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 マガジン9連載 立憲政治の道しるべ
 第153回「特措法改正の後にすべきこと」
 https://maga9.jp/200318-2/

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 “国民投票法改正” 国会は議論不足を恥じよ!

 自民、公明、維新、希望の4党が2018年6月に提出した国民投票法改正案が成立するかどうか、通常国会の焦点の一つと言われています。この自公維希案は、2016年公職選挙法改正の内容(期日前投票の事由の追加、共通投票所の設置、洋上投票の対象拡大など)を、国民投票法にも盛り込むことが目的です。いずれも、すでに選挙において有権者がその便利さを享受している項目であり、国民投票でも認めることに異論を挟む余地はありません。

 しかし、自公維希案は内容的に不十分で、役に立ちません。

 第一に、法案提出が2018年6月であるために、2019年公職選挙法改正の内容を反映していません。この2019年改正は、^天候時の離島における開票手続の整備、投票管理者・立会人の選任要件の緩和――といった選挙実務に関する内容ですが、国民投票制度でも不足なく補う必要があります。´△未整備では、国民投票を正常に執行できません。自公維希案はすでに陳腐化しており、このまま成立させても無意味なのです。いったん撤回し、´△魎泙瓩親睛討悩督鷭个垢襪、´△鮗存修垢襪燭瓩旅駝嬰衂舎_正を別に行う必要があります。

 第二に、任意の課題ですが、国民投票運動期間中のCM規制、運動費用の規制と収支の公開に関する定めがありません。2018年以降、テレビ、ラジオのCMについては、民放連が「考査ガイドライン」を策定して一応の決着をみましたが、ネット上のCMについてはGoogle、Twitter、Facebook、Youtubeなど事業者の取り組みに委ねられており、本番国民投票の状況(混乱)は蓋を開けてみないと分かりません。並行して、フェイクニュース対策も課題となります。

 さらに、賛否の勧誘運動のために用いられる資金の多寡が投票結果に影響するとの懸念もあり、その「上限額」の設定を求める意見も根強くあります。また、国民投票には収支報告の制度がないので、出処不明の多額の資金が特定の国民投票運動に費やされ、公正さが害される状況が生じても、事後的に検証する術がありません。選挙並みの収支報告制度を導入すべきかどうか、大局的な検討が不可欠です。

 安倍総理は、自公維希案を早期に成立させて、自衛隊の明記など憲法改正の中身の議論へと進みたい願望を抱いています。しかし、国民投票制度の全体を俯瞰すれば、法律上、運用上の不備が山積し、およそ中身の議論に進める状況ではありません。そもそも国会は、国民投票法の改正問題を軽く考えすぎています。何より、この数年間の議論不足を恥じるべきです。

 https://www.seikatsusha.me/wp-content/uploads/2020/03/%E7%94%9F%E6%B4%BB%E8%80%85%E9%80%9A%E4%BF%A1342%E5%8F%B7s.pdf
 東京・生活者ネットワーク「生活者通信」342号(2020年3月1日発行)より
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