nambu yoshinori's official blog

★取材、講演などのご依頼は、nambu.yoshinori@gmail.com までお願いします。

タグ:9条

 憲法改正に関する論点取りまとめ

 平成29年12月20日
 自由民主党憲法改正推進本部

1 これまでの議論の経過

(1)自由民主党における憲法論議

 日本国憲法は、本年5月3日に施行70周年を迎えた。この間、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義など憲法の基本原理は定着し、国民の福祉、国家の発展に大きな役割を果たしてきた。一方、70年の歴史の中でわが国内外の環境は大きく変化しており、憲法の規定の一部には今日の状況に対応するため改正すべき項目や追加すべき項目も考えられる。
 自由民主党は結党以来、現行憲法の自主的改正を目指し、「憲法改正大綱草案」(昭和47年)、「日本国憲法総括中間報告」(昭和57年)、近年では「新憲法草案」(平成17年)、「日本国憲法改正草案」(平成24年)などの試案を世に問うてきた。これらは、党内の自由闊達な議論を集約したものである。

(2)憲法改正推進本部における議論の状況

 平成28年の初めから、憲法改正推進本部は具体的な改正項目を検討するため、総論的なテーマを掲げた有識者ヒアリング(平成28年2月〜5月)、各論的なテーマを掲げた有識者ヒアリング(平成28年11月〜29年6月)を行い、知見の集積及び整理を行ってきた。
 こうした知見や議論を踏まえ、本年6月以降8回の推進本部会議において以下のテーマが優先的検討項目として議論された。わが国を取り巻く安全保障環境の緊迫化、阪神淡路大震災や東日本大震災などで経験した緊急事態への対応、過疎と過密による人口偏在がもたらす選挙制度の変容、家庭の経済事情のいかんに関わらずより高い教育を受けることのできる環境の整備の必要性など、わが国が直面する国内外の情勢等に鑑み、まさに今、国民に問うにふさわしいと判断されたテーマとして、^汰簡歉磴亡悗錣襦崋衛隊」、統治機構のあり方に関する「緊急事態」、0貮爾粒唳垢斑楼茲量碓嬌娠任問われる「合区解消・地方公共団体」、す餡班看の計たる「教育充実」の4項目である。
 現段階における議論の状況と方向性は、以下の通りである。

2 各テーマにおける議論の状況と方向性

(1)自衛隊について

 自衛隊がわが国の平和と安全、国民の生命と財産を守る上で必要不可欠な存在であるとの見解に異論はなかった。
 その上で、改正の方向性として以下の二通りが述べられた。
 孱江鬘厩燹Γ温爐魄飮した上で、自衛隊を憲法に明記するにとどめるべき」との意見
◆孱江鬘温爐鮑鐔し、自衛隊の目的・性格をより明確化する改正を行うべき」との意見
 なお、ゝ擇哭△剖δ未垢詭簑螳媼韻箸靴董◆屮轡咼螢▲鵐灰鵐肇蹇璽襦廚盞法に明記すべきとの意見が述べられた。

(2)緊急事態について

 国民の生命と財産を守るため、何らかの緊急事態に関する条項を憲法上設けることについて、以下の二通りが述べられた。
〜挙ができない事態に備え、「国会議員の任期延長や選挙期日の特例等を憲法に規定すべき」との意見
⊇外国の憲法に見られるように、「政府への権限集中や私権制限を含めた緊急事態条項を憲法に規定すべき」との意見
 今後、現行憲法及び法律でどこまで対応できるのかという整理を行った上で、現行憲法体系で対応できない事項について憲法改正の是非を問うといった発想が必要と考えられる。

(3)合区解消・地方公共団体について

 両議院議員の選挙について、一票の較差(人口比例)への対応により行政区画と選挙区のずれが一層拡大し、地方であれ都市部であれ今後地域住民の声が適切に反映されなくなる懸念がある。このため47条を改正し、[承脹ゝ聴の選挙区及び定数配分は、人口を基本としながら、、行政区画、地勢等を総合勘案する、とりわけ、∪治的・社会的に重要な意義を持つ都道府県をまたがる合区を解消し、都道府県を基本とする選挙制度を維持するため、参議院議員選挙においては、半数改選ごとに各広域地方公共団体(都道府県)から少なくとも一人が選出可能となるように規定する方向でおおむね意見は一致している。同時に、その基盤となる基礎的地方公共団体(市町村)と広域地方公共団体(都道府県)を92条に明記する方向で検討している。

(4)教育充実について

 教育の重要性を理念として憲法上明らかにするため、26条3項を新設し、教育が国民一人一人にとっての幸福の追求や人格の形成を基礎づけ、国の未来を切り拓く上で欠くことのできないものであることに鑑みて、国が教育環境の整備を不断に推進すべき旨を規定する方向でおおむね意見は一致している。
 89条は私学助成が禁止されていると読めることから、条文改正を行うべきとの意見も出されている。

3 憲法改正の発議に向けて
 
 憲法改正は、国民の幅広い支持が必要であることに鑑み、4テーマを含め、各党各会派から具体的な意見・提案があれば真剣に検討するなど、建設的な議論を行っていきたい。

 毎日新聞 2014年7月3日(木) 夕刊3面
 特集ワイド 集団的自衛権行使容認 閣議決定文の「ごまかし」 憲法専門家らがキーワードで読み解く
 http://mainichi.jp/shimen/news/m20140703dde012010003000c.html
 私のコメントが紹介されました。

 本日、第5回会合が開かれました。

□朝日新聞 「非戦闘地域」政府解釈は非現実的 安保法制懇で意見
□毎日新聞 安保法制懇:憲法9条解釈の見直し検討 第5回会合
□産経新聞 後方支援への制約見直しが大勢占める 有識者懇
□時事通信 有識者懇、後方支援の拡大容認=首相、「武力と一体化せず」見直しを

 15日(水)19:30〜、二部構成で放送された「日本のこれから 考えてみませんか憲法9条」。結局、最後まで見てしまいました。

 会場の意見を多く拝聴し、自衛隊の存在は、憲法の規定に関係なく、国民に確実に受容されていることを実感しました。湾岸戦争の頃は、とかく「さっぽろ雪まつり」や災害救助のような非軍事的活動が引き合いに出され、防衛組織としての意義を問う声が多かったと記憶していますが、今や活動範囲が国際的に拡大し、その内容が国民の間に浸透し、評価につながっているといえます。

 これと関連し、自衛隊の存在をどうすべきかというスタジオ内アンケートが行われました。〃法上明確にする、現状のままでよい、自衛隊を廃止する、との選択肢が与えられたのですが、,鉢△ほぼ同数、が10%も満たなかったことが、興味深く感じられました。

 回答は、国民投票の射程として十分考え得るのですが、△多いということになると、実際に9条改正の国民投票が行われる現実性、可能性にも疑問符が付せられます。
 現行規定は使い勝手が良くて(解釈改憲)、自衛隊はフリーハンドでいろんな事ができるから、9条をわざわざ変えなくてもよいという世論は、「憲法の空洞化」を助長するばかりです。でも、そのことはさておく意見が多いという結果でした。

 「9条を変えなくてもいい」という意見と、「9条を守れ」という意見とはニュアンスが異なります。
 つまり、「護憲」の結論を採るにも、9条の空文化を放置して構わないという立場と、教条主義的に護憲を唱える旧来からの立場とが、違うニュアンスで混在しています。(狭義の・旧来の)護憲派は、国民投票法の議論からも、9条の空文化からも、二重に逃避しているように映ります。

 9条改正(案)が発議されれば、改正案の是非をめぐって、賛否さまざまな意見が飛び交います。主権者は、自由な判断基準(要素)で以て、改正案に限らず、日米安保条約、自衛隊法などの安全保障法制の全体を対象とし、1枚の用紙に投票意思を示さなければなりません。普段から憲法的テーマについて幅広く、思慮を深めておくことの意義と大切さを、今日の番組は、教訓として与えたことでしょう。。。
 
 憲法的歯止めとは何なのか――「実質的意味の憲法」という概念を紹介しつつ、拙著Q1とQ52は、そんな問題意識で書いてもいます。国民の憲法意識の問題であるからです。

 ところで、第1期憲法審査会は、憲法改正原案の大綱・骨子が議論されるまでの間、自由討議の連発となるでしょう。
 今日の番組の良かったところは、1回の発言がおよそ1分以内と、短く設定されたことで、テンポと歯切れがよかったことです。また、政治家がいなくても討論番組は成り立ちうることが分かりました。
 憲法審の自由討議は、1回の発言時間は1分30分以内(終了30秒前にブザーが鳴る)とし、発言の回転を良くすることもアイデアだと思います。発言の機会が増え、委員の出席数(絶対数)が増える効果も期待できます。

 有識者懇談会が立ち上がります。

□TBS News i 集団的自衛権、法制局が解釈見直し検討 
□日テレNEWS24 集団的自衛権の行使めぐり有識者懇談会設置
□読売新聞 首相意向に沿った憲法解釈、内閣法制局に検討指示
□朝日新聞 安倍首相、憲法解釈変更の意向示す 集団的自衛権
□日経新聞 集団的自衛権、新たな憲法解釈検討・首相が法制局に指示
□東京新聞 集団的自衛権 4類型を検討 解釈見直し派ずらり
□時事通信  集団的自衛権、法制局でも解釈見直し検討=安倍首相「わたしの方針での研究当然」

 政府、自民党で具体的な検討が始まりつつあります。

□NHK 自民 集団的自衛権で特命委へ
□TBS News i 集団的自衛権、憲法解釈見直しも検討へ
□産経新聞 集団的自衛権「憲法解釈見直し検討を」 久間防衛相 
□日経新聞 首相「憲法解釈、議論を」・集団的自衛権
□日経新聞 自民、集団的自衛権で特命委
□時事通信 憲法解釈見直しに賛意=久間防衛相

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は14日、TBSのテレビ番組で「自衛隊は他国から見れば戦力なのに、持っていないと憲法に書いてあることは明らかに矛盾で、きちんと書くべきだ」と、憲法9条を改正すべきだとの持論を展開した。(→つづき

 まずは、下記リンクをご覧ください。

 札幌テレビ放送「どさんこワイド180」

 (70歳代男性)「人間の根源を根こそぎ否定するような法案」
 (18歳女性)「知らないです!」「戦争やってもいい、みたいな法律ですか?」
国民投票法案は夕方の衆議院本会議を通過しました。多くの国民の理解も同意も十分に得られないまま、5月には参議院も通過して成立する見込みです。


 「人間の根源を根こそぎ否定する」とは、平和主義(前文、9条)、個人の尊厳(13条)など、近代憲法の基本原則を蔑ろにするおそれを秘めているということでしょうか?

 「戦争やってもいい、みたいな」とは、海外における積極的な武力行使を指すのでしょうか?

 いずれの発言も、国民投票法案とはまったく無関係のテーマです。
 「国民投票法案」=「戦争への道」というのは、一部マスコミの虚言に過ぎません。そのイメージに駆られている国民は意外に多いと思います。

 国民が主権者として憲法制定(改正)権を行使するという話と、
 国民が主権者としての「賢慮」に基づいて、憲法改正権の限界付けを行うという話は、明確に区別をした上で、議論されるべきです。

 国民主権の本質、国民投票法制定の意義をなぜ正面から伝えようとしないのでしょうか?
 とくに放送メディアはその自覚が足りないように思います。

 「多くの国民の理解も同意も十分に得られない」のは、ある種当然です。
 国民投票法案に関して、メディアがほとんど関心を寄せてこなかったからです。

 12日の報道は、明らかに「松坂vs.イチロー」の特報の合間を埋めるとしか言いようがない扱いです。
 昨年、衆院本会議で初めて趣旨説明が行われた日には(2006年6月1日)、駐車違反取締りの民間委託が始まった日ということもあって、各社トップニュースはすべてこちらでした。

 偏向して垂れ流されたイメージは怖いということ・・・本番の国民投票キャンペーン期間中にもこのような報道が氾濫するかと思うと、ゾッとします。
 放送法3条の2の理念に則り、放送の自律に徹するというのであれば、きちんと実行していただきたい。そんな思いで、民放連に喝です。

 守屋武昌防衛次官は12日の記者会見で、集団的自衛権について、「首相が『いかなる場合が憲法で禁止されている集団的自衛権に該当するかについて、個別具体的に類型に即した研究を進める』と表明しており、防衛省としてもきちんと整理研究しておくことは必要と認識している」と述べた。(→つづき

 [国民投票/住民投票]情報室ウェブサイトに、拙稿が新たに掲載されました。

 連載「イヤでもわかる!国民投票法案」
 第7回 スポットCMの功と罪
 第8回 買収はダメ?
 第9回 過半数の承認と投票用紙への記載方法
 第10回 当日、投票所に行けない人は?

 特別寄稿 
 伊藤真のけんぽう手習い塾「第四十回 憲法改正手続法その5」(マガジン9条)に対する批判的意見

 ぜひ、ご覧ください。m(_ _)m

 憲法改正国民投票の際、発議に賛成した政党が、承認された(されなかった)場合の「約束」(国民投票政策マニフェスト)を明示するべきかどうかという議論があります(第164国会以降は下火ですが)。私なりに整理してみました。続きを読む

 中曽根康弘元首相は18日午後、NHKの番組収録で、夏の参院選について「自民党が負けても衆院は大多数を持っている。大連立などの変化はあり得るが安倍内閣が辞めることには至らない」と述べ、参院選で自民党が敗北しても安倍政権は存続するとの見方を示した。(→つづき

このページのトップヘ