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タグ:民法

 民法の成年年齢の引下げの施行方法に関する意見募集

 案の公示日 2016/9/1
 意見・情報受付締切日 2016/9/30
 http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080150&Mode=0

 いよいよ、パブコメが始まりました。

 内閣は、平成29年の常会に、成年年齢等の引下げを内容とする、民法等の一部を改正する法律案を提出する方針を固めています。

 この議論そのものは、国民投票法の制定過程から生まれたものであり、すでに10年余が経過しています。肝心要の国民投票権年齢がすったもんだしたため、成年年齢等の引下げの法整備は、当初の想定から遅れてしまいました。

 しかし、ここにきてようやく、”18歳”を基準に年齢法制の”全体”が整序されつつあります。次のハードルは、少年法適用対象年齢の引下げです。なお、相当の期間を要するかもしれません。

 今後、法的意味の「成年」と、社会的意味の「成人」とのかい離を埋める取り組みが求められます。

(マガジン9)立憲政治の道しるべ 2015.12.17
 第84回「国会は、“女性の再婚禁止規定”そのものの意義を検証すべき」
 http://www.magazine9.jp/article/rikken/24632/
 http://blogos.com/article/150392/

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2004.12.30 名鉄日野橋駅


1 序説 ―18歳年齢法制改革の現在位置―

 衆参両院で全会一致を以て可決、成立した「公職選挙法等の一部を改正する法律」(平成27年6月19日法律第43号。以下「18歳選挙権法」と記す。)は、平成28年6月19日に施行される。途中、衆議院の解散が無ければ、次回(第24回)参議院議員通常選挙の公示日以後にその期日を公示又は告示される選挙、地方自治特別法等の住民投票より、18歳選挙権に関する規定が適用される。

 同じ参政権に属する、憲法改正国民投票の投票権年齢は、平成26年6月の国民投票法改正により、平成30年6月20日まで満20歳以上とされ、翌21日、満18歳以上に引き下げられる。即ち、改正後の規定のままでは、前述の公示日から平成30年6月20日までの間、国民投票権年齢と選挙権年齢に、2歳の較差が生ずることになる。両年齢に較差が生じないよう、18歳選挙権に合わせて、18歳国民投票権を前倒しして実現することとする与野党合意(平成26年4月)が存在するが、当立法措置が見通せない状況が続いている。参政権年齢の引下げに係る改革は、後述の被選挙権年齢の件を含め、若干の課題を残している。

 他方、18歳選挙権法附則11条は、成年年齢(民法4条)及び少年法適用対象年齢(少年法2条1項)の18歳への引下げ、その他の法律の年齢条項の見直しに係る国の立法責任を、改めて規定した。この規定は例外的に、同法の公布日(平成27年6月19日)からすでに施行されている。平成19年5月の国民投票法制定が端緒となった18歳年齢法制改革は、比喩的に言えば、従前の比較的平坦な道程から、「峠に向かう上り坂」に差し掛かったと言えよう。

 成年年齢、少年法適用対象年齢の引下げの立法措置が完了すれば、制度論としては峠を越えるが、現下の政治状況に鑑みれば、なお予断を許さない。18歳年齢法制改革の対象として、今後、国会及び政府において検討が進められ、改正される法律は、民法、少年法を含めて170本程度に及ぶと見込まれるが(本稿執筆時点)、依然として立法措置の道筋が立たないばかりか、改革の全体像及び立法工程が国民に対して明確に示されていない。とりわけ、成年年齢、少年法適用対象年齢の引下げに対しては、国会及び政府内部でいまだに消極的な意見が燻っている状況にある。検討動向を引き続き注視しつつ、国民的議論をさらに喚起していかなければならない。

2 18歳選挙権の法律論

(1) 立法政策に拠る選挙権年齢

 憲法は、選挙権者の資格に関し、「公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。」(15条3項)、「両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。」(44条本文)と規定する。憲法は、選挙権年齢に関する直接の規定を置かず、法律に委ねている。
 
 それでは、法律を以て、選挙権年齢を何歳以上と規定すべきか。憲法15条3項は「成年者」という概念を用いている。また、民法(明治29年4月27日法律第89号)4条は、「年齢20歳をもって、成年とする。」と規定している。そこで、選挙権が得られる成年者の意義と、民法上の成年者との関係をどのように解するかが、議論の出発点となる。

 まず、両者を同じ意義と解する立場は、選挙権年齢と成年年齢は一致することが基本と考えるが、憲法15条3項は、民法上の成年者に対して選挙権が保障されることを定めたにすぎないとも解釈出来ることから、選挙権者の範囲を拡大し、成年年齢よりも選挙権年齢を低く定めることも許容される。また、両者を異なる意義と解する立場は、選挙に係る成年概念を民法とは別に定め、選挙権年齢と成年年齢が相異することを想定しつつも、政策判断として両年齢が一致する可能性まで排除しているわけではない。

 したがって、成年者(憲法15条3項)の意義に関し、いずれの立場を採っても、選挙権年齢と成年年齢の一致、不一致双方の結論を導き得る。結局のところ、立法政策上、両年齢は一致すべきか否かという、妥当性判断に帰着する。今回、18歳選挙権法の制定により、成年年齢に先行して選挙権年齢が引き下げられたが、附則11条が、選挙権年齢の後追いで成年年齢引下げの立法措置を講ずることを規定しているのは、両年齢は一致すべきであるという、立法者の政策判断の表明に他ならない。これは公職選挙法(昭和25年4月15日法律第100号)の制定過程において、選挙人として要求される判断能力と、私法上の取引場面で要求される判断能力は一致すべきであるとする政府解釈が確立し、選挙権年齢が成年年齢に合わせて「満20年以上の者」(公職選挙法9条1項)と規定された沿革に従うものである。

(2) 18歳、19歳の者に対する、立法者の期待

 18歳選挙権法の制定により、我が国の選挙権年齢はようやく“世界標準”に到達した。全国で240万人とも言われる18歳、19歳の者が、有権者としての資格を得る。選挙の期日、投票所に足を運び、受け取った投票用紙に自書し、投票箱に「一票」を投じることが可能になる。社会全体に蔓延る、固定化された選挙観を転換する契機にもなり、確かにその意義は大きい。

 しかし、一般的には、制服の高校3年生が投票する姿が、過度に象徴的に受け止められ、18歳選挙権法のより本質的な意義が伝わっていないきらいがある。立法者の意図は、18歳、19歳の者に対して新たに選挙権を付与すること(有権者団の拡大)に尽きるものではない。18歳、19歳の者が日常生活ないし現実政治との関わりの中で、思考を巡らし、主体的な活動を実践することを通じ、政治的潜在能力を覚醒させ、政治的自律を獲得することに、党派を超えた期待が寄せられているのである。
 
 18歳選挙権法は、公職選挙法を含む9本の法律の改正を施し、選挙権年齢を始めとする34の年齢事項(条項数は39)に関し、20歳以上から18歳以上へと引下げを行った。特に重要な点は、18歳、19歳の者も、選挙が公示又は告示された後、選挙運動を行うことができることとした点である。街頭演説、個人演説会場等における場合のほか、SNSを活用した投票の勧誘行為が可能となる。政党など特定の選挙運動主体に対し、組織的、集団的に関与することも排除されない。
 
 また、18歳選挙権法は、地方自治法の改正を施し、同法に基づく直接請求権(条例の制定・改廃、事務監査、地方議会の解散、地方議会議員・首長等の解職)も、18歳以上で行使可能とした。とりわけ条例制定直接請求は、時として住民投票という、有権者による直接の表決を可能とする制度と結び付きながら、公共施設の建設の是非等、地域に身近な政策案件に係る決定に関与する権利である。選挙人名簿に登録された18歳、19歳の者は、直接請求署名簿に署名することはもちろん、直接請求の代表者となって署名を収集すること、又はその受任者となること等、直接請求運動の主体となり得る。

 以上を踏まえ、18歳選挙権法の立法趣旨を再評価すべきである。
 
 政治活動の自由は、憲法21条1項を根拠に、すべての国民に対して保障されている。政治活動とは幅広い概念であり、国民投票運動、住民投票運動、選挙運動及び直接請求運動を当然、包含するものである。もっとも憲法理論上、未成年者であって、成熟した判断能力を持たないことを根拠とした人権制約(自己加害に対する制約)が許容されるところ、自己決定そのものを回復不可能なほど永続的に害する場合に該当しなければ、未成年者に対する人権制約は許されないことを改めて指摘しなければならない。論評は別稿に委ねるが、文部科学省通知「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」(平成27年10月29日付)に基づく運用が、とくに生徒会、クラブ活動等の授業以外の場面、放課後や休日等における生徒の政治活動を不当に制約することとならないよう、十分注意する必要がある。

(3) 今後の課題

 18歳、19歳の者による選挙運動が可能となったものの、選挙運動の自由は無制約ではなく、一定の行為には罰則による規制が及ぶ。選挙運動と区別される政治活動も同様である。この点、少年法適用対象年齢は現行規定のまま(20歳未満の者)であり、「選挙犯罪」に係る18歳選挙権法との適用関係は、暫定的に、特例扱いをする旨が定められている。

 18歳選挙権法附則5条1項は、18歳、19歳の者が犯した連座制適用事件(公職選挙法247条、251条の2〜251条の4)に関して、家庭裁判所は、その罪質が選挙の公正の確保に重大な支障を及ぼすと認める場合、検察官送致の決定をしなければならない旨規定する。「その罪質が選挙の公正の確保に重大な支障を及ぼす」場合とは、具体的事例に即して個別に判断、評価するしかないが、検察官送致の要件の絞り込みという立法者意思が反映するかどうか、今後の運用を注視する必要がある。

 さらに、18歳選挙権法の立法趣旨を発展的に捉えつつ、検討課題として次の2点を提案したい。
 
 第一は、選挙権年齢の要件、選挙人名簿の被登録資格に係る、学年基準の採用である。18歳選挙権に関する規定が適用されれば、選挙期日の翌日までに18歳の誕生日を迎えた者に対して選挙権が付与されるが、当該期日の翌々日以降に誕生日を迎える者には選挙権が与えられない。満年齢主義に則る限りでは当然の扱いであるが、高校3年生の中で選挙権を有する者と有しない者とを二分する不都合が生じる。したがって、学年を基準に投票機会を拡充し、高校3年生の在学年度(当該年の4月1日から翌年の3月31日まで)に執行される選挙に関し、選挙権を一律平等に付与する制度を導入すべきである。ただし、市区町村における選挙人名簿調製システムの改修等、技術上の対応が不可欠となる。
 
 第二は、被選挙権年齢の引下げである。被選挙権年齢は、公職選挙法10条1項各号の規定により、衆議院議員25歳、参議院議員30歳、都道府県議会議員25歳、都道府県知事30歳、市区町村議会議員及び市区町村長25歳と、高い年齢基準が採用されている。18歳選挙権の実現により、選挙権との年齢較差がさらに拡大するが、二院制採用国の下院の選挙制度について見れば、選挙権年齢と被選挙権年齢との5歳以上の較差を許容する例は、かなり少数である。各種選挙ごとに、被選挙権年齢のあり方に対する評価、思惑が様々に絡むが、議員立法による法改正を念頭に、与野党間の合意形成を早期に進めるべきである。もっとも、候補者本人に関し、民法上の制限行為能力者としての疑義が生じないよう、次に触れる成年年齢より低く設定することはできないと解する。

3 18歳成年の法律論

(1) 成年、成人及び大人の概念区分

 民法4条は、「20歳」を以て「成年」と規定する。成年に達した者が「成年者」であり、達しない者が「未成年者」である。

 国語的、社会的意味では、「成人」の方が、「成年者」を含む、広い概念である。しかし、一般の法律用語としては、「成人」ではなく、「成年(者)」及び「未成年者」が通用している。本稿執筆時点では、「成年被後見人」などの用例を含め、民法を含む248本の法律で採用されている。「成人」は、児童福祉法、少年法、国民の祝日に関する法律、社会教育法、知的障害者福祉法及び社会保障制度改革推進法の6本で採用されているにすぎない。「成人」の定義規定を置いているのは、少年法のみである。

 民法上、「成人」を用いる条文は一つもないが、メディアでは、「成年年齢」を「成人年齢」と言い換えるのが通例である。番組、紙面で、「成人年齢の引下げ」と言い換えたテーマでその是非を論じ始めるものの、やがて「大人と子どもを画する年齢の引下げ」という、より抽象化された論点に展開する。その結果、議論の位相幅が広がり過ぎ、法律論を離れ、収拾がつかなくなる。

 「大人」は、「成人」よりも広い概念である。単語として使い易いが、国民の祝日に関する法律でしか使用例がない、事実上の概念にすぎない。「子ども」も、事実上の概念である。「大人」と「子ども」の中間概念を想定するかどうかでも、議論は変わりうる。成年年齢を何歳と定めるべきかという、肝心の法的立論が、結果的に等閑になってしまう。

 法律論の入口で、3つの概念を区別しなければ、成年年齢引下げに関する社会的合意を促すことは困難となる。成年年齢その他の法定年齢の引下げの結果として、「成人」及び「大人」概念に対する社会意識は変わるものであるが、18歳年齢法制改革は、その逆方向の議論を促すものではない。

(2) 成年年齢の法的意義と選挙権年齢との相克

 成年とは、法的概念である。その意義は、次の2点である。

 第一に、個人が単独で契約を行うことが出来る年齢である。未成年者が契約を行う場合には、原則、親権者等の法定代理人の同意を得なければならない(民法5条1項)。未成年者が制限行為能力者と言われる所以である。法定代理人の同意を得ないで行った契約は、未成年者本人又はその法定代理人が、取り消すことが出来る(同法5条2項、120条1項)。成年年齢を18歳に引き下げた場合には、18歳、19歳の者が親の同意なく自由に売買等を行うことが出来るようになる一方、悪徳業者から不当高額な商品を購入した場合であっても、親権者がその売買契約を取り消すことが出来なくなるため、消費者被害が拡大するおそれが高くなる。

 第二に、個人が、親権者の親権に服さなくなる年齢である。親権の内容は、子の監護、教育、居所指定、懲戒、職業許可及び財産管理と多岐にわたる(同法820条〜824条)。成年年齢引下げは、親権を離れ、若年者の自立を促す効果がある一方、自立が元々困難な者にとっては、18歳を迎えた後、親権者の保護を受けられなくなるおそれが生じる。

 成年年齢は、これらの法的意義を有するところ、18歳選挙権に関する規定が適用となった後、選挙権年齢と成年年齢の不一致がもたらす不都合が、早晩、顕在化するおそれがある。例えば、18歳、19歳の者が、選挙運動のボランティアを申し込む際に、民法上の未成年者として評価されるままに「親の同意」を要求されることがありうる。申込者は、一面では選挙運動が可能な主体であるが、他面では行為能力が不完全な者であるとされ、法的評価の相克を抱え込むことになる。親の同意が得られず、ボランティアを断わられることは、一般的な法感覚に反するであろう。

(3) 成年年齢引下げの前提条件

 前記の不都合を回避するためにも、成年年齢引下げの立法措置を可及的早期に行うべきことは言うまでもない。もっとも、選挙権の行使と私法上の契約行為とは、要求される判断能力が同程度でも、意思決定に法的責任が伴うか否かという、重大な相違点があることに留意する必要がある。

 憲法15条4項は「選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。」と、選挙人の無答責を定める。政治的な思想・意見の形成は、思想の自由(憲法19条)の範囲で絶対的に保障され、個別の選挙運動は政治活動の自由として保障される。この場合、法的責任、義務は発生しない。しかし、民法が規律する私法分野では、個人の意思表示により、原則として法律行為が有効に成立し、契約上の責任が発生する。売買契約上の買主であれば当然、代金支払債務が発生する。判断が軽率であれば、先の例(悪徳業者からの不当高額な商品の購入)のようなことが当然、起こり得る。

 法的責任の発生に鑑み、成年年齢引下げの際には、政策上の配慮が不可欠となる。この点、法制審議会答申(平成21年10月28日)は「民法が定める成年年齢を18歳に引き下げるのが適当である」としながら、「現時点で引下げを行うと、消費者被害の拡大など様々な問題が生じるおそれがあるため、引下げの法整備を行うには、若年者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等の問題点に資する施策が実現されることが必要である」と結論付けている。後段の、若年者の自立促進策と消費者被害防止策の実現はともに、成年年齢引下げの前提条件と考えられている。条件成就の判断は、国会の責任である。成年年齢を18歳とする法律をいつ整備するか、周知期間をどの程度置くか、その期間における経過措置を定めるか否か等、18歳選挙権法の施行状況をも考慮しつつ、遅滞なく、責任ある決定を行うべきである。

(4) 成年年齢引下げに連動する法律

 国内法全体を俯瞰すると、多くの法律が、民法上の成年年齢に連動する年齢条項を有している。条文中、「成年(者)」ないし「未成年(者)」の用語を含むことで、成年年齢引下げに係る民法改正が施されれば、当該法律自体の改正を要せず、年齢が自動的に引き下がることになる。よく示される例であるが、競馬法28条は「未成年者は、勝馬投票券を購入し、又は譲り受けてはならない。」と規定するところ、「未成年者」は民法上の定義で完結するため、成年年齢の引下げと同時に、競馬法の改正を行う必要はない。

 政府の整理によれば、民法に連動する法律は155本に及ぶ(平成26年4月1日現在)。士業資格の欠格事由を規定するもの、訴訟法上の能力に関係するもの、競馬等のギャンブル行為に関係するものなどがある。さらに、18歳選挙権法附則8条及び9条が、成年概念と新たに連動させることとした、民生委員の被推薦資格(民生委員法6条1項)、人権擁護委員の候補者資格(人権擁護委員法6条3項)が対象となる。

4 少年法その他の法律の年齢条項の見直し

 以上、法律論及びその前提となる議論を踏まえ、選挙権年齢及び成年年齢の引下げの意義等について述べた。紙幅の関係で詳述できないが、政府の確定方針によると(本稿執筆時点)、少年法適用対象年齢の引下げと同時に、少年院法、更生保護法、売春防止法等、7本の法律改正を要する。

 さらに、成年年齢の引下げに関連して(連動ではない)、”當棉渊料に係る寡婦加算要件(恩給法等の一部を改正する法律(昭和51年6月3日法律第51号)附則14条1項1号)、帰化許可要件等(国籍法3条1項等)、2板躡枷十蠅性別の取扱いの変更の審判をする要件(性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項1号)、ね効期間を5年とする一般旅券の発給要件(旅券法5条2号)、チツ后Φヾ慊硬養成施設の講師の年齢要件(船舶職員及び小型船舶操縦者法17条の2)、水先人養成施設の講師の年齢要件(水先法15条1項2号イ)、Э童∩喙困凌拡重の請求に係る年齢要件(児童福祉法33条の7)、母子福祉資金貸付の対象者である児童の年齢要件(母子及び父子並びに寡婦福祉法6条3項、13条1項)が、見直しの対象となる。

 他方、未成年者飲酒禁止法、未成年者喫煙禁止法、道路交通法、児童虐待の防止等に関する法律、子ども・子育て支援法、国民年金法、教育職員免許法等の年齢条項は、見直しの対象外とする方針が確定している。スポーツ振興投票の実施等に関する法律については、なお検討中である。

 序説で述べた、170本程度に及ぶ対象法律の見直しは、いよいよ本格的な合意形成の段階に入る。しかし、形式的な法律論、立法論を振りかざすだけでは、18歳年齢法制改革は真の意味で完遂しない。知識中心ではない、実践的な市民教育が定着してこそ、改革は成功に導かれる。成人論の再定位を含め、市民教育が果たすべき役割は、量的に増大し、質的に深化している。市民本位の、学際的な議論の展開が望まれる。(了)

 平成27年9月10日
 自由民主党政務調査会
 成年年齢に関する特命委員会
 
 国民投票の投票権を有する者の年齢及び選挙権を有する者の年齢が満18歳以上とされたことを踏まえ、新たに大人となる年齢層を含めた我が国の国家像等を勘案しつつ、民法、少年法その他の法律の規定における成年年齢の在り方について、下記のとおり提言する。

 記

1.民法(民法の成年概念を用いる法律を含む。)について

 民法の成年年齢については、できる限り速やかに20歳から18歳に引き下げる法制上の措置を講じる。
 ただし、法制審議会の答申(平成21年)にあるとおり、「若年者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策が実現される」ことが必要であるから、現状の消費者教育等の施策を引き続き実施するとともに、国民への周知が徹底されるよう、その施行時期については、必要十分な周知期間が設けられるよう配慮する。

2.満20歳以上(未満)を要件とする法律についての基本的な考え方

 国民投票の投票年齢及び公職選挙法の選挙年齢が一致して18歳以上の国民に参政権としての投票権(選挙権)を付与したことと併せて民法の成年年齢が18歳となることを前提とした場合、我が国においては18歳をもって「大人」として扱うこととなり、大人と子供の範囲を画する年齢は、それまで20歳であったものが18歳となる。
 このことは、18歳以上の国民が、現在及び将来の国つくりの担い手であることを意味し、大人としてその責任を分担し、大人としての権利、自由も付与されることとなる。社会的にも国民意識においても「大人」は18歳からと移り変わる。
 法は、社会規範として、分かりやすく社会活動の指針となることが求められることから、大人と子供の分水嶺を示す各種法令には国法上の統一性が必要である。併せて、我が国の将来を支えるのは18歳からの若者であり、将来の我が国を活力あるものとし、その決意を力強く示すためにも、満20歳以上(未満)を要件とする法律においては、その年齢要件を原則として18歳以上(未満)とすべきである。

3.満20歳以上(未満)を要件とする法律について

(1) 少年法について

 民法を始めとする各種法律において、我が国における「大人」と「子供」の範囲を画する基準となる年齢が満18歳に引き上げられることを踏まえ、国法上の統一性や分かりやすさといった観点から、少年法の適用対象年齢についても、満18歳未満に引き下げるのが適当であると考える。
 他方で、罪を犯した者の社会復帰や再犯防止といった刑事政策的観点からは、満18歳以上満20歳未満の者に対する少年法の保護処分の果たしている機能にはなお大きなものがあることから、この年齢層を含む若年者のうち要保護性が認められる者に対しては保護処分に相当する措置の適用ができるような制度の在り方を検討すべきであると考える。
 そこで、法務省においては、これら本委員会の考えを真摯に受け止め、若年者(その範囲を含む。)に関する刑事政策の在り方について全般的に見直すことも視野に入れて、刑事政策上必要な措置を講ずるための法制的検討を行うこと。

(2) 諸法令について

 (3)又は以下に掲げる法律(条項)を除き、満20歳以上(未満)とされている要件は、満18歳以上(未満)に引き下げる。
 〕椰討砲覆譴詛齢
 ⇔捗討僚蟷、銃を使用する狩猟免許
 K塾話聴による加入強要の禁止対象年齢
 す駝映金の支払義務
 チデ職員及び小型船舶操縦者法(船長及び機関長の年齢)
 児童福祉法に定める児童自立生活援助事業における対象年齢
 特別児童扶養手当等の支給に関する法律の対象年齢
 道路交通法上の中型免許及び大型免許等
 なお、公職選挙法等の一部を改正する法律において、「当分の間」の措置として20歳以上を維持することとされた検察審査員、裁判員、民生委員及び人権擁護委員となる資格年齢については、少年法の適用対象年齢又は民法の成年年齢を踏まえたものとすること。

(3) 税制関連について

 以下に掲げる法律(条項)は、民法上の「成年」を引用したり、民法上の成年年齢を前提とした制度であるが、税制に関する事項であるため、我が党の税制調査会における検討に委ねる必要がある。
 々饑把Ъ法及び国税犯則取締法の捜索立会人
 関税法の臨検の立会人
 税理士法の税理士の欠格事由
 ぜ鮴破,亮鬚寮渋ぬ筏等の付与条件
 チ蠡垣破,20歳未満の者に係る控除制度等
 α点覇段盟蔀嵋,猟招和座阿ら住宅所得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税年齢
 東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の被災者が住宅所得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税年齢
 ┐修梁樟農関連事項

4.社会的に関心の高い事項について

 20歳未満の者の飲酒、喫煙を禁止している未成年者飲酒禁止法及び未成年者喫煙禁止法について、成年年齢の引き下げに伴い禁止年齢を18歳未満とするか否かについては、賛否にわたり様々な意見が認められた。
 生物学的な発達に応じた医学的影響を勘案し、健康被害を防止する必要があること、非行防止の観点からは飲酒、喫煙が非行の引き金となる側面があること等の理由から、成年年齢が引き下げられても現行の禁止年齢を維持するべきとの意見があった。
 他方、現行法においても飲酒、喫煙は未成年者に制約を課し、大人は自制する判断力ある者として自らの責任において摂取等が法律上許容されていること、現在でも一定の免許取得等が法令上許容されていても校則で制限する等の生徒指導による対応を前提として、成年年齢の引き下げに応じて禁止年齢を18歳未満に引き下げるべきとの意見があった。
 本委員会としては、これら意見や諸外国の状況を踏まえ、飲酒、喫煙に関する禁止年齢を18歳未満に引き下げるべきかどうか、引き続き社会的なコンセンサスが得られるよう国民にも広く意見を聞きつつ、医学的見地や社会的影響について慎重な検討を加え、実施時期も含め民法改正時までに結論を得るものとする。併せて、公営競技が禁止される年齢についても同様とする。
 被選挙権を有する者の年齢については、引き続き検討を行うものとする。

5.周知期間等の必要性について

 本委員会における検討に基づき、必要な法制上の措置を講じることとなるが、民法(民法の成年概念を用いる法律を含む。)については、社会的影響の大きさや、教育面の対応、施行までの準備作業に要する期間などを踏まえ、少なくとも3年程度の周知期間とともに、必要な経過措置を設ける。
 また、その他の法律についても、民法に準じた周知期間及び経過措置を設ける。

 以 上
20151025_DSC_0049_033(臨時寝台特急カシオペア|EF510-513)

 平成27年9月10日
 自由民主党政務調査会
 成年年齢に関する特命委員会

 

 国民投票の投票権を有する者の年齢及び選挙権を有する者の年齢が満18歳以上とされたことを踏まえ、新たに大人となる年齢層を含めた我が国の国家像等を勘案しつつ、民法、少年法その他の法律の規定における成年年齢の在り方について、下記のとおり提言する。

 記

1.民法(民法の成年概念を用いる法律を含む。)について

 民法の成年年齢については、できる限り速やかに20歳から18歳に引き下げる法制上の措置を講じる。
 ただし、法制審議会の答申(平成21年)にあるとおり、「若年者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策が実現される」ことが必要であるから、現状の消費者教育等の施策を引き続き実施するとともに、国民への周知が徹底されるよう、その施行時期については、必要十分な周知期間が設けられるよう配慮する。

2.満20歳以上(未満)を要件とする法律についての基本的な考え方

 国民投票の投票年齢及び公職選挙法の選挙年齢が一致して18歳以上の国民に参政権としての投票権(選挙権)を付与したことと併せて民法の成年年齢が18歳となることを前提とした場合、我が国においては18歳をもって「大人」として扱うこととなり、大人と子供の範囲を画する年齢は、それまで20歳であったものが18歳となる。
 このことは、18歳以上の国民が、現在及び将来の国つくりの担い手であることを意味し、大人としてその責任を分担し、大人としての権利、自由も付与されることとなる。社会的にも国民意識においても「大人」は18歳からと移り変わる。
 法は、社会規範として、分かりやすく社会活動の指針となることが求められることから、大人と子供の分水嶺を示す各種法令には国法上の統一性が必要である。併せて、我が国の将来を支えるのは18歳からの若者であり、将来の我が国を活力あるものとし、その決意を力強く示すためにも、満20歳以上(未満)を要件とする法律においては、その年齢要件を原則として18歳以上(未満)とすべきである。

3.満20歳以上(未満)を要件とする法律について

(1) 少年法について

 民法を始めとする各種法律において、我が国における「大人」と「子供」の範囲を画する基準となる年齢が満18歳に引き上げられることを踏まえ、国法上の統一性や分かりやすさといった観点から、少年法の適用対象年齢についても、満18歳未満に引き下げるのが適当であると考える。
 他方で、罪を犯した者の社会復帰や再犯防止といった刑事政策的観点からは、満18歳以上満20歳未満の者に対する少年法の保護処分の果たしている機能にはなお大きなものがあることから、この年齢層を含む若年者のうち要保護性が認められる者に対しては保護処分に相当する措置の適用ができるような制度の在り方を検討すべきであると考える。
 そこで、法務省においては、これら本委員会の考えを真摯に受け止め、若年者(その範囲を含む。)に関する刑事政策の在り方について全般的に見直すことも視野に入れて、刑事政策上必要な措置を講ずるための法制的検討を行うこと。

(2) 諸法令について

 (3)又は以下に掲げる法律(条項)を除き、満20歳以上(未満)とされている要件は、満18歳以上(未満)に引き下げる。
 〕椰討砲覆譴詛齢
 ⇔捗討僚蟷、銃を使用する狩猟免許
 K塾話聴による加入強要の禁止対象年齢
 す駝映金の支払義務
 チデ職員及び小型船舶操縦者法(船長及び機関長の年齢)
 児童福祉法に定める児童自立生活援助事業における対象年齢
 特別児童扶養手当等の支給に関する法律の対象年齢
 道路交通法上の中型免許及び大型免許等
 なお、公職選挙法等の一部を改正する法律において、「当分の間」の措置として20歳以上を維持することとされた検察審査員、裁判員、民生委員及び人権擁護委員となる資格年齢については、少年法の適用対象年齢又は民法の成年年齢を踏まえたものとすること。

(3) 税制関連について

 以下に掲げる法律(条項)は、民法上の「成年」を引用したり、民法上の成年年齢を前提とした制度であるが、税制に関する事項であるため、我が党の税制調査会における検討に委ねる必要がある。
 々饑把Ъ法及び国税犯則取締法の捜索立会人
 関税法の臨検の立会人
 税理士法の税理士の欠格事由
 ぜ鮴破,亮鬚寮渋ぬ筏等の付与条件
 チ蠡垣破,20歳未満の者に係る控除制度等
 α点覇段盟蔀嵋,猟招和座阿ら住宅所得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税年齢
 東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の被災者が住宅所得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税年齢
 ┐修梁樟農関連事項

4.社会的に関心の高い事項について

 20歳未満の者の飲酒、喫煙を禁止している未成年者飲酒禁止法及び未成年者喫煙禁止法について、成年年齢の引き下げに伴い禁止年齢を18歳未満とするか否かについては、賛否にわたり様々な意見が認められた。
 生物学的な発達に応じた医学的影響を勘案し、健康被害を防止する必要があること、非行防止の観点からは飲酒、喫煙が非行の引き金となる側面があること等の理由から、成年年齢が引き下げられても現行の禁止年齢を維持するべきとの意見があった。
 他方、現行法においても飲酒、喫煙は未成年者に制約を課し、大人は自制する判断力ある者として自らの責任において摂取等が法律上許容されていること、現在でも一定の免許取得等が法令上許容されていても校則で制限する等の生徒指導による対応を前提として、成年年齢の引き下げに応じて禁止年齢を18歳未満に引き下げるべきとの意見があった。
 本委員会としては、これら意見や諸外国の状況を踏まえ、飲酒、喫煙に関する禁止年齢を18歳未満に引き下げるべきかどうか、引き続き社会的なコンセンサスが得られるよう国民にも広く意見を聞きつつ、医学的見地や社会的影響について慎重な検討を加え、実施時期も含め民法改正時までに結論を得るものとする。併せて、公営競技が禁止される年齢についても同様とする。
 被選挙権を有する者の年齢については、引き続き検討を行うものとする。

5.周知期間等の必要性について

 本委員会における検討に基づき、必要な法制上の措置を講じることとなるが、民法(民法の成年概念を用いる法律を含む。)については、社会的影響の大きさや、教育面の対応、施行までの準備作業に要する期間などを踏まえ、少なくとも3年程度の周知期間とともに、必要な経過措置を設ける。
 また、その他の法律についても、民法に準じた周知期間及び経過措置を設ける。

 以 上

18歳選挙権の法制化の動向と課題
2014年12月6日
南部 義典

1 国民投票法改正で新たな局面に

 明治期以降、わが国も近代合理主義、平等主義の潮流を受け、人の年齢を基準にして権利義務に関する法制度を構築することが、立憲政治の課題と位置付けられている。これは、立法政策上の線引き問題と単純に捉えられがちであるが、合理的な判断、同意が可能な個人の自律性を探究し、一定の年齢基準に基づく規範を形成する過程には、今後も様々な評価、利害が交錯することになる。

 現在、大人(成人)と子どもを区別する基準を直接定めた法律は存在しない。例えば、祝日法2条は、成人の日の意義を「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。」と定めているが、成人年齢の定義はない。もっとも、政治・社会において基幹的機能を有する4つの法定年齢、即ち、々駝嬰衂叱年齢(国民投票法)、∩挙権年齢(公職選挙法及び地方自治法)、少年法適用対象年齢(少年法)、だ年年齢(民法)は、いずれも満20年(20歳)を基準とし、社会通念上は、これらを根拠に、20歳を以て大人と扱われるべきと考えられてきている。

 他方、18歳を以て大人と扱う国際標準に従い、4つの法定年齢の基準を18歳に引き下げる立法措置が漸次、段階的ではあるが、実現しつつある。憲法上の要請ではないが、4つの法定年齢は立法政策上、乗用車のタイヤのサイズのように一致させるのが望ましいというのが政治・行政部門の共通認識であり、将来的には18歳基準で統一されることになる。

 この意味での年齢法制改革は、改正国民投票法の施行(2014年6月20日)で新たな局面を迎えた。国民投票権年齢は一旦20歳以上に確定したが、施行後4年を経過した日(2018年6月21日)に、自動的に18歳以上に引き下げられる。また、施行後速やかに、公職選挙法等が定める選挙権年齢、民法が定める成年年齢も18歳以上に引き下げることとする国の立法責任も明確に定められた。さらに、与野党8党(自由民主党、公明党、民主党、日本維新の会、みんなの党、結いの党、生活の党及び新党改革)は、選挙権年齢を18歳以上に引き下げるための公職選挙法等の改正(18歳選挙権法の整備)を、施行後2年以内(2016年6月20日まで)に行うことでも合意している。この合意によると、18歳選挙権法が想定どおりに整備され、一定の周知・準備期間の経過後に施行された場合、この施行日が2018年6月20日以前であったとしても、国民投票権年齢も同時に、前倒しで18歳以上に引き下げられることになる。目下、国民投票権年齢及び選挙権年齢の引下げは、少年法適用対象年齢及び成年年齢の引下げに先行する見通しである。

 18歳選挙権法の整備は、国民投票法の全面施行日(2010年5月18日)までに完遂しているはずであった。法整備は著しく遅れ、この間の権利侵害はもはや回復不可能であるが、わが国の年齢法制を一日も早く国際標準に適合させるためにも、18歳選挙権の法制化を着実に進めることが肝要である。

2 18歳選挙権法案の提出
 
 改正国民投票法の成立後、国会では遅滞なく、18歳選挙権の法制化に向けた協議が始まっている。与野党8党(前記)による「選挙権年齢に関するプロジェクトチーム」(以下、「選挙権年齢PT」と記す。)が2014年6月19日に発足し、次に召集される国会(第187回国会(臨時会))で、18歳選挙権法案の提出を目指す方針が確認された。

 第187回国会の召集後、選挙権年齢PTでは18歳選挙権の法制化に係る主要論点、即ち、’齢引下げの対象となる条項の範囲、∩挙犯罪に係る少年法の適用関係、施行期日の設定のあり方(周知・準備期間の幅、地方選挙との関係)、し法・政治教育のあり方、について検討が行われた。第2回会合以降は、参加する政党に異動が生じたものの(自由民主党、公明党、民主党、維新の党、みんなの党、次世代の党、生活の党及び新党改革が参加)、4回の実質的な協議を経て、各党の合意が整い、18歳選挙権法案が衆議院に提出された(2014年11月19日)。しかし、同21日、衆議院の解散によって廃案となった。

 18歳選挙権法案は、第188回国会(特別会)の後、第189回国会(常会)において、再提出する必要がある。この点、再提出は早くても2015年5月中旬になると見込まれる。仮に、法案が同年6月中旬に成立し、規定どおり、公布から1年後に施行されるとすると、18歳選挙権が実現するのは2016年6月中旬頃になる。

 2016年7月には、第24回参議院議員通常選挙が予定されている。18歳選挙権法の施行をこれに間に合わせることが、第47回衆議院議員総選挙(2014年12月14日執行)の後、各党に課せられた至上命題であることは論を俟たない。

3 18歳選挙権法による年齢条項の見直し

(1)18歳以上に引き下げられる年齢

 わが国の年齢法制の体系上、多くの年齢条項が選挙権年齢と連動している。18歳選挙権法による見直しの対象は、公職選挙法を含む9つの法律の、34の年齢条項に及ぶ。以下、主要な改正点について触れる。

 まず、公職選挙法における、未成年者の選挙運動の禁止、未成年者を使った選挙運動の禁止の各規定は、18歳未満の者の選挙運動の禁止、18歳未満の者を使った選挙運動の禁止として、それぞれ改正される。18歳以上の者は、たとえ高校生でも、街頭演説、個人演説会場等における投票の勧誘のほか、SNS等を活用した投票の勧誘が可能となる。18歳、19歳の者は、選挙運動の客体に貶められることなく、主体的、能動的に参画することが可能となる。

 また、地方自治法に基づく直接請求権、即ち、条例の制定・改廃、事務監査、地方議会の解散、地方議会議員・地方公共団体の長等の解職に係る各直接請求の資格が18歳以上の者に認められることになる。請求に際して、自ら署名簿に署名・押印し、請求者となることはもちろん、自ら請求代表者となること、請求代表者の委任を受けて有権者の署名を収集することも可能となる。

 さらに、最高裁判所裁判官国民審査の審査権年齢も、18歳以上に引き下げられる。国民審査は衆議院議員総選挙の際に行われるため、審査権年齢の引下げは当然の措置であるが、国民審査の対象となる裁判官の情報の提供のあり方等、今後検討を要する。

(2)20歳以上のままとなる年齢

 本来、18歳選挙権法に連動して18歳以上に引き下げられるべき年齢条項のうち、あえて連動を外して、現行どおり(20歳以上)とされるものが存在する。仝〇/該紺の選任資格、∈枷衆の選任資格、人権擁護委員の候補者資格、及びぬ雲鍵儖の被推薦資格、の4つである。

 このうち、ゝ擇哭△料任資格は、当分の間、20歳以上に据え置くこととされる。もっとも、このような二重基準を期限なく放置することにならないよう、適時の立法対応が不可欠である。 

 また、5擇哭い琉兢年齢は、選挙権年齢との連動を外し、民法が定める成年年齢と新たに連動させ、将来、成年年齢と同時に引き下げるものとされる。両委員の職務の性質、内容に鑑み、妥当な措置と解される。

4 選挙犯罪に係る少年法の適用関係

 選挙権年齢を18歳以上に引き下げる場合、少年法適用対象年齢は現行の20歳未満のままでよいのかどうか、18歳、19歳の者による選挙犯罪の取扱いをめぐって、少年法の適用関係の問題が顕在化する。具体的には、18歳、19歳の者が、組織的多数人買収罪などの選挙犯罪にコミットした場合、少年法の適用を受け、原則として保護処分の対象とし、刑事処分の対象としないことでよいか、つまり、選挙法制上は一人前の資格を有する者として扱われる以上、成人の刑事事件として刑罰による制裁によるべきではないか、という問題である。

 前記のような法的齟齬を解決するには、まず、18歳選挙権法の整備に合わせて、少年法も同時に改正し、同法の適用対象年齢を18歳未満に引き下げること(18歳少年法の整備)が妥当であると考えられる。

 しかし、18歳選挙権の法制化にあたり、少年法のみならず、関係法律(各種少年院の収容年齢を定める少年院法など)の改正論点も含め、議論の蓄積が十分ではない。これは、改正国民投票法が、国民投票権年齢を20歳以上に確定させたことで、少年法適用対象年齢との法的齟齬が生じず、国民投票犯罪に係る少年法の適用関係の問題が生じなかったことによる。18歳少年法を同時に整備するには、なお一層の時間を費やさなければならなくなる。

 そこで、18歳選挙権法の立案に際しては、少年法適用対象年齢の引下げを前提とせず、選挙犯罪に係る少年法の適用関係を整理する理論構成が求められることになる。

 選挙権年齢PTでは当初、選挙犯罪に限って少年法の適用を除外するという案(適用除外案)への賛同が広がった。18歳選挙権法に少年法の適用除外条項を設けることにより、18歳、19歳の者による選挙犯罪を一律に、刑事処分の対象とする内容である。しかし、〜挙犯罪にも罪質の程度が様々ある中、一律に少年法の適用を除外するのは少年の保護・更生という同法の立法理念を損なう、交通犯罪(危険運転致死傷罪等)においても、少年法の適用除外という法律構成は採られておらず、なぜ選挙犯罪だけを適用除外とするのか根拠が乏しい、などの反対論が示された。

 協議を重ねた結果、適用除外案への賛否両論に対する折衷的立場として、限定的に刑事処分の対象とする案(限定的逆送案)に拠ることとなった。即ち、⑴選挙犯罪のうち、連座制に係る罪の事件について、その罪質が選挙の公正の確保に重大な支障を及ぼすと家庭裁判所が認める場合には、検察官送致(逆送)の決定を行い、また、⑵連座制に係る罪の事件を除いては、家庭裁判所が検察官送致を決定する場合、選挙の公正の確保を考慮して行うこととする内容である。⑴⑵いずれも、選挙犯罪に係る少年法の特例として、18歳選挙権法案の附則に明記された。

 いずれにせよ、18歳選挙権法の整備の後、国民投票権年齢も18歳以上に引き下げられる段階で、国民投票犯罪に係る少年法の適用関係が問題となる。国民投票犯罪には連座制の適用はなく、限定的逆送案と同じ法律構成は採用できない。少年法適用対象年齢の引下げに関しては、それまでに成案を得ておく必要がある。

5 成年年齢の引下げ
 
 民法が定める成年年齢の引下げ(18歳成年法の整備)は、18歳選挙権法の整備が完了した次の段階で行われる見通しとなっている。4つの法定年齢のうち、成年年齢が「大人(成人)と子どもを画する基準」として社会的に最も通用しており、これを引き下げることが、今回の年齢法制改革の本丸と言える。

 個人に要求される判断能力の程度は、政治参加と私法上の契約のいずれの場面においても差異はなく、選挙権年齢と成年年齢は一致すべきであるというのが伝統的な政府見解である。両年齢の不一致がもたらす不都合、例えば、18歳選挙権法により選挙運動が可能となった18歳、19歳の者が、選挙運動のボランティアを申し込む際に、民法上の未成年者として扱われるままに「保護者の同意」を要求されるのは、市民感覚的にも疑問が生じるところである。

 もっとも、政治参加と私法上の契約とは、自己の判断に基づく意思決定に法的な責任が伴うか否かで相異する。憲法15条4項は「選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。」と、選挙人の無答責を定める。選挙人が冗談で特定の候補者・政党に投票しても、責任は一切生じない。しかし、民法が規律する私法の分野では、意思表示が冗談交じりであっても、契約上のリスクの判断理解が不十分であっても、原則、有効な法律行為として成立し、債務履行責任を負うことになる。

 私法上の責任が生じること等、実体社会に与える様々な影響を勘案し、18歳成年法を整備・施行するタイミングが問題となる。この点、政府見解は、若年者の自立を促すような施策や、消費者被害を可及的に防止しうる施策が講じられていることが前提条件になるとする。この前提条件の成就の判断は、消費者教育推進基本方針(2013年6月28日閣議決定)に基づく消費者保護施策群の進捗状況等に鑑み、国会が慎重に行うべきであると考える。

6 憲法・政治教育の充実に関する施策方針

 18歳選挙権法の整備に並行し、若年層に対する憲法・政治教育の充実を図ることが今後、一層重要となる。これは、法整備に並行する施策であって、前提条件ではない。中央教育審議会において学習指導要領の見直し検討が始まったが(2014年11月20日、文科相より諮問)、その結論(答申)を待つまでもなく、18歳選挙権法案を国会で審議する過程で、政府の施策方針を詳しく明らかにする必要がある。
 
 併せて、これに関連し、実践的な憲法・政治教育を推進する上で障壁となっている教育基本法14条2項の解釈・運用を、政治主導で見直す必要があると考える。同項は「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」と、教育の政治的中立性(多数の者に対して強い影響力を持ち得る教育に、一党一派に偏した政治的主義・主張が持ち込まれてはならないこと)を謳っている。実際には、同項の解釈・運用により、教育現場は萎縮し、実践的な憲法・政治教育は敬遠される傾向が強い。また、公立学校の教育公務員に対しては、法令上、政治的行為の制限が掛かっており、テーマが具体的な政治性を帯びるほど、教育現場では扱い難いと受け止められている。

 硬直した行政解釈・運用のレベルを越えるために、国会において憲法・政治教育の推進に向けた新規立法(理念法)を整備することも検討に値する。ただし、党派性を生まないよう、全会一致に近い合意に基づいて立法する必要がある。

7 結語
 
 18歳選挙権法の整備を契機に、今後、年齢法制改革がさらに前進することが期待される。

 もっとも、諸立法に関して、国民(とくに若年者層)に対する情報提供と説明が不十分であり、社会的関心は必ずしも高くない。大局的意味での立法目的が伝わらなければ、若年者の政治的、市民的自律を呼び覚ますことはできず、一時の問題提起に終始するおそれがある。

 政治・行政において、当面の具体的な立法工程を確定させ、スケジュール感を国民と共有することが急務である。そして、国民の側こそ、その工程を厳しく監視し、立法を督促していかなければならない。

 以 上

 〈研究会報告〉2014年度教育イノベーション・プログラム 講義型および参加型によるESD・市民教育の試み

 衆議院憲法審査会・参考人質疑 発言メモ
 2014年5月8日
 南部 義典

▼1.前回の対政府質疑における政府参考人答弁の問題                 

 前回の対政府質疑(2014/4/24)におきまして、政府参考人の看過できない答弁を承知しております。
 法務省の当日配付資料で、少年法の適用対象年齢を引き下げる必要はないとの見解が示されておりましたが、早速、「この見解はいつまとめられたのか、内閣官房、総務省に然るべき通知をしたのか」との質疑がございました。
 これに対し、法務省の政府参考人は、「昨年9月の段階で、法務省として現時点において、18歳又は19歳の者に対する保護処分の必要性が失われたとまで評価すべき事情はなく、少年法の改正は不要であるとの判断に至ったところでございます。この状況につきましては、内閣官房及び関係省庁にもその当時にお伝えしてございます」と答弁しました。
 私は、この答弁に驚きました。各府省庁別の対象法令検討状況(2014年4月1日現在|『衆憲資89号』45頁)で明らかなように、少年法はB1というカテゴリー、つまり、現在、法制上の措置について検討中であるもの、に該当すると理解していたからです。
 その後の質疑で、私は疑念を深めました。内閣官房の政府参考人は、「議論の焦点は、公職選挙法、民法及び少年法の取り扱いに絞られてきたと認識をしております。しかしながら、これまで内閣官房、総務省及び法務省を中心に検討、調整を進めてまいりましたが、残念ながら、この点につきましては、いまなお政府部内では成案を得るに至っていないところでございます」と答弁しました。
  「結論は出た」という法務省と、「出ていない」という内閣官房の政府参考人答弁が、同日の対政府質疑の中で、180度食い違っております。法務省の政府参考人の答弁が真実であれば、少年法はB1からAのカテゴリー、つまり「法制上の措置の要否、改正方針が確定したもの」として、内閣官房で整理し直し、正確な情報をもとに、本審査会で質疑を行う必要が生じます。
 改正法の施行後、各党PTを中心に年齢条項の見直しの検討が始まりますが、言うまでもなく、政府との十分な連携を要します。政府内の見解不一致が現時点で露呈するようでは、PTの運営、法整備に向けた合意形成に対する不安を禁じえません。
 先生方におかれましては、前記の政府参考人答弁に係る事実の調査、確認を徹底していただきますよう、お願い申し上げます。

▼2.民法成年年齢の引下げに向けた、強力な政治主導を

(2-1.捻じ伏せられる、立法者意思)
 民法成年年齢の引下げに関して、法務省が制定法の立法者意思を別誘導し、あたかも選挙権年齢とは方向性の異なった議論が可能であるかのような論理を後付けに挟み込むなど、政権の枠組みにかかわらず、直接・間接の遅延行為が続けられております。
 思えば7年前の今日(2007/5/08)、与党併合修正案の対案として“参院民主党案”が提出されました。この案は、衆院段階の民主党原案・修正案と同様、制定法附則3条2項にいう経過措置規定を置
かず、公布から全面施行までの3年間で、公選法、民法その他の法令が定める年齢条項の見直しを確実に成し遂げようとする立法者意思が、強く反映していました。法案提出者の千葉(景子)参院議員は趣旨説明(2007/5/09)の中で、「投票権者を18歳とする点についても、与党(併合修正)案では公職選挙法等の改正がなされない限り実施を幾らでも先送りできる、まやかしの規定にすぎません」と述べ、経過措置規定を置く与党併合修正案を当時、厳しく批判したところです。
 両案審査の後、与党併合修正案が可決・成立し、公布されたものの(2007/5/18)、その後両院で“憲法審査会規程”が制定されず、審査会が始動しないことをよそ目に、法制審議会・民法成年年齢部会が活動を始めました(2008/3/11)。法務大臣の諮問文(2008/2/13)にある「成年年齢を引き下げるべきか否か」という文言がすでに、制定法附則3条1項の趣旨を逸脱していたことは、すでに先生方の共通認識が醸成されているものと思います。
 この文言は、諮問の前、すでに問題視されていました。部会の設置を決めた法制審議会第155回会議(2008/2/13)の議事録によりますと、ある委員が「この諮問の文章も可否ということでどっちでもいいみたいなふうに読めるように書かれておりますが、立法府の意思として、国民投票法案に係るいろいろな議論もあったと思うのですけれども、その立法府の意思はどの辺にあるのか、その確認等はきちっとできて、なされた上でどっちでもいいということなのか。(中略)その立法府の意思とそごを来すような受け止め方になっていないのかということを、やはりもう少し吟味をしていただく必要があるのではないか」と発言しています。
 民法成年年齢部会の最終報告を総会が採択し、法務大臣に答申(民法の成年年齢の引下げについての意見|2009/10/28)がなされる手前で、政権が交代しました。先の参院民主党案提出者の千葉参院議員が法務大臣に就任され、国民投票法の全面施行日(2010/5/18)までに、民法改正が何とかギリギリ間に合うのではないかとも思いましたが、その後、政権再交代となり、現内閣に至るまで、膠着状態が打開され、具体的な立法措置が講ぜられようとする気配がありません。
 その根本原因は何か。先生方の鋭い洞察を以て、ご理解いただけることと思います。

(2-2.民法改正=18歳成年年齢法の提案)
 政権の枠組みがいつ、どのように変わろうとも、法制上の措置が遅々として進まないことは、国会の権威を傷付け、立憲政治を動揺させることに他なりません。
 改正法附則3項は、制定法附則3条1項と同様、「民法」が頭出しになっています。法制定時の立法者意思が、7年の歳月を経て8党間で広く再確認され、政治主導の機運が高まっているのではないかと、希望を抱きながら改正案を拝読した次第です。
 そこで、法制審議会答申を逆手にとりつつ、次のような立法提案を申し上げます。
 答申自体、成年年齢の引下げを「是」とする結論であることから、民法等の改正法案を提出し、まず、成立させてしまうのです。
 しかし、施行期日については、若干の工夫が必要です。つまり、改正法の附則1項で、この改正法の施行期日を「別に定める法律」で定める日とすることとし、附則2項で「前項の施行期日を定めるにあたっては、若年者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策の効果等の若年者を中心とする国民への浸透の程度やそれについての国民の意識を踏まえて、行うこととする」と規定するのです。消費者教育推進計画の最終年度(平成29年度)が、改正法施行の一つのタイミングとなるでしょう。
 これは、環境が整備されてからの成年年齢引下げ(リンク論)という法務省の言い分をそのまま条文化するもので、いかなる反対、抵抗をも許しません。もし反対、抵抗するようなら、そもそもの本音は、“成年年齢の引下げそれ自体にある”ことを自白することになります。施行期日につき、再度、国会の議決を経る点も重要です。強い政治主導を、ぜひともお願い申し上げます。
 
▼3.次回国政選挙は、18歳選挙権の保障の下で                                 

(3-1.公選法改正を可及的速やかに)
 国民投票権年齢、選挙権年齢、民法成年年齢、少年法適用対象年齢の四つは、いわば車のタイヤのサイズのように一致して扱われるべきで、これこそ制定法附則3条の原意であると理解しております。同条の源流にある民主党原案の附則3条は、「国は、若い世代に、国政への参加の機会を保障するとともに、社会の一員としての責任感を醸成し、積極的な社会参加を促進するため」、公布後速やかに、年齢条項の検討措置を講ずることを国に命じていました。公選法改正はもちろん、民法改正、少年法改正を意識した書きぶりですが、改めて読み返しても何の遜色もなく、この立法理念は各党PTに継承されていくものと確信しております。
 今や、個別に立法事実の調査研究に深入りする場合ではなく、公選法、民法、少年法について公布から施行までの期間(周知・準備期間)をどう設定するか、という政策判断、政治決断のフェーズにあると思います。スタート(各改正法の公布)は段階的であり、ゴールの時期(各改正法の施行)もそれぞれ異なります。各党PTで、具体的なロードマップの策定に着手されることを要望します。
 まず、参政権グループに属する選挙権年齢の引下げを、可及的速やかに実現する必要があります。
 確認書〈項目1〉では、「改正法施行後2年以内に18歳に引き下げることを目指し」とありますが、国民の誤解を招かないよう、現段階では改正公選法の成立・公布までが目標設定されており、施行までではないことを周知することが必要です。
 改正法附則3項に「国民投票の投票権を有する者の年齢と選挙権を有する者との年齢との均衡等を勘案し」とありますが、「均衡」には消極、積極の両方向があります。決して、現状維持に嵌らず、参政権年齢が食い違うことにならないよう、スピード感を以て対応することが必要です。また、「等」には民法成年年齢とのバランスが含まれることを、確認させていただきます。
 猶予はわずかですが、次回の国政選挙は必ず、18歳選挙権が保障された下で行うことに対して、すべての法案提出者の答弁が担保されることに期待します。

(3-2.少年法の一部適用除外)
 確認書〈項目1〉の後段部分では、改正法施行後4年を待たずに、国民投票権年齢と選挙権年齢が揃って18歳となることが想定されています。少なくともこの時点で、年齢満18年以上満20年未満の者の参政権の享有と刑事制裁を受ける地位とのバランス論が顕在化します。
 改正公選法と改正少年法の施行期日の前後関係がどうなるか、いまは断定できません。仮に、改正少年法の施行期日が後になる場合、国民投票犯罪、選挙犯罪にコミットした18歳、19歳の者を成人の刑事手続で取り扱うには、少年法の該当規定を適用除外する措置(国民投票法、公選法の一部改正)が必要となります。
 メディア情報によると、この案は一時期、与党で検討されたようです。法務省も了解しているのではないでしょうか。先日の質疑で同省の政府参考人は、この案ではなく、「保護処分を受けた少年に対する公民権の停止と連座制の適用」という、公選法上の特則を設ける案に触れました。
 いずれの法整備が適当か、少年法適用対象年齢の引下げを真摯に検討するのであれば、適用除外措置を設ける案の検討を加速するべきと考えます。

▼4.公務員による国民投票運動等に関する「ガイドライン」の整備              

 新設される100条の2は、公務員による“純粋”な賛否の勧誘行為、意見表明に関し、公務員法上の政治的行為の制限規定の適用を除外するスキームです。特例となる一部適用除外の理論構成としては厳格な部類に属します。
 この点、行為主体にとっては、憲法改正案の字面だけを頼りに勧誘行為に徹することは稀であり、どこまでが純粋なのか、同条の基準を以てしても字義どおり画一的に判断することが困難なこともあるでしょう。
 そこで、地位利用型、非利用型を問わず、公務員による国民投票運動等が許容される範囲につき、法規解釈、各種事例への適用関係を分かりやすく整理したガイドラインが不可欠です。昨年、インターネット選挙運動等に関する各党協議会が政府側と協議作成した“Q&A”が、優れた先行事例です。 
 ガイドラインの整備にあたっては、(1)制定法9条が公選法7条を準用し、取締機関に対する公正の確保を求めていること、(2)制定法100条が「適用上の注意」に係る解釈規定として置かれていること、(3)確認書〈項目4〉において、公務員に萎縮的効果を与えないよう政府に配慮を求めるとしていること、の趣旨を踏まえる必要があります。

▼5.公務員による組織的な勧誘運動等の規制の検討                     

 改正法附則4項は、公務員による組織的な勧誘運動等の規制に係る検討条項です。
 この点、制定法附則11条の検討・措置は、あくまで公務員が国民投票に際して行う賛否の勧誘行為や意見表明が“制限されることとならないよう”、というのが出発点です。この意味で、組織的な勧誘運動等の規制は、同条の趣旨と逆向きに、国民投票運動への公務員の関与を強く規制するもので、そもそも、宿題の“範囲外”といえます。
 また、この論点は、公務員法制全般の中で検討される性質のものですが、何を以て組織的な運動と判断するか、その基準が明確でなく、恣意的な運用と萎縮効果をもたらす弊害は小さくないことを念頭に置かなければなりません。
 したがって、この論点は、些か不意打ち的な印象も否めず、法制上、慎重な取扱いを要望します。

▼6.国民投票の対象拡大                                 
 
 改正法附則5項の憲法改正問題国民投票は、制定法附則12条が想定した、憲法96条の周辺部分に位置する予備的国民投票の制度理念を踏襲し、検討が進められることを希望します。
 そして、8年前、民主党原案が初めて立法提起したものですが、確認書〈項目5〉に従い、国政問題国民投票制度のあり方も今後、定期的に議論されることになります。任意、諮問的な性格のものとして投票結果の法的拘束力は否定されるものの、実施手続を定める法律案の審査過程、投票期日までの国会の役割付けに一定の工夫の余地があります。表決結果を、その後の間接民主制のプロセスにどのように反映させ、骨太な民主政治を確立するべきか、制度設計に関する新たな政治的知恵が求められます。

▼7.結びに                                       

 私たちが誇るべきは、憲法の変えやすさでも変えにくさでもなく、
 憲法を変えるかどうかについて、どれだけフェアなルールを持っているかです。
 中山太郎『実録 憲法改正国民投票への道』(中央公論新社、2008年)5頁
                          
 中山太郎先生の、この肯綮に中る言葉を心に刻みつつ、国民投票法制のさらなる展開に向けて、各会派の先生方による真摯な合意形成が続くことを願ってやみません。フェアなルールづくりに、ゴールはありません。
 以上、私の基調発言とさせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。(了)

 参法第5号提出者としての趣旨説明(参院憲法特委・2007/5/9)と、まったく相容れない言動です。内閣に対し、歯止めがかけられません。。。 

 千葉法務大臣は、閣議のあとの記者会見で、法制審議会で議論されている成人年齢の引き下げについて、引き下げることで若者が消費者被害に巻き込まれる危険が生じるなど課題は多いとして、関連する民法の改正案を来年の通常国会に提出するのは難しいという認識を示しました(→つづき

 法制審議会第159回会議・議事録(2009/9/17)が今日、届きました。
 民法成年年齢部会の最終報告書が議題に上がっています。
 
 結局、総会決定に至らなかった背景には、
 仝選法改正との連携が不足した、
 ◆18歳引下げの)立法事実が認識されていない、
 という事情があったといえます。
 
 今後は、「附帯要望事項」付き答申の可能性にかかっていますが、
 如何せん、次回総会の日程が確定していません。。。
 
 

 「国民投票法」(平成22年施行)で満18歳以上に投票権を与えられたことから、民法で定める成人年齢を20歳から18歳に引き下げるべきかについて、現在、法制審議会(法相の諮問機関)が「民法成年年齢部会」を設け、近く報告をまとめる予定です。

 あなたは

 (1)「成人年齢を引き下げるべきだと思いますか」
 (2)「むしろ成人年齢は引き上げるべきだと考えますか」
 (3)「引き下げが若者の政治参加のきっかけにつながると思いますか」。

 意見は31日午前11時までにMSN産経ニュースへ。この結果は産経新聞の紙面(4月3日)とMSN産経ニュースで発表します。手紙やFAXはご遠慮ください。


 …との記事が出ています。

 設問の前提部分も設問本体も、何とも嘆かわしい表現に充ちていますが、どんな意見が届くのか、紙面を見てみたい気はします。

 成年年齢等の引下げについて、例えば法制審議会の動向に対して、国会がNO CHECKの状態にあることを私はしばしば指摘してきました。実際、昨年3月に法制審議会の専門部会が立ち上がって以来、国会では一度も質疑が行われていませんし、これに関する質問主意書も提出されていません。憲法審査会が立ち上がっていないからというのは一つの理由になりますが、国政上の重要問題という認識がそもそも欠いているのではないかとも思えます。メディアの取り上げ方も中途半端ですし、このままでは主権者教育、消費者教育の発展の芽を潰します。本当に由々しき事態です。。。

 法制審議会民法成年年齢部会の「中間報告」を踏まえ、パブリックコメントが行われましたが(1/末締切)、思ったほど、コメントが寄せられなかったようです。政府の広報が乏しく、メディアの世論喚起が十分でないまま、終わってしまったという印象です。

 これからの議論の焦点は、見直しに向けた条件整備のあり方です。秋の臨時国会は特別国会になる可能性が高くなっており、民法改正案は早々には仕上がらないし、審議されないと見ています。

 保岡興治法相は2日の初閣議後の記者会見で、法制審議会(法相の諮問機関)で検討中の成人年齢を20歳から18歳に引き下げる是非について、「優れて政治判断という要素がある。総合的に判断すべきもので、法制審だけで短絡的に結論は出せない」と述べ、政府全体で検討すべきだとする考えを強調した。(→つづき

 民法で定める成人年齢を20歳から18歳に引き下げる是非を法制審議会(法相の諮問機関)が検討していることについて、保岡興治法相は2日の閣議後会見で、「法制審だけで短絡的に結論を出せないと思っている」と、政府全体で結論を出すべきとの認識を示した。(→つづき

12ac4887.jpg 今月のテーマは、子どもを取り巻く法制度
 
 影に隠れがちな政策論点ですが、離婚後の親権・監護権のあり方、民法772条問題、児童ポルノ規制について、新しいスキームを打ち立てるべきだと、種々の提案がありました。民法(が拠って立つ価値観)が古くなったこと、(ポルノ)被害児童の救済がこれまで不十分だったことは、真剣に考えなければなりません。

 過日の尖閣諸島視察については、離党行政の実情調査が目的だったようです。調査対象の一つに、当地における海上保安庁の業務があったという訳です。

 民主党代表選挙については、,‘*☆゚・*☆,‘‘*・゚+*・。☆‘*☆。,‘*☆゚・*☆,‘‘*・゚+*・。☆‘*☆。,‘*☆゚・*☆,‘‘*・゚+*・。☆‘*☆。 ということだそうです。

□毎日新聞 民主党:9月21日投開票で最終調整 党代表選
□日刊スポーツ 民主党代表選9月21日で最終調整

 成人(成年)年齢を20歳を18歳と引き下げることに関し、法制審議会民法成年年齢部会が3月からスタートしました。内閣官房がまとめたところ、年齢条項を定める法令は、皇室典範を含め308に及びます。その多くは、成年・未成年を基準とする、いわば民法従属型の法令です(残りは、20歳、満20年など、年齢を直接定める独立規定型の法令があり、最高裁判事の国民審査、裁判員はこのうちの公選法に依っています)。

 部会は、自転車の前輪のような、いわば成人年齢法制改革の先導役です。法務省以外の省庁は、部会の(議論のとりまとめの)方向性を受けて、議論を始めることになります。2008年12月をめどに部会が意見集約し、その内容を受けて、2009年明けから全ての省庁で本格的な議論が始まります。そして早ければ、2009年秋の臨時国会に法案が提出されるというスケジュールです。

 第2回部会(4月15日)では、ICU・藤田英典教授(教育社会学)からのヒアリングが行われました。
 藤田教授は会合で、警鐘を鳴らしました。斉一主義・同調主義の議論は、思考停止で無責任だと。私も、年齢条項の見直しは個別・具体的に、という立場ですので、まったく同感です。藤田教授の示唆する「適切性」の下、きめ細やかな議論が求められます。

 民法従属型の法令が多く存在することは、立法技術の面で合理性がありますが(少なくとも暗黙のうちにそう考えられてきた)、近代以降の法制度の流れから考えてみた場合、公法上の年齢条項(成年/未成年)がなぜ、私法の一般ルールである民法に従うのか、従わせることができるのか、少しは議論する価値ありと考えます。民法4条自体も、なぜ年齢20歳としたのかが必ずしも明確でない、と言われています。

 国民投票法附則3条に込められた立法者意思を、部会は体現することができるのかどうか。
 今回、国民投票法と違って、国会審議のコンセンサス方式で法案が形作られるわけではありません。関連法令が多く、それは期待できません。しかし、自転車の前輪を自由勝手に任せておくのではなく、大枠のところで国会がちゃんとコントロールすべきです。

 当分の間、法学、社会学、教育学をまたがって、議論は続きます。法実証主義に従えば余計な話ですが、様々な角度から法制上の論点を改めて考えるとともに、ポストモダンを見通す機会になるでしょう。

 後期高齢者制度の導入から2年、日本は大パニックに陥っています。
 2年後、国民にとってサプライズとならないよう、メディアはきちんと報道していただきたいものです。。。

 成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正の是非を議論する法制審議会・成年年齢部会について、鳩山邦夫法相は7日の閣議後会見で「私が押し付けるわけにはいかないが、国民的大議論が期待されるテーマ。従来の議事録でいいのか検討してほしい」と述べ、現在は発言者が記載されていない議事録の見直しを要請した。(→つづき

 いよいよ議論が始まります。自民党は明日から。

□NHK 成人年齢 引き下げ是非を諮問 
□TBS News i 「18歳で成人」の是非、法制審諮問へ
□読売新聞 「成人18歳」の是非を諮問へ、結論は1年後の見通し
□朝日新聞 成人は18歳?20歳?民法改正議論スタート
□MSN産経ニュース 「18歳成年」を諮問 民法改正是非で鳩山法相
□時事通信  「18歳で成人」法制審に諮問=是非問う異例の形に 

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