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 政治に残された時間と余白はあるのか 
 平成22年8月23日
 西岡 武夫

 (はじめに)

 この一文は、決して9月14日に予定される[民主党の代表選挙]に限ったことではない。
 
 私は、参議院議長として、所属していた政党が、代表を選出することに関しては、如何なる方法でも、投票権も採決権も行使しないし、党内において、発言することもありません。

 その上で、普通の考え方と信じる政権政党の代表選挙の在り方と、同時に、あるべき原理原則について、その職責の枠内で触れてみたい、と考えます。

 もっとも、参議院議長としては、年内に、参院の選挙制度と議員の定数是正について、その方向性を出すという重い役割を、自らに課している。

 このことを前提に、以下の小論を公にする。

 (政権政党における代表選挙とは)

 野党の代表(総裁)選挙の場合は別に論ずることにするが、政党政治において、内閣総理大臣を、即ち首班を指名している多数派の政党の「代表選」については、原理原則がある筈である。

 首班を指名している政権政党は、少なくとも、内閣総理大臣が続投を表明すれば、対抗する代表選の候補者は、相当の覚悟が必要である。

 自分が属する政党の代表であり、政権を手中にしている現首相を蹴落とそうとするのだから、敗れた場合(これは首相も同様だが)の立場は、惨めなものでなければ理屈に合わない。

 自分たちが選んだ現政権の理念と基本政策に異論を唱えるからには、突き詰めると、党を去ることも選択肢に入る。

 本来、政治家が自らの信念を貫くということは、それほど厳しいものである。

 (代表選挙を行う意味の変化)

 だが、その実態は、全く私の考え方とは真逆である。

 「まずなによりも、代表選挙は、常に、複数の立候補者によって争われるのが民主的であり、開かれた政党の証である。」「国民もそれを望んでいる。」という、前提をつくり、対抗馬が理念や政策でなく、ただ代表選に出るだけで開かれた政党である、という虚構の下で、近年は、実際の代表選が行われている、という事実がある。

 ところが、代表選挙が行われ、その結果が出た瞬間、党大会の雰囲気は、通過儀礼が終わった、という安堵感のような不思議な空気に包まれる。

 全く理解できない、緊張感のない雰囲気である。

 首相と戦って敗れた候補者(或いは候補者達)は、権力を互いに争ったのだから、政治家としての全情熱と政治生命を賭けた敗者としての身の処し方が当然ある筈である。

 このことは、敗者を推した総ての投票者にとって当て嵌まる。

 その結果は、特に国会議員にとって、政治家としての岐路に立たされる深刻な事態であるはずだ。

 しかし、実情は、私の考える「本来の姿」からは、全く違う道筋を選択し、勝利者も、敗者も、党の空気も一変する。

 選挙によって現職代表が再選されるか、或いは新代表が誕生するか、いずれにせよ、いわゆる「挙党一致」の空気が当然のことのように、勝利者も、挑戦した敗者をも呑み込んでしまう。
 
 私は、唖然とするしかない。

 この結末を予め想定して、自分自身が権力に近づく手段として、党大会での代表選挙の場を位置づける、典型的な野心家の政党人の生き方を、私は、そこに見る。
 
 具体的には、党大会の代表選挙が、権力を持つ首相の勝利に終わった時、敗者が、真に政治を志す者とは到底考えられない挙に出る。

 事実上、猟官運動擬きの蠢きが開始される。

 そうして、敗者が、政治理念も政策も異なる筈の勝者から、党の要職か、閣僚のポストが与えられる、という仕掛けである。

 これは、挙党一致でもなんでもない、茶番劇である。

 権力を持つ政権側にとっては、対抗してみせた党内の不満分子の取り込みである。

 敗者側にとっては、権力に楯突いた筈の政治家の信条(あるとすればの話だが)は、どこ吹く風と、権力への近道である要職を手中にしただけのことである。

 これは、挙党一致という美名の下で、受け入れやすい身の処し方のように、一見、映りやすい。

 現在、日本が抱える内外の難問を考えるとき、政権政党が甘っちょろい党内の陳腐な就職運動劇をしている余裕は、断じてない。

 現状の政治の在り方を革命的に変えなければ、ごく近い将来、取り返しのつかない窮地に内外を問わず陥るだろう。

 私が参議院議長として、政党の党首選挙に、ここまで踏み込んだのは、日本の政治には、もう「余白」が無くなっていると考えるからである。

 余白がある、と思って、舞台裏丸見えの芝居を繰り返している時間はない。

 政治は、私自身を含めて、いま、真剣勝負で、多くの課題に臨まなければ、我々の子孫に顔向けが出来ないことになる。

 それどころか、現時点で既に、経済政策と外交防衛政策、総ての基盤である教育政策、と年金・医療・介護政策など、日本は、国家として、いま、危険水域にある。

 国会も、内閣も、政党も、命を賭けて取り組まなければならない。

 (結び)

 いま、私たちが真剣に考えるべきことは、一時的なものであってはならない。

 日本が抱えるすべての政策課題に答えを示し、その政策を総動員し、統合した日本の鳥瞰図を示すことである。

 また、一方、目先のことは、行政にとって大切な仕事である。

 だが、行政窓口においても、政権が示す大局的な政策の方向に基いて、相談への対応、行政指導、許可申請の処理が求められる。

 近年、各政党とも個別部門に、優秀で高い能力のある各分野の専門家が、国会議員として政策立案に参画されている。

 このことは、心強い。

 しかし、日本の進む方向や、広い視野を持った、総合政策のプランを語れる人材は、寡聞にして知らない。

 いま、そのことこそが求められている。

 内閣の各省大臣が、自分の権限の内に閉じこもるのではなく、閣内不一致の批判を恐れず、国務大臣としての見識を、閣議決定の場で述べ、議論すべきである。

 もちろん、どうしても譲れない核心の部分で、一致しなければ閣外に身を置くしかあるまい。

 このように、全ての政党が、国会議員が、官僚の一人一人が、日本の現状において、真剣にならなければ、日本は、最早、立ち行かない。

 そのことのためにも、全ての政党が、政党の大会を、混乱を恐れず、台本のない、真剣勝負の場にされることを望みたい。

 時に見受けられる、マスコミの場当たり的な報道に、右顧左眄せず、各党が、政治に対峙する堂々たる姿を、国民の前に示されることを念願する。

 (了)

 国民投票法の施行まであと1年となりました。憲法審査会のスタートに向けて、ようやく政治的な土壌が固まりました。

 国づくりは憲法体系のチェックから。憲法議論は常にあるもの。。。
 突然休止したり、急アクセルで始める性質のものでないのに、随分とおかしな風潮が広がりました(笑)。

 安倍前首相の辞意表明からわずか53日目の出来事。
 一国会の会期中に、与野党第一党のトップが辞めるというのは、
 憲政史上初めてではないでしょうか。。。


□NHK 民主党三役 小沢氏続投を提案
□日テレNEWS24 小沢代表が辞任表明「ケジメつけるため」
□TBS News i 民主・小沢代表、辞任の意向表明
□読売新聞 小沢ショック、与党にも驚きの声「政権に追い風」の見方も
□朝日新聞 小沢流けじめに不満噴出 民主地方組織「選挙戦えぬ」
□毎日新聞 小沢代表辞意:政界遍歴は、破壊と離脱、再生の繰り返し
□日経新聞 小沢氏辞意表明、野党各党は一斉反発
□MSN産経ニュース 「無責任」「これからどうなる」 小沢氏辞意に疑問の声
□東京新聞 小沢代表が辞任表明 党分裂含みの展開も
□時事通信 民主・小沢代表が辞意表明=大連立構想、混乱にけじめ−執行部は慰留

 昨日、小沢民主党代表が「(併合修正案への対応は、党の)執行部が決めることだ」と述べたことに対し、鳩山幹事長は「現在、枝野憲法調査会長の下で、民主党の修正案づくりの努力がなされている。党としての対応をどうするか、民主党も修正案を出して与党修正案とどちらがいいか判断されることになる。民主党の修正案を議論する場を両院議員総会で議論し、その結果については執行部が責任を負うということだ」と述べました。

 また、民主党案修正の見通しについては、「枝野憲法調査会長とは必ずしも打ち合わせていない。どのような内容になるのか十分に把握していないが、与党も併合修正という形で民主党案を重視する方向に舵をきっている。与党も野党も賛成をする形で法律を成立させることが将来の議論に向けて重要なことと認識している。したがって、民主党案の修正もその方向性で出すべきではないか。若干、取り下げる発想も必要である。一般的国民投票については、どういう形であれば与党との合意形成が可能なのか、議論を尽くしていくべきである」と、私見と断りながらも、修正の見通しについて触れました。

 19日(金)10時からの記者会見。
 国民投票法案に関し「憲法改正という自民党の目標のための得点稼ぎに利用されることのないよう、政治判断が必要な法案である。中身的には民主党がリードし、大方詰まっているので党として反対するようなものでもない。(国会対応の)タイミングをどうするか、松本政調会長、枝野憲法調査会長、簗瀬憲法調査会長代理の協議がまもなく整いつつある」――との現状、見通しを示しました。こちら

 自民党の中川秀直幹事長は12日の都内での講演で、憲法改正の手続きを定めた国民投票法案について「憲法記念日までに必ず成立させ、早期に与野党で憲法改正を協議していきたい」と述べ、憲法施行60年に当たる5月3日までの成立を目指す考えを表明した。(→つづき

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