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タグ:憲法改正

2019(平成31)年3月20日

国民投票運動CMなどの取り扱いに関する考査ガイドラインの公表について

日本民間放送連盟


(放送事業者の責務)
 日本国憲法の改正手続に関する法律(国民投票法)は、国民投票運動を「憲法改正案に対し賛成又は反対の投票をし又はしないよう勧誘する行為」と定義し、国民一人ひとりが萎縮することなく国民投票運動を行い、自由闊達に意見を闘わせることが必要であるとの考えから、国民投票運動は原則自由とされている。
 ただし、放送においては、▽国民投票に関する放送については、放送法第4条第1項の規定の趣旨に留意するものとする(第104条)、▽何人も、国民投票期日前14日から投票日までの間においては、国民投票運動のための広告放送をし、又はさせることができない(第105条)――と規定されている。これは、言論に対しては言論で対処することを前提としつつも、放送メディアの影響力の大きさを踏まえたものと言える。
 憲法改正という国の骨格を定める重要な問題について、報道・広告を含めた放送全ての側面で、正確かつ多角的な情報を積極的に提供することは、放送事業者の当然の責務である。さらに、国民投票運動期間中に取り扱うCMについても、国民投票運動の自由を原則としつつ、放送メディアの影響力を自覚し、視聴者の利益に適うという放送基準の目的を達成するものでなければならないことは言うまでもない。

(ガイドラインの位置付け)
 民放各社で国民投票運動CMを取り扱うにあたっては、他のCMと同様、自社の番組基準(民放連 放送基準)に基づき、適切な考査を行うことは当然であるが、国民投票運動というこれまで経験したことのない事象に取り組むことになる。このため、「憲法改正国民投票運動の放送対応に関する基本姿勢」で示された考え方を、民放各社が具体的な考査判断に適用できるよう、特に留意すべき事項を現時点でまとめたものが、このガイドラインである。番組基準(民放連 放送基準)の運用は、民放各社が自主・自律的に運用することとしており、この考査ガイドラインも民放各社が自ら判断するための参考資料と位置付けるものである。なお、本ガイドラインは必要に応じて見直すことがある。

(原則)
 「憲法改正国民投票運動の放送対応に関する基本姿勢」は、国民投票運動CMはその内容から、より慎重な対応が求められるものであり、放送基準第89条「広告は、真実を伝え、視聴者に利益をもたらすものでなければならない」を前提に、▽広告は、たとえ事実であっても、他をひぼうし、または排斥、中傷してはならない(第101条)、▽番組およびスポットの提供については、公正な自由競争に反する独占的利用を認めない(第97条)――などについて、特に留意することを求めている。
 さらに、投票を直接勧誘しないものの、国民投票運動を惹起させるCMや憲法改正に関する意見を表明するCMなどについても、主権者一人ひとりが冷静な判断を行うための環境整備に配慮することを目的に、国民投票運動CMと同様、投票期日前14日から投票日までの間は取り扱わないことを推奨している。
 この「基本姿勢」を前提としつつ、これまで各社が培ってきた「意見広告」に関する考査上の留意点などを踏まえ、国民投票運動CMなどの考査に当たる必要がある。

(考査ガイドラインの適用範囲)
(1)この考査ガイドラインは、「国民投票運動CM」と「憲法改正に関する意見を表明するCMなど」に適用する。
(2)「国民投票運動CM」とは、憲法改正案に対し賛成・反対の投票をするよう(または投票しないよう)勧誘する内容のCMを指す。
(3)「憲法改正に関する意見を表明するCMなど」とは、憲法改正案に対する賛成・反対の意見の表明にとどまり、投票の勧誘を行わない内容のCMや、憲法改正には直接言及しないものの、CM全体からみて憲法改正について意見を表明していると放送事業者が判断するCMを指す。また、意見広告や政党スポットにおいても、CM全体からみて憲法改正について意見を表明していると放送事業者が判断するCMは「憲法改正に関する意見を表明するCMなど」に含むものとする。
(4)このガイドラインで「CM」と記載している場合、「国民投票運動CM」と「憲法改正に関する意見を表明するCMなど」を指すものとする。

(広告主)
(5)広告の出稿を受け付ける法人・団体については、これまでの活動実績や放送基準各条などを踏まえ、広告主としての適否を放送事業者が総合的に判断する。
(6)個人が出稿するCMは、個人的売名につながりやすく、また、放送にはなじまないことから取り扱わない。
(7)放送事業者は、広告主の意見・主張の内容やそれぞれの立場などにかかわらず、CM出稿の要望には真摯に応対しなければならない。
(8)放送事業者は、「国民投票運動CM」および「憲法改正に関する意見を表明するCMなど」を受け付ける用意があることを、CM出稿を希望する広告主に対して明示するよう努める。

(出演者)
(9)政党その他の政治活動を行う団体がCMを出稿する場合、選挙(事前)運動であるとの疑いを排するため、政党スポットと同様、所属議員の出演は原則、党首または団体の代表のみとする。
(10)児童・青少年が出演する場合、その年齢にふさわしくない行動や意見表明を行わせるCMは取り扱わない。

(CM内容)
(11)CM内容は、たとえ事実であっても他をひぼうし、または排斥・中傷するものであってはならない(放送基準第101条)。さらに、他への名誉毀損やプライバシーを侵すものであってはならない。
(12)視聴者の心情に過度に訴えかけることにより、冷静な判断を損なわせたり、事実と異なる印象を与えると放送事業者が判断するCMは取り扱わない。
(13)複数の意見や主張が混在して、視聴者にわかりにくい内容となっているCMは取り扱わない。
(14)企業広告や商品広告に付加して主張・意見を盛り込むCM(「ぶら下がり」など)は取り扱わない。
(15)CMには広告主名と連絡先(CMに対する意見の受け付け窓口)を視聴者が確認できる形で明示したものでなければ、取り扱わない。
(16)「国民投票運動CM」の場合はその旨をCM内に明示したものでなければ、取り扱わない。また、「憲法改正に関する意見を表明するCMなど」は「意見広告」である旨をCM内に明示したものでなければ、取り扱わない。

(その他)
(17)放送事業者の意見と混同されないようにするため、CMの放送時間帯はニュースの中・直前・直後を避ける。また、特定の広告主のCMが一部の時間帯に集中して放送されることがないよう、特に留意する必要がある。
(18)出版物やイベントの告知であっても、その内容などから国民投票に影響を与えると放送事業者が判断するCMについては、「国民投票運動CM」「憲法改正に関する意見を表明するCMなど」に準じて取り扱う。
(19)上記の留意点を踏まえ適切な対応を行うために、十分な時間を取り、絵コンテ段階から考査を行う。
以 上


 https://www.j-ba.or.jp/category/topics/jba102826

 マガジン9連載 南部さんの国民投票法講座
 第10回「最低投票率ではなく、”絶対得票率”を考えよう」


 今回は少し、頭の体操のようなテーマです。

 日本で憲法改正の是非を問う国民投票が行われるとします。憲法改正が成立するための要件は、「賛成投票の数が、投票総数の過半数に達したこと」です(過半数ルール)。要するに、投票を終えて、投票箱を開いてみたときに、賛成投票の数が反対投票の数より1票でも多ければいいわけです(例を分かりやすくするために、無効投票はないものと仮定します)。

 この過半数ルールを念頭に、国民投票の結果を示す次の円グラフ(A)(B)をご覧ください。あくまで仮定です。

(続きはこちら)https://maga9.jp/190306-3/


 
nanbu180124-640x336

 2月9日(土)13時〜
 TBSラジオ「久米宏 ラジオなんですけど」に、生出演します。
 https://www.tbsradio.jp/kume954/

 私の登場は、14時からの「今週のスポットライト」のコーナー。
 辺野古移設の賛否を問う沖縄県民投票、憲法改正国民投票について語ります。

 ぜひご清聴ください。

 

2019.1.12発売
C&R研究所
B6版 240頁
1,800円+税
ISBN 978-4863542648

はじめに
序章 いま、なぜ18歳成年法なのか
第1章 18歳成年法の基礎知識
第2章 成年年齢の引き下げ
第3章 婚姻適齢の統一
第4章 民法にあわせて改正された法律
第5章 消費者契約法の改正
第6章 今後の課題
資料編
【1】民法の一部を改正する法律案要綱
【2】消費者契約法の一部を改正する法律要綱
【3】成年年齢に関する提言
【4】成年年齢引き下げに関する提言

http://www.c-r.com/book/detail/1294

『18歳成人』表紙jpeg

表紙jpeg

 『図解 超早わかり 18歳成人と法律』

 はじめに 『18歳成年社会』を迎えるにあたって
 序 章 いま、なぜ18歳成年法なのか
 第1章 18歳成年法の基礎知識
 第2章 成年年齢の引き下げ
 第3章 婚姻適齢の統一
 第4章 民法にあわせて改正された法律
 第5章 消費者契約法の改正
 第6章 今後の課題

 南部義典(著)
 C&R研究所
 B6判
 216頁
 2019.1.12 発売
 1,820円+税
 https://www.amazon.co.jp/dp/486354264X

 ジャパンタイムズ(The Japantimes)に、私のコメントが掲載されました。

 Constitutional referendum would unleash TV blitz never before seen in Japan
 NOV.27, 2018

 https://www.japantimes.co.jp/news/2018/11/27/national/politics-diplomacy/constitutional-referendum-unleash-tv-blitz-never-seen-japan/#.W_96l4v7TIU

日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案要綱


一 公正な国民投票運動等の実施のための措置

1 政党等による国民投票運動等のための広告放送の制限

 政党等は、第106条第2項の届出をした日の翌日から国民投票の期日までの間においては、同条の規定による場合を除くほか、放送事業者の放送設備を使用して、国民投票運動等(国民投票運動又は憲法改正案に対する賛成若しくは反対の意見の表明をいう。以下同じ。)のための広告放送をすることができないこと。(第106条の2関係)

2 国民投票運動等に関する収支の透明化及び支出金額の制限

(1)国民投票運動等に関する収支の透明化

 ‘団蟾駝嬰衂識親庵賃里瞭禄亠擇喙支報告

 国民投票運動等に関する支出の金額が1,000万円を超える団体(以下「特定国民投票運動団体」という。)について、国民投票広報協議会への届出及び収支報告書の提出を義務付けるとともに、これらをインターネットの利用その他の適切な方法により公表する措置を講ずること。(第107条の2〜第107条の12等関係)

◆ヾ麌蹐坊犬詆充又は通知

 特定国民投票運動団体は、国民投票の期日までに寄附を受けようとするときは、当該寄附に係る金銭、物品等が国民投票運動等のために使用される可能性がある旨をインターネットの利用その他の適切な方法により表示し、又は当該寄附をしようとする者に対し通知しなければならないこと。(第107条の15関係)

(2)国民投票運動等に関する支出金額の制限

 国民投票運動等に関する支出の金額は、一の特定国民投票運動団体について、5億円を超えることができないこと。(第107条の14関係)

3 インターネット等を利用した国民投票運動等の適正化

(1)インターネット等を利用する方法により文書図画を頒布する者の表示義務

 ‘団蟾駝嬰衂識親庵賃里蓮▲ぅ鵐拭璽優奪氾を利用する方法により国民投票運動等のために使用する文書図画を頒布するときは、当該文書図画に係る電気通信の受信をする者が使用する通信端末機器の映像面に当該特定国民投票運動団体の名称及び主たる事務所の所在地、電子メールアドレス等その他国民投票広報協議会が定める事項が正しく表示されるようにしなければならないこと。(第103条の2第1項関係)

◆‘団蟾駝嬰衂識親庵賃琉奮阿亮圓蓮▲ぅ鵐拭璽優奪氾を利用する方法により国民投票運動等のために使用する文書図画を頒布するときは、その者の電子メールアドレス等が、当該文書図画に係る電気通信の受信をする者が使用する通信端末機器の映像面に正しく表示されるようにしなければならないこと。(第103条の2第2項関係)

(2)国民投票運動等に関するインターネット等の適正な利用

 々駝嬰衂識親暗に関しインターネット等を利用する者は、虚偽の事実を記載する等表現の自由を濫用して国民投票の公正を害することがないよう、インターネット等の適正な利用に努めなければならないこと。(第103条の3関係)

◆々駝嬰衂執報協議会は、国民投票運動等に関するインターネット等の適正な利用のための指針を作成するものとすること。(第14条第1項第7号関係)

4 国民投票の当日における国民投票運動の禁止

 何人も、国民投票の当日、国民投票運動をすることができないこと。(第100条の2関係)

二 憲法改正案の広報の充実強化及び投票環境の整備等

1 憲法改正案の広報に係る財政上の措置等

 憲法改正案の広報については、これが憲法改正案に関する国民の理解と関心を深めるとともに、正確な情報に基づく多様な意見を踏まえた国民の議論及び投票人の賛成又は反対の判断の基礎となるものであることに鑑み、国民が国民投票公報の配布、国民投票広報協議会による放送及び新聞広告、説明会の開催並びにウェブサイトの開設等の多様な手段を通じた憲法改正案に関する広報に接する機会を十分得られることとなるよう、必要な財政上の措置その他の措置が講ぜられなければならないこと。(第14条第4項関係)

2 投票環境の整備並びに投票の意義及び重要性の周知

 総務大臣、中央選挙管理会、都道府県の選挙管理委員会及び市町村の選挙管理委員会は、国民投票が憲法改正案について広く国民の意思を問うものであることに鑑み、投票人の投票しやすい環境の整備に努めるとともに、国民投票に際し、投票人の投票の意義及び重要性を投票人に周知させなければならないこと。(第19条第1項関係)

3 多様な意見に接する機会についての配慮

 国民投票の実施に当たっては、あまねく全国において、かつ、それぞれの地域における様々な場において、憲法改正案に対する賛成意見及び反対意見が公正かつ平等に紹介されること等を通じて、国民が憲法改正案に関する多様な意見に接する機会を得られることとなるよう配慮されるものとすること。(第9条の2関係)

三 選挙運動期間と国民投票運動の一定の期間が重なることを回避するための措置

1 衆議院議員の任期満了による総選挙又は参議院議員の通常選挙との重複の回避

 国会が憲法改正を発議した日から起算して180日以内の期間が、衆議院議員の任期満了の日前42日から当該任期満了の日後44日に当たる日までの間(以下1において「衆議院議員任期満了総選挙関連期間」という。)又は参議院議員の任期満了の日前47日に当たる日から当該任期満了の日後44日に当たる日までの間(以下1において「参議院議員通常選挙関連期間」という。)にかかる場合においては、第2条第1項の規定にかかわらず、国民投票は、国会が憲法改正を発議した日から起算して60日以後240日以内の期間(衆議院議員任期満了総選挙関連期間及び参議院議員通常選挙関連期間を除く。)において、国会の議決した期日に行うこと。(第2条第2項関係)

2 衆議院の解散による衆議院議員の総選挙との重複の回避

(1)国民投票の期日の延期

 国会が憲法改正を発議した日から国民投票の期日前15日に当たる日までの間に衆議院が解散されたときは、国民投票の期日は、第2条第4項の規定により告示された期日後42日に当たる日に延期するものとすること。この場合においては、中央選挙管理会は、直ちにその旨を告示しなければならないこと。

(2)衆議院の解散による衆議院議員の総選挙を行うべき期間の特例

 国民投票の期日前14日に当たる日から国民投票の期日までの間に衆議院が解散されたときは、公職選挙法第31条第3項の規定にかかわらず、衆議院の解散による衆議院議員の総選挙は、解散の日から34日後40日以内に行うこと。(公職選挙法第31条第4項関係)

四 罰則

 所要の罰則を設けること。(第122条から第122条の7まで及び第125条の2関係)

五 施行期日等

1 施行期日

 この法律は、公布の日から起算して1月を経過した日から施行すること。(附則第1条関係)

2 適用区分

 改正後の規定は、この法律の施行の日以後にその期日を告示される国民投票について適用し、この法律の施行の日前にその期日を告示された国民投票については、なお従前の例によること。(附則第2条関係)

3 その他

 その他所要の規定を整備すること。 

 マガジン9連載「立憲政治の道しるべ」
 第136回「2019年秋の安倍降ろし」

 思うに、安倍3選を支えた自民党の有力派閥は、細田派でも二階派でもありません。当選5回以上(衆議院の場合)で大臣経験が無い、いわゆる“入閣待機組”と呼ばれる議員層です。報道によると、自民党内に80名超いるということで、衆参所属議員の2割に達します。私の見る限り、その多くは安倍3選を積極的に支持するわけではないものの、入閣を果たすためには他に選択肢がない(石破氏支持というリスクは冒せない)という消去法的な選択で、総裁選に臨んでいたようです。しかし、昨日(2日)の内閣改造で初入閣を果たしたのは、いつもより多かったとはいえ12名にとどまり、残り全員はまたもや、望みを断たれたことになります。ご愁傷様としか、言葉が見つかりません。
(続きはこちら)
 https://maga9.jp/181003-3/
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 法学セミナー編集部編『9条改正論でいま考えておくべきこと(別冊法学セミナー 新・総合特集シリーズ11)』が2018年9月18日、日本評論社より発売されます。
 ・A5判
 ・146頁
 ・1,512円(税込)
 ・ISBN 978−4−535−40351−2
 
 私は、「国民投票法制からみた9条改正論の「非現実性」」を担当執筆しました。国民投票法の改正問題、運用上の検討課題の「総棚卸し」という内容でしたためています。

 ぜひ、ご高覧ください。
 https://amzn.to/2CL78wI

表紙jpeg

大阪弁護士会 憲法市民講座
「超早わかり国民投票法 ―現行法のまま、憲法改正手続を進めることの是非―」

・日時 2018.9.1(土) 14:30 〜 16:30
・場所 大阪弁護士会館10階 1001・02会議室(大阪市北区西天満1-12-5)
・参加費 無料

 申し込みは、こちらまで。
 http://www.osakaben.or.jp/event/2018/2018_0901.php
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 大阪弁護士会 憲法市民講座
 「超早わかり国民投票法 ―現行法のまま、憲法改正手続を進めることの是非―」

・日時 2018.9.1(土) 14:30 〜 16:30
・場所 大阪弁護士会館10階 1001・02会議室(大阪市北区西天満1-12-5)
・参加費 無料

 申し込みは、こちらまで。
 http://www.osakaben.or.jp/event/2018/2018_0901.php

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 『法学セミナー』2018年6月号(日本評論社)に、寄稿しました。

南部義典「国民投票法制からみた、9条改正論の「非現実性」」
〇はじめに
〇自民党内の合意形成に係る問題点
 1.条文案形式で提示した点
 2.対立意見を排して「方針」を打ち立てた点
〇国民投票法制からみた9条の2の問題点
 1.内容関連事項ごとの区分
 2.憲法附属法の概要の明確化
 3.国民投票不承認の場合の対応
〇国民投票法制が抱えている運用上、立法上の課題
 1.国民投票広報協議会が行う広報事務の検討
 2.協議会における少数会派の尊重等
 3.公務員の国民投票運動に関するガイドラインの作成
 4.18歳国民投票権の実現と少年法との関係整理
 5.投票環境の向上等に関する法整備
 6.国民投票運動費用規制の検討
 7.国民投票運動CM規制の再定位
 8.絶対得票率規定の採用
〇おわりに
 https://amzn.to/2wEVeSg
20180510_111712

国民投票法の成り立ち、その課題と展望
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/35088/report


【配付資料】
(表紙)国民投票法の成り立ち、その課題と展望
(資料1)憲法改正国民投票までの流れ
(資料2)国民投票法改正論の経緯
(資料3)国民投票法制が残す「8つの課題」
(資料4)「憲法改正国民投票、誰もが納得するルールは 「絶対得票率」が疑問を払拭」(2018.2.28 毎日新聞夕刊)

20180508_130748

表紙
 『広告が憲法を殺す日 ――国民投票とプロパガンダCM』
 本間龍・南部義典
 2018.4.22 初版第1刷
 本体720円+税
 集英社新書
 https://amzn.to/2GxmeUl

 マガジン9連載 南部さんの国民投票法講座
 第4回 「国民投票広報協議会の役割とは?」
 http://maga9.jp/180418-3/

表紙
 『広告が憲法を殺す日 ――国民投票とプロパガンダCM』
 本間龍・南部義典
 2018.4.22 初版第1刷
 本体720円+税
 集英社新書
 https://amzn.to/2GxmeUl

 2018.2.28 毎日新聞夕刊
 特集ワイド「憲法改正国民投票、誰もが納得するルールは 「絶対得票率」が疑問を払拭」

 私のコメントが掲載されました。
 http://mainichi.jp/articles/20180228/dde/012/010/002000c

 ”最低投票率” 論争に、ようやく終止符が打てます。20180228_151530

 安倍首相も真っ青? 憲法改正「年内発議」が絶対ムリな理由

(niftyニュース)
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12176-99989/
(exciteニュース)https://www.excite.co.jp/News/politics_g/20180220/Shueishapn_20180220_99989.html

0001
 国民投票法が制定された2007年前後、いわゆる「最低投票率」を憲法改正の成立要件とすべきか、論争になったことがあります。忘れない程度に、この議論の問題点を指摘しておきます。

 有権者100名の国で、憲法改正国民投票が行われるとします。
 そして、投票総数の過半数の賛成があった場合、憲法改正が成立するものとします。

 国民投票の結果、賛成20票、反対19票、であったとします(以下のケースでも無効投票はないものと想定)。
 投票総数は39票、賛成票が過半数を占めるので(相対得票率は、20÷(20+19)×100=51.28...%)、憲法改正が成立します。早い話、賛成票が反対票より1票でも多ければ、成立します。

 ここで、100名の有権者のうち20名、つまり5分の1しか賛成の投票を行っていない中で、憲法改正が成立するのは不当ではないかとの疑義を挟む余地が生まれます。そこで、最低投票率を40%などと設定し、低い投票率の場合には、憲法改正を「不成立」とすべきという主張がなされるのです。

 しかし、賛成20票で憲法改正を成立させるべきではないという主張の背景にあるのは、賛成票の得票率(全有権者数を分母とする絶対得票率)の問題です。

 問題は「賛成票の得票率の低さ」なのであって、39%という投票率(賛成票の得票率と反対票の得票率の合計)は関係ありません。

 同じく投票率39%で賛成が過半数を占めるケースとして、「賛成20票、反対19票」から「賛成39票、反対0票」まで、様々考えられます。「賛成39票、反対0票」のケースでは、相対得票率100%、絶対得票率39%となっているわけですから、このとき、憲法改正を不成立にすべきというのは、ハードルを上げ過ぎであると言わざるを得ません。

 また、最低投票率要件を置くと、矛盾が生じます。

 仮に、最低投票率要件を40%とします。投票率がギリギリの39%であって、たとえ賛成の投票が過半数を占めていても、憲法改正は不成立となります。

 この点、投票率が41%の場合(最低投票率をクリアします)、賛成21票、反対20票というケースと、投票率39%(最低投票率をクリアしません)で賛成39票、反対0票というケースを比較してみます。前者における賛成の投票は相対得票率51.2%、絶対得票率21%、後者のそれは相対得票率100%、絶対得票率39%と、後者の方が明らかに優勢であるにもかかわらず、最低投票率を40%と定めるが故、憲法改正を「不成立」としてしまうのです。

 また、後者の例(賛成39票、反対0票)では、かろうじて憲法改正が「不成立」となりますが、賛成39票、反対1票だと、最低投票率要件をクリアし、憲法改正が成立してしまいます。反対1票の投票人は、「なぜ、投票所に足を運んだのか?」「国民投票なんか、行かなければよかったのに。」と、投票に行かなかった反対派から非難を浴びるような、皮肉な結果になってしまいます。かくして、最低投票率要件は、投票棄権(ボイコット)運動に、一定の意味を与えてしまいます。

 結論を言えば、低「得票率」の問題を、最低「投票率」要件の設定を以て克服することはできない、のです。

 あえて低得票率の問題を正面から解決しようとすれば、「過半数」という相対得票率要件しか定めていない憲法第96条第1項を改正し、絶対得票率要件を追加するといった方法が考えられるところです。例えば、「投票総数の過半数(相対得票率)及び有権者総数の100の40を超える数(絶対得票率)の賛成を必要とする。」と規定するのです。

 憲法第96条第1項が「相対得票率+絶対得票率」要件になれば、憲法改正の賛成派は、単に過半数を目指すだけでなく、有権者の4割超の投票を得ようとして勧誘運動が盛んになる一方、反対派は否決に追い込むべく、1票でも多く反対の投票を得ようとして勧誘運動が精力的に展開され、総体として投票率が上がるという効果が期待できます。

 憲法改正の成立要件をおおまかに整理すると、
 \簑估隻捨┻定の追加 > ∈把稘衂捨┻定の追加 > 8醜塰 柄蠡估隻捨┻定のみ) となります。

 ,蓮∩蠡估隻捨┻定+絶対得票率規定、
 △蓮∩蠡估隻捨┻定+最低投票率規定、
 は、相対得票率規定のみ、です。

 以上の論証は、憲法改正国民投票に限った話ではありません。ゆるキャラグランプリでも、B級グルメ大賞でも、およそ、大勢で多肢一択式の投票を行う場合に生じうる問題です。

 私が、最低投票率要件よりも成立要件が厳格な絶対得票率要件を持ち出すのは、何も、憲法改正を成立させたくない意図を持っているからではありません。

 むしろ、意地が悪いのは、絶対得票率ではなく、最低投票率という用語に拘る、無知な言説です。絶対得票率要件ではなく、最低投票率要件の方が妥当という「論理」は、数学的にはまったく成り立たないことを、有権者レベルで常識にする必要があります。

 かつては、低得票率下の憲法改正成立に対する疑念を解消する法制上の手段として、∈把稘衂捨┻定の追加が、唯一の解決であると、誤解されていました。繰り返しますが、本件は、簡単な数学(算数レベル)が理解できるかどうかの問題です。

 憲法改正をなるべく成立させないようにしようという邪な考えを捨てつつ、私は、\簑估隻捨┻定の追加、を支持します。∈把稘衂捨┻定の追加、を支持しません。

 あえて△鮖抻するというのであれば、その旨の論理的な説明が必要です(・・・私は、論理的な説明、反論を一度も聞いたことがありません)。

【憲法】
(憲法改正の発議、国民投票及び公布)
第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
2 (略)

【国民投票法】
第3章 国民投票の効果
第126条 国民投票において、憲法改正案に対する賛成の投票の数が第98条第2項に規定する投票総数の2分の1を超えた場合は、当該憲法改正について日本国憲法第96条第1項の国民の承認があったものとする。
2 (略)

 立憲民主党代表 枝野 幸男 殿
 希望の党代表 玉木 雄一郎 殿

 今日、立憲主義を踏みにじり、国民から負託された国会議論をも軽視する安倍政権に徹底的に対峙し、強引な国会運営とは全面的に対決することが不可欠と考えます。そのためには、可能な限り、民進党、立憲民主党、希望の党の三党間での統一会派結成をめざし、連携していくことが必要です。以下の基本方針を共有し、国会論戦、国会対応に共同して取り組む会派を衆参両院で結成することを呼びかけます。

○「生活者」「納税者」「消費者」「働く者」の立場に立ち、多様性を認め合う共生社会をめざす。
○積極的に政策議論を進め、安倍政権では置き去りにされてきた地方分権や国民生活に光をあてる議員立法の成立をめざす。
○現憲法の平和理念を尊重し、一昨年の安保法制の違憲部分を削り、「専守防衛に徹し、近くは現実的に、遠くは抑制的に、人道支援は積極的に」との原則に基づき、国の安全を確たるものにする議論を進める。
○政治の信頼を取り戻し、行政監視によって税金の無駄遣いをなくすため、森友・加計学園問題をはじめとした疑惑の徹底追及を行う。
○長時間労働の規制やパワーハラスメントの防止を進める一方で、残業代ゼロ・長時間労働を助長する政府の働き方改革関連法案については、働く者の観点から十分な審議を尽くす。

 2017年12月26日
 民進党代表 大塚 耕平

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