別誘導し、あたかも選挙権年齢とは方向性の異なった議論が可能であるかのような論理を後付けに挟み込むなど、政権の枠組みにかかわらず、直接・間接の遅延行為が続けられております。
 思えば7年前の今日(2007/5/08)、与党併合修正案の対案として“参院民主党案”が提出されました。この案は、衆院段階の民主党原案・修正案と同様、制定法附則3条2項にいう経過措置規定を置
かず、公布から全面施行までの3年間で、公選法、民法その他の法令が定める年齢条項の見直しを確実に成し遂げようとする立法者意思が、強く反映していました。法案提出者の千葉(景子)参院議員は趣旨説明(2007/5/09)の中で、「投票権者を18歳とする点についても、与党(併合修正)案では公職選挙法等の改正がなされない限り実施を幾らでも先送りできる、まやかしの規定にすぎません」と述べ、経過措置規定を置く与党併合修正案を当時、厳しく批判したところです。
 両案審査の後、与党併合修正案が可決・成立し、公布されたものの(2007/5/18)、その後両院で“憲法審査会規程”が制定されず、審査会が始動しないことをよそ目に、法制審議会・民法成年年齢部会が活動を始めました(2008/3/11)。法務大臣の諮問文(2008/2/13)にある「成年年齢を引き下げるべきか否か」という文言がすでに、制定法附則3条1項の趣旨を逸脱していたことは、すでに先生方の共通認識が醸成されているものと思います。
 この文言は、諮問の前、すでに問題視されていました。部会の設置を決めた法制審議会第155回会議(2008/2/13)の議事録によりますと、ある委員が「この諮問の文章も可否ということでどっちでもいいみたいなふうに読めるように書かれておりますが、立法府の意思として、国民投票法案に係るいろいろな議論もあったと思うのですけれども、その立法府の意思はどの辺にあるのか、その確認等はきちっとできて、なされた上でどっちでもいいということなのか。(中略)その立法府の意思とそごを来すような受け止め方になっていないのかということを、やはりもう少し吟味をしていただく必要があるのではないか」と発言しています。
 民法成年年齢部会の最終報告を総会が採択し、法務大臣に答申(民法の成年年齢の引下げについての意見|2009/10/28)がなされる手前で、政権が交代しました。先の参院民主党案提出者の千葉参院議員が法務大臣に就任され、国民投票法の全面施行日(2010/5/18)までに、民法改正が何とかギリギリ間に合うのではないかとも思いましたが、その後、政権再交代となり、現内閣に至るまで、膠着状態が打開され、具体的な立法措置が講ぜられようとする気配がありません。
 その根本原因は何か。先生方の鋭い洞察を以て、ご理解いただけることと思います。

(2-2.民法改正=18歳成年年齢法の提案)
 政権の枠組みがいつ、どのように変わろうとも、法制上の措置が遅々として進まないことは、国会の権威を傷付け、立憲政治を動揺させることに他なりません。
 改正法附則3項は、制定法附則3条1項と同様、「民法」が頭出しになっています。法制定時の立法者意思が、7年の歳月を経て8党間で広く再確認され、政治主導の機運が高まっているのではないかと、希望を抱きながら改正案を拝読した次第です。
 そこで、法制審議会答申を逆手にとりつつ、次のような立法提案を申し上げます。
 答申自体、成年年齢の引下げを「是」とする結論であることから、民法等の改正法案を提出し、まず、成立させてしまうのです。
 しかし、施行期日については、若干の工夫が必要です。つまり、改正法の附則1項で、この改正法の施行期日を「別に定める法律」で定める日とすることとし、附則2項で「前項の施行期日を定めるにあたっては、若年者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策の効果等の若年者を中心とする国民への浸透の程度やそれについての国民の意識を踏まえて、行うこととする」と規定するのです。消費者教育推進計画の最終年度(平成29年度)が、改正法施行の一つのタイミングとなるでしょう。
 これは、環境が整備されてからの成年年齢引下げ(リンク論)という法務省の言い分をそのまま条文化するもので、いかなる反対、抵抗をも許しません。もし反対、抵抗するようなら、そもそもの本音は、“成年年齢の引下げそれ自体にある”ことを自白することになります。施行期日につき、再度、国会の議決を経る点も重要です。強い政治主導を、ぜひともお願い申し上げます。
 
▼3.次回国政選挙は、18歳選挙権の保障の下で                                 

(3-1.公選法改正を可及的速やかに)
 国民投票権年齢、選挙権年齢、民法成年年齢、少年法適用対象年齢の四つは、いわば車のタイヤのサイズのように一致して扱われるべきで、これこそ制定法附則3条の原意であると理解しております。同条の源流にある民主党原案の附則3条は、「国は、若い世代に、国政への参加の機会を保障するとともに、社会の一員としての責任感を醸成し、積極的な社会参加を促進するため」、公布後速やかに、年齢条項の検討措置を講ずることを国に命じていました。公選法改正はもちろん、民法改正、少年法改正を意識した書きぶりですが、改めて読み返しても何の遜色もなく、この立法理念は各党PTに継承されていくものと確信しております。
 今や、個別に立法事実の調査研究に深入りする場合ではなく、公選法、民法、少年法について公布から施行までの期間(周知・準備期間)をどう設定するか、という政策判断、政治決断のフェーズにあると思います。スタート(各改正法の公布)は段階的であり、ゴールの時期(各改正法の施行)もそれぞれ異なります。各党PTで、具体的なロードマップの策定に着手されることを要望します。
 まず、参政権グループに属する選挙権年齢の引下げを、可及的速やかに実現する必要があります。
 確認書〈項目1〉では、「改正法施行後2年以内に18歳に引き下げることを目指し」とありますが、国民の誤解を招かないよう、現段階では改正公選法の成立・公布までが目標設定されており、施行までではないことを周知することが必要です。
 改正法附則3項に「国民投票の投票権を有する者の年齢と選挙権を有する者との年齢との均衡等を勘案し」とありますが、「均衡」には消極、積極の両方向があります。決して、現状維持に嵌らず、参政権年齢が食い違うことにならないよう、スピード感を以て対応することが必要です。また、「等」には民法成年年齢とのバランスが含まれることを、確認させていただきます。
 猶予はわずかですが、次回の国政選挙は必ず、18歳選挙権が保障された下で行うことに対して、すべての法案提出者の答弁が担保されることに期待します。

(3-2.少年法の一部適用除外)
 確認書〈項目1〉の後段部分では、改正法施行後4年を待たずに、国民投票権年齢と選挙権年齢が揃って18歳となることが想定されています。少なくともこの時点で、年齢満18年以上満20年未満の者の参政権の享有と刑事制裁を受ける地位とのバランス論が顕在化します。
 改正公選法と改正少年法の施行期日の前後関係がどうなるか、いまは断定できません。仮に、改正少年法の施行期日が後になる場合、国民投票犯罪、選挙犯罪にコミットした18歳、19歳の者を成人の刑事手続で取り扱うには、少年法の該当規定を適用除外する措置(国民投票法、公選法の一部改正)が必要となります。
 メディア情報によると、この案は一時期、与党で検討されたようです。法務省も了解しているのではないでしょうか。先日の質疑で同省の政府参考人は、この案ではなく、「保護処分を受けた少年に対する公民権の停止と連座制の適用」という、公選法上の特則を設ける案に触れました。
 いずれの法整備が適当か、少年法適用対象年齢の引下げを真摯に検討するのであれば、適用除外措置を設ける案の検討を加速するべきと考えます。

▼4.公務員による国民投票運動等に関する「ガイドライン」の整備              

 新設される100条の2は、公務員による“純粋”な賛否の勧誘行為、意見表明に関し、公務員法上の政治的行為の制限規定の適用を除外するスキームです。特例となる一部適用除外の理論構成としては厳格な部類に属します。
 この点、行為主体にとっては、憲法改正案の字面だけを頼りに勧誘行為に徹することは稀であり、どこまでが純粋なのか、同条の基準を以てしても字義どおり画一的に判断することが困難なこともあるでしょう。
 そこで、地位利用型、非利用型を問わず、公務員による国民投票運動等が許容される範囲につき、法規解釈、各種事例への適用関係を分かりやすく整理したガイドラインが不可欠です。昨年、インターネット選挙運動等に関する各党協議会が政府側と協議作成した“Q&A”が、優れた先行事例です。 
 ガイドラインの整備にあたっては、(1)制定法9条が公選法7条を準用し、取締機関に対する公正の確保を求めていること、(2)制定法100条が「適用上の注意」に係る解釈規定として置かれていること、(3)確認書〈項目4〉において、公務員に萎縮的効果を与えないよう政府に配慮を求めるとしていること、の趣旨を踏まえる必要があります。

▼5.公務員による組織的な勧誘運動等の規制の検討                     

 改正法附則4項は、公務員による組織的な勧誘運動等の規制に係る検討条項です。
 この点、制定法附則11条の検討・措置は、あくまで公務員が国民投票に際して行う賛否の勧誘行為や意見表明が“制限されることとならないよう”、というのが出発点です。この意味で、組織的な勧誘運動等の規制は、同条の趣旨と逆向きに、国民投票運動への公務員の関与を強く規制するもので、そもそも、宿題の“範囲外”といえます。
 また、この論点は、公務員法制全般の中で検討される性質のものですが、何を以て組織的な運動と判断するか、その基準が明確でなく、恣意的な運用と萎縮効果をもたらす弊害は小さくないことを念頭に置かなければなりません。
 したがって、この論点は、些か不意打ち的な印象も否めず、法制上、慎重な取扱いを要望します。

▼6.国民投票の対象拡大                                 
 
 改正法附則5項の憲法改正問題国民投票は、制定法附則12条が想定した、憲法96条の周辺部分に位置する予備的国民投票の制度理念を踏襲し、検討が進められることを希望します。
 そして、8年前、民主党原案が初めて立法提起したものですが、確認書〈項目5〉に従い、国政問題国民投票制度のあり方も今後、定期的に議論されることになります。任意、諮問的な性格のものとして投票結果の法的拘束力は否定されるものの、実施手続を定める法律案の審査過程、投票期日までの国会の役割付けに一定の工夫の余地があります。表決結果を、その後の間接民主制のプロセスにどのように反映させ、骨太な民主政治を確立するべきか、制度設計に関する新たな政治的知恵が求められます。

▼7.結びに                                       

 私たちが誇るべきは、憲法の変えやすさでも変えにくさでもなく、
 憲法を変えるかどうかについて、どれだけフェアなルールを持っているかです。
 中山太郎『実録 憲法改正国民投票への道』(中央公論新社、2008年)5頁
                          
 中山太郎先生の、この肯綮に中る言葉を心に刻みつつ、国民投票法制のさらなる展開に向けて、各会派の先生方による真摯な合意形成が続くことを願ってやみません。フェアなルールづくりに、ゴールはありません。
 以上、私の基調発言とさせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。(了)

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